
市場調査データを活用することで、商品やサービスの開発に役立つ情報を得られます。適切なデータベース・ツールを選ぶことが成功への鍵です。この記事では、市場調査に役立つデータベース・ツール13選を紹介します。ツールの選び方や市場調査の方法なども解説するため、参考にしてください。
- 市場調査データの活用意義
- 【政府統計】市場調査に役立つデータベース・ツール4選
- 【マーケティングリサーチ会社】市場調査に役立つデータベース・ツール6選
- 【業界特化】市場調査に役立つデータベース・ツール3選
- 市場調査の代表的な方法
- 市場調査に役立つデータベース・ツールの選び方
- 市場調査データの活用事例
- 市場調査データを活用する際の注意点
- まとめ
市場調査データの活用意義
市場で売れる製品やサービスを生み出すには、ニーズや競合状況を把握することが欠かせません。市場調査データを活用することで、開発の方向性が明確になり、多くの人に支持される商品づくりが可能になります。
【政府統計】市場調査に役立つデータベース・ツール4選
政府が運営している市場調査に役立つデータベース・ツールは、信頼性の高いデータを求める場合におすすめです。ここでは、政府が運営する4つのツールを紹介します。
総務省統計局「e-Stat 政府統計の総合窓口」
「e-Stat 政府統計の総合窓口」は、総務省統計局が運営する、各府省の統計データをまとめたポータルサイトです。市場調査や報道の情報源としても活用されています。「国土、気象」「人口・世帯」など17分野から検索でき、目的に応じたデータを簡単に見つけられます。
総務省統計局「統計ダッシュボード」
「統計ダッシュボード」は、総務省統計局が運営するポータルサイトです。国の統計だけでなく、民間企業が公表するデータも掲載されており、主要な統計はグラフでわかりやすく表示されます。また、登録不要で利用できるAPIも提供されているため、定期的に市場データを取得したい場合にも便利です。
経済産業省「統計」
経済産業省の「統計」ページでは、経済や産業に関する豊富なデータを閲覧できます。「生産動態統計調査」などの調査結果をもとに、約1,600品目の生産・出荷量などを毎月確認できます。10年分のデータをグラフで可視化できる「グラレスタ」もあり、オンラインで簡単に統計グラフを作成可能です。
国立国会図書館「リサーチ・ナビ」
「リサーチ・ナビ」は、国立国会図書館の職員が市場調査に役立つと判断した情報源をまとめたポータルサイトです。日本唯一の法定納本図書館「国立国会図書館」が提供しており、資料の所在を調べられます。信頼性の高い調査を行いたい際に便利です。
【マーケティングリサーチ会社】市場調査に役立つデータベース・ツール6選
市場調査に役立つマーケティングリサーチ会社のデータベース・ツールを6つ紹介します。
マクロミル「市場調査レポート」
マクロミルは、依頼に基づいて市場調査を実施する会社です。市場調査に役立つ豊富なデータを無料で提供しています。データは、「情報通信」「広告・メディア」「食品・飲料」など、業界・業種別に整理されており、目的の情報を簡単に見つけられます。ダウンロード前に調査対象や時期を確認できるため、古いデータを無駄にダウンロードする心配もありません。
ITmedia「調査のチカラ」
ITmediaが運営する「調査のチカラ」は、無料公開のアンケート・データを集めたポータルサイトです。民間企業や国の統計データも広くカバーしており、豊富な情報を絞り込み条件で簡単に検索できます。多様な業界・分野のデータがそろっているため、必要なデータの収集に便利です。
博報堂生活総合研究所「生活定点 1992-2020」
「生活定点 1992-2020」は、1992年から隔年で実施されている時系列調査です。感情、生活行動、消費態度、社会観などの多角的な質問を通じて、生活者の意識と欲求の変化を分析します。約1,400の調査項目は21のカテゴリに分かれ、1992年から2020年までの28年間のデータを提供しています。
クロス・マーケティング「無料調査レポート」
クロス・マーケティングは、年間約1万件以上のリサーチを行っており、一部を無料で公開しています。調査概要やサマリーはサイト上で確認でき、詳細データのダウンロードには無料会員登録が必要です。会員登録後は、無料レポートのダウンロードや分析ツールの利用、セミナー参加が可能で、市場調査の方法や分析を学べます。
東京商工リサーチ「データを読む」
東京商工リサーチは、企業の信用調査や市場調査を行っており、長年にわたる企業情報や倒産データをもとに、日本経済の現状を把握するためのデータを無料で公開しています。経済情報のなかでも、企業に関するデータを重視する人におすすめです。
リクルート「調査・データ」
「調査・データ」は、リクルートホールディングスが多くの事業活動を通じて集めた消費者の行動や傾向を紹介するものです。アルバイトの平均時給や宿泊旅行、外食市場など、定期的に調査されたデータで消費者動向の変化を把握できます。市場調査したい業界があるかチェックし、活用することをおすすめします。
【業界特化】市場調査に役立つデータベース・ツール3選
市場調査に役立つ業界特化型のデータベース・ツールを3つ紹介します。
J-Net21「市場調査データ」
J-Net21は中小企業経営者向けに、飲食業、サービス業、物販業の市場調査データを公開しています。業界ごとに細かく業種が分かれ、たとえば、飲食業では居酒屋やイタリア料理店、アイスクリーム店などのデータが提供されています。データには、現在の利用状況や利用金額、今後の利用意向などが含まれていますが、調査時期が古い場合もあるため注意が必要です。
ホームメイト「市場調査データ(マーケティングリサーチ)」
賃貸物件情報サイト「ホームメイト」では、各市区町村のデータを公開しています。データには総人口や人口密度、転入・転出率、共働き世帯の割合、核家族世帯の割合などの情報が含まれ、市場調査にも役立つ詳細なデータが提供されています。
電通「日本の広告費」
日本最大手の広告代理店「電通」では、1年間の広告費に関する統計データを公開しています。
1947年から始まった歴史あるデータで、マスメディアやインターネット広告の費用推移を把握できます。広告市場規模を理解するのにおすすめです。
市場調査の代表的な方法
市場調査の方法は大きく4つあります。以下で、それぞれの方法について詳しく解説します。
定量調査
定量調査は、数値や量で示される「定量データ」を収集する方法です。ネットリサーチや郵送調査、会場調査などがあり、調査対象が多いほど結果の精度と信頼性が高くなります。
【定量調査】アンケート調査(インターネットリサーチ)を詳しく見る>
定性調査
定性調査は、数値や量では表現できない「定性データ」を収集する方法です。調査方法には、オンラインインタビュー、グループインタビュー、行動観察調査などがあります。質問はおもに感想や評価に重点を置き、消費者のニーズや行動を分析することで、ビジネスプランの立案に活用できます。
統計データ調査
統計データ調査は、政府や大学、民間企業などが公開した既存の統計データを活用して、情報収集や分析をする方法です。大規模なデータがすでに利用できるため、迅速かつ低コストで情報を得られます。
覆面調査
覆面調査は、調査員が一般消費者のように振る舞い、商品やサービスの質を評価する調査方法です。企業や店舗がサービス品質を客観的に把握するために実施します。調査員が一般消費者として振る舞うことで、従業員が気づかず、実際の消費者体験を通じて商品やサービスの質を把握できます。
参考:市場調査とは?マーケティングリサーチとの違いやメリット、代表的な9つの方法を解説
市場調査に役立つデータベース・ツールの選び方
市場調査に活用するデータベース・ツールを選ぶ際には、押さえておくべきポイントがあります。以下で、4つのポイントについて解説します。
ターゲットに基づいて選定する
市場調査に活用するデータベース・ツールは、ターゲットに基づいて選定しましょう。ターゲット層と異なる年齢や性別を対象にした場合、調査の意味がなくなります。たとえば、健康食品「美容クリーム」の調査で若い世代を対象にしても、ターゲット層とはずれたデータが集まってしまい、参考になりません。
市場調査結果が得られるまでの期間で選定する
市場調査結果が得られるまでの期間をもとに選定することも大切です。調査結果が遅れると、事業開始に支障が出る可能性があるため、事前に確認しておきましょう。データベースならすぐに確認できますが、調査依頼は目的とスケジュールに合った依頼先を選ぶ必要があります。
市場調査にかかる費用で選定する
市場調査にかかる費用は、予算に合っているかを確認しましょう。市場調査に活用するデータベース・ツールには無料と有料のものがあり、複数のプランがある場合は比較が大切です。無料トライアルが提供されている場合もあるので、体験後に導入を検討できます。
調査手法に応じて選定する
調査手法に応じて選定することも重要です。調査手法によって得られるデータが異なるため、目的に合ったツールを選びましょう。たとえば、消費者の意見を調べるには定性調査、購買行動のデータを数値化するには定量調査を活用しましょう。
市場調査データの活用事例
アサヒビール株式会社は、開発から販売までの調査をマクロミルで実施し、前例のない「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」を発売しました。商品が本当に魅力的かを確認するために、デプスインタビューなどの定性調査から、パッケージやネーミング、訴求コピーに関する定量調査まで、幅広くサポートを受けました。
参考:【調査活用事例ー開発から販売まで一括支援】前例のない『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』の調査は、“マクロミルだから”一緒にできた
市場調査データを活用する際の注意点
市場調査データを活用する際には、目的とのズレや仮説の重要性に注意が必要です。目的が不明確なまま調査を進めると、不要なデータが集まり、結果として自社に都合のよい情報が得られるリスクがあります。仮説を立ててから調査を行うと、調査の方向性が明確になり、必要な質問項目をピンポイントで設定できます。
まとめ
市場調査データの活用は、事業の成功に欠かせません。適切なデータベース・ツールを選び、ターゲットに合ったデータを収集することで、より効果的な意思決定が可能になります。市場調査ツールの選定には、期間や費用、調査手法などの要素を考慮しましょう。
株式会社マクロミルは、マーケティングリサーチとデジタルマーケティングを組み合わせて、消費者の動向や市場のトレンドを正確に解析し、貴重なインサイトを提供しています。クライアントのデータを活用し、広告配信やCRM戦略に至るまで、総合的なマーケティングサポートを行っています。ぜひご検討ください。
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