NPSの計算方法とは?計算式や進め方、スコアの見方などを解説

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公開日:2026/10/2(金)

NPS®は、顧客の推奨意向を数値化し、顧客ロイヤルティを把握するための指標です。この記事では、NPS®の計算方法や顧客満足度との違い、調査の進め方を解説します。スコアの見方や業界平均との比較、事業改善に活用する際のメリットも解説します。自社の現状把握や改善施策を検討する際の参考になります。

参照:NPSとは?概要、活用方法についてわかりやすく解説

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監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

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NPSとは?

NPS®は、企業やブランドに対する顧客の推奨意向を数値化する指標です。顧客ロイヤルティを把握する指標として活用されています。

NPSとは?顧客ロイヤルティを測る指標

NPS®とは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略称であり、顧客のロイヤルティ(企業やブランドに対する信頼や愛着の度合い)を数値化するための指標です。

アンケートにおいて「この製品やサービスを友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか」という質問を提示し、0点から10点までの11段階で回答を得ます。スコアは、リピート購入や他者への紹介意向を把握する参考になります。

顧客満足度との違い

従来の顧客満足度(CS)は、現時点で提供された機能やサービスに対する一時的な「満足度」を測る傾向にあります。対してNPS®は、「他者に勧めたいか」という未来の行動意向を問いかけます。そのため、顧客が今後の継続利用や周囲への推奨を行う確率と深く結びついており、企業の将来的な売上や業績成長率と高い相関関係を持つ点が違いです。

eNPSとの違い

eNPSとは「Employee Net Promoter Score」の略称であり、顧客ではなく「従業員」のエンゲージメントや職場に対する推奨度を測定する指標です。「現在の職場を親しい知人や友人に勧める可能性」を同様の形式で算出します。NPS®が外部の顧客を対象とする指標であるのに対して、eNPSは、従業員の職場に対する推奨度やエンゲージメントを把握するための指標である点が異なります。

NPSの計算方法と計算式

NPS®を算出する際は、まず対象者に対して「周囲に勧める可能性」を0点から10点までの11段階で評価してもらいます。次に、9点と10点を付けた回答者を「推奨者」、7点と8点を「中立者」、0点から6点までを「批判者」と分類します。

全体の回答数に占める推奨者の割合(%)から、批判者の割合(%)を差し引いた数値がNPS®のスコアとなります。たとえば、推奨者が40%で批判者が25%である場合、スコアは「+15」となります。中立者の割合は引き算には直接影響しません。

NPSの計算例

NPS®の具体的な計算手順について、回答者が100人の場合を例に解説します。アンケートの結果、9点または10点を付けた「推奨者」が50人、7点または8点を付けた「中立者」が30人、0点から6点までの「批判者」が20人という結果が出たと仮定します。

この場合の各グループの割合は、推奨者が50%、中立者が30%、批判者が20%となります。NPS®の計算式である「推奨者の割合(%)− 批判者の割合(%)」に当てはめると「50 − 20」となり、算出されるNPS®スコアは「+30」となります。

NPS調査の進め方

NPS®調査を進める際の基本的な手順を4つのステップで解説します。

1.調査目的、評価対象を明確にする

NPS®調査を実施する際は、まず調査を行う目的と評価の対象を明確に定めます。自社のブランド全体に対する愛着を測定する「関係性調査」なのか、特定の製品購入やサポート対応といった顧客体験を評価する「取引調査」なのかによって、質問の設計や適切な実施タイミングが異なるためです。

目的が曖昧な状態では、得られたスコアを具体的な改善施策に結びつけることが難しくなります。

2.実施方法を決める

調査目的の決定後、アンケートの具体的な実施方法を選定します。おもな手法としては、電子メールでの配信、Webサイトやアプリ内でのポップアップ表示、郵送などが挙げられます。対象となる顧客層の属性や、日頃の接点を目安に適切な手法を選択することが重要です。

回答の手間を最小限に抑え、スマートフォンの画面でも操作しやすい配信環境を整えることで、回答しやすい環境づくりにつながります。

3.質問、アンケートを設計する

質問設計では、推奨度を測る11段階の選択式質問に加え、その点数を選んだ理由を尋ねる自由記述式の質問を組み合わせます。点数の背景にある具体的な要因を把握しなければ、具体的な改善行動へつなげられないためです。

また、顧客属性や利用頻度に関する質問もあわせて設計することで、どのような層が批判的、あるいは推奨的な傾向にあるかを詳細にクロス分析に活用しやすくなります。

4.結果を分析し、改善につなげる

回収したアンケートデータをもとに推奨者と批判者の割合を計算し、現在のスコアを算出します。さらに、自由記述データを分析し、批判者が不満を抱く要因や、推奨者が評価する企業の強みを抽出します。

特定された課題に対して優先順位をつけ、業務プロセスや製品の改善施策へと反映させることで、顧客体験の改善に活用できます。

NPSスコアの評価方法と目安

NPS®スコアを算出した後、その数値を適切に評価し、自社の現状を正確に把握するための基準と目安を解説します。

NPSスコアの見方

NPS®スコアは、マイナス100からプラス100までの範囲で算出されます。批判者の割合が推奨者よりも多い場合はマイナスの数値となり、推奨者の割合が上回る場合はプラスの数値です。

スコアが高くなるほど、顧客の中に、他者へ推奨する意向を持つ人が多い状態を示します。顧客ロイヤルティの変化を把握するためには、スコアの推移を定期的に確認することが有効です。

業界平均と比較する際の考え方

NPS®の数値を評価する際は、自社のスコア単体で判断せず、業界平均や競合他社の数値と比較することが重要です。日本では中間的な回答が選ばれやすいとされるため、欧米と比較する際は回答傾向の違いを考慮する必要があります。

したがって、マイナスの数値であっても業界内での相対的な位置づけを把握し、競合や業界平均との相対比較、過去の自社データとの推移を確認することが有効です。

NPSを活用するメリットと注意点

NPS®を事業に導入し、スコアを算出することで得られるメリットと、運用にあたる注意点を解説します。

NPSを活用するメリット

NPS®を活用するメリットは、顧客の推奨意向を把握し、今後の顧客行動を検討する材料にできる点です。推奨度が高い顧客は、リピート購入や継続利用につながる可能性があるとされています。

さらに、良い口コミが広がることで、新規顧客獲得に寄与する可能性があります。批判者の具体的な不満を早期に解消すれば、競合他社への乗り換えを防ぐための検討材料として活用できます。

NPSを活用する際の注意点

NPS®を活用する際の注意点は、スコアの上下だけに一喜一憂しないことです。点数の変動に捉われすぎると、表面的な数値の改善が目的となってしまい、本質的な顧客体験の向上につながりません。また、数値を高めるために回答を誘導するようなアンケート設計を行うと、データの偏りにつながる可能性があるため、常に中立的な立場で調査を運用する体制が必要です。

NPSを活用するポイント

株式会社マクロミルの調査手法などを参考にしつつ、NPS®の数値を事業改善に活用するためのポイントを解説します。

十分な回答数を確保する

NPS®調査の信頼性を高めるためには、できるだけ多くの回答数を集めることが求められます。母数が少ない状態では、一部の極端な意見によって全体のスコアが大きく変動してしまい、分析結果が一部の回答に左右されやすくなるためです。

統計的な信頼性を確保するためにも、許容する誤差や母集団の大きさ(顧客数)に応じて必要なサンプルサイズを算出する必要があります。一般的なビジネス調査において誤差5%・信頼度95%を目指す場合、約400件の有効回答数が目安となりますが、自社の顧客規模や分析したいセグメント数に合う目標数を設定する工夫が必要となります。

社内や現場にフィードバックを行う

算出されたNPS®のデータや顧客から寄せられたコメントは、調査チーム内だけに留めず、社内や現場のスタッフへ迅速に共有します。現場の従業員が自らの対応に対する顧客の意見を把握することで、業務改善の検討に活用できるためです。全社的な取り組みとして情報を共有することが、顧客体験の改善に向けた社内連携に役立ちます。

サイレントマジョリティも視野に入れる

NPS®調査を行う際は、アンケートに回答しなかった「サイレントマジョリティ」の存在も意識する必要があります。不満を持っていても回答せずに離脱する顧客がいる可能性があります。そのため、回答データの分析だけに満足せず、解約率の推移や購買履歴といった客観的な行動データもあわせて検証し、表面化していない課題を把握する視点も重要です。

まとめ

NPS®は、顧客の推奨意向を数値化し、顧客ロイヤルティを把握するための指標です。従来の顧客満足度調査とは異なり、他者への推奨意向を問い直すため、購買行動や口コミとの関連を検討する際に活用されることがあります。

調査を運用する際は、目的の明確化や適切な質問設計を行うとともに、サイレントマジョリティの動向にも配慮が必要です。算出したスコアや顧客の声は、社内や現場へ迅速に共有し、継続的な業務改善へとつなげる体制の構築が求められます。

株式会社マクロミルは、マーケティングリサーチおよびデジタルマーケティングリサーチを中心に、多様化する社会や消費者のニーズを分析し、企業の意思決定に役立つ消費者インサイトを提供しています。

また、マーケティングデータの提供にとどまらず、企業が保有するデータとの統合・活用を支援するデータコンサルティングや、広告配信・CRMなどのマーケティング施策支援までを一気通貫で提供できる総合マーケティング支援企業です。マーケティングリサーチの活用や、データに基づくマーケティング戦略の強化を検討している人は、ぜひご検討ください。

※NPS®、ネット・プロモーター・スコア® は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。

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