セグメンテーション

マーケティングリサーチの結果をいかに効果的なセグメンテーションに結びつけるか。このページではセグメンテーションにまつわるさまざまな手法を紹介します。

1.セグメンテーションとは

生活者のニーズがますます多様化する今日では、効果的なマーケティングを行うために、生活者を独自の切り口で分類し、個別の戦略を立てることが非常に重要です。生活者を何らかの基準で分類することによって市場を細分化することをセグメンテーションと言いますが、セグメンテーションを活用するには、目的に適ったセグメンテーションの切り口を見定め、各セグメントの人間像をはっきりとさせることが必要となります。ここでは多数存在するマーケティングリサーチを利用したセグメンテーションの方法を紹介します。

2.さまざまなセグメンテーション

2-1.デモグラフィック特性によるセグメンテーション

性別・年齢・婚姻・家族構成・職業・年収等のデモグラフィック特性を基準として生活者を分類する、これはセグメンテーションの最も古典的な手法であると言えます。調査においても容易に質問ができ、シンプルなクロス集計によって分析ができます。また、セグメンテーションを行うにあたって、何かしらの目的変数がある場合(例えば、商品○○の購入意向がはっきりと分かれるようにセグメンテーションをしたいなど)には、決定木(Decision Tree)という多変量解析手法を用いて、さまざまなデモグラフィック特性の中から目的変数に対して影響力の強いものを順に抽出し、効果的に組み合わせたセグメンテーションを行うことも可能です。

図1. 決定木を利用したデモグラフィック特性によるセグメンテーション例

図1. 決定木を利用したデモグラフィック特性によるセグメンテーション例

この例では、ある商品に対する購入意向の有無を目的変数として、デモグラフィック特性を決定木にかけています。例えば30歳以上の男性と年収500万円以上の独身女性と子供のいない既婚女性に購入意向があるということが分かります。これらの人々は同様に購入意向があると言っても、利用するメディアや微妙な嗜好の違いが存在すると考えられるので、別のセグメントとしてマーケティング戦略をとる方が賢明と言えるでしょう。このように、決定木を用いると、さまざまな変数を多次元的に組み合わせたセグメンテーション軸を求めることができるのです。

2-2.ライフスタイルによるセグメンテーション

デモグラフィック特性からみれば同じ集団に属する人々が、同じ購買行動をとるとは限りません。そのため、個人の活動、関心、意見によって表現された生活パターンによってセグメンテーションを行う、ライフスタイル・セグメンテーションも重視されています。調査では、生活者の活動や関心事や意見に関する設問を複数用意し、それらを主成分分析や因子分析にかけることで、生活者のライフスタイルに関する大まかな傾向を抽出し、ここから非階層クラスター分析などの手法で、セグメンテーションを実行します。

2-3.商品購入の態度・行動によるセグメンテーション

ライフスタイルによるセグメンテーションよりもさらに具体的な情報を用いたセグメンテーションが行動によるセグメンテーションです。例えば、ダイエット飲料を扱う場合には「健康・食事・ダイエットに関する行動」をセグメンテーションの切り口に利用するなど、より購買行動と因果関係の強い変数を利用できることが長所となります。その反面、生活者の行動は流行などに大きく左右されやすく、革新的商品の発売により大きく変わってしまう可能性があるため、セグメンテーションが有効な期間が短いという短所もあります。次に行動によるセグメンテーションのいくつかのパターンを紹介します。

1. 購入時の重視点・求めるベネフィットによるセグメンテーション

「買い手が商品やサービスに対して何を求めているのか」「買い手は何を基準に選択をしているのか」を基軸にセグメンテーションをします。選択するブランドや、持っているニーズに対して直接因果関係のある切り口であるため、直接戦略策定に生かせるという長所があります。実際の調査では、購入時の重視点や求めるベネフィットに関して評定尺度法を使って複数質問し、その結果を非階層クラスター分析にかけるという手法が一般的です。また、コンジョイント分析や AHPの結果を非階層クラスター分析にかけてセグメンテーションを行うこともできます。

図2. コンジョイント分析より求まった各属性の重要度によるセグメンテーションの例

図2. コンジョイント分析より求まった各属性の重要度によるセグメンテーションの例
グラフは、各クラスターの属性に対する重視度(一部抜粋)

2. 利用頻度・購入頻度・購入量によるセグメンテーション

利用頻度や購入頻度や購入量等、1つの数値で表せるものを基準としてセグメンテーションを行います。実際の分析では、まず購入頻度や購入量の分布をヒストグラムで確認し、利用頻度・購入頻度・購入量が上位○%の人を「ヘビーユーザー」というかたちで定義していきます。

図3. 消費量によるセグメンテーションの例

図3. 消費量によるセグメンテーションの例

3. 購入経緯・購入動機・購入準備段階によるセグメンテーション

購入するにいたった経緯や動機、購入準備のどの段階にいるのか(購入の検討の有無、購入までの情報収集レベル等)によってセグメンテーションをします。この方法では通常、シンプルな設問によってセグメンテーションを行うことができますが、他のセグメンテーションの切り口と組み合わせて行うこともできます。さまざまな購入動機を持つ人々や購入までのさまざまな段階にいる人々とどのように接触していくべきかが理解でき、コミュニケーション戦略に関する示唆を得るためなどに非常に有用です。

3.応用セグメンテーション

以上さまざまなセグメンテーションの切り口を紹介してきましたが、このような手法の中から必ず1つを選択しなければならないというものではありません。上記で紹介したようなセグメンテーションの切り口を複数組み合わせることで、さらに効果的なセグメンテーションを行うことができます。決定木(Decision Tree)などを利用すれば、データから最も有効なセグメンテーションの切り口の組み合わせを探索的に選び出すことも可能です。当社ではマーケターの目的に応じて最良なセグメンテーション手法をご提案しています。

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