ネットリサーチとは?メリットやデメリット、調査の流れ、リサーチ会社の選び方をわかりやすく解説

ネットリサーチとは、アンケートサイトにアクセスしてもらい、回答を得ることで顧客の意見や思考を分析する調査手法です。この記事では、ネットリサーチと従来の手法との違い、メリットや実施手順を解説します。おすすめのマーケティングリサーチ会社も紹介するので、参考にしてください。

ネットリサーチとは

ネットリサーチとは何か、概要と従来の手法との違いについて解説します。

ネットリサーチの概要

ネットリサーチは、調査対象であるモニターにWeb上で回答してもらう手法です。モニターは、Webサイト上にあるアンケートに、スマートフォンやタブレットから回答します。インターネットリサーチやWebアンケート、Web調査、オンラインサーベイなどと呼ばれる場合もあります。

ネットリサーチの特徴は、アンケートの配信から回答、集計まで、すべてインターネットで完了することです

紙や電話など従来のリサーチとの違い

従来のリサーチでは、調査員が対象者の家を回ってアンケート用紙を配ったり、電話で回答してもらったり、郵送したアンケート用紙を返送してもらったりする方法が取られていました。ネットリサーチと従来のリサーチには、フロー上の違いがあります。従来のリサーチと比べ、ネットリサーチは、物理的制約が少なく作業効率がよいという特徴があります

ネットリサーチのメリット

ネットリサーチには、さまざまなメリットがあります。ここでは、3つのメリットを解説します。

費用を抑えて実施できる

ネットリサーチは、費用を抑えられるメリットがあります。従来の手法では、アンケート用紙の印刷費や用紙配布、回収、集計にかかる人件費など、さまざまな費用が必要でした。その点、ネットリサーチは、インターネット上でアンケートがすべて完了します。必要な費用を削減することで、アンケートの回数を増やし、マーケティング施策を細かく分析、改善することも可能です。

時間を削減できる

ネットリサーチはインターネット上ですべての作業が完結するため、実施から回収、集計に至る時間が短縮できます。そのため、効率的に調査を行えるメリットがあります。ネットリサーチにかかる時間は、アンケートの実施から回収までおよそ1週間、調査企画からの見立てでもおよそ2週間です。

多くのサンプル数を確保できる

ネットリサーチは、従来の手法に比べて費用を抑えられるため、多くのモニターに対して調査を行えます。調査対象者が多いほど、統計的な誤差は少なくなります。集計時に特定の条件のみの回答を見た場合でも、ある程度のサンプル数の確保が可能です。

従来の手法では、広範囲のエリアからデータを収集することが難しく、一部地域の回答データが不足したり、特定地域にデータが偏ったりするなどの問題がありました。ネットリサーチなら、日本全国の幅広い地域の対象者から情報を収集できます

ネットリサーチのデメリット

ネットリサーチやコストや時間の削減といったメリットがある一方で、看過できないデメリットもあります。ここでは、デメリットを2つに分けて解説します。

虚偽の回答をされる懸念がある

ネットリサーチでは、インターネットの特性を逆手に取り、複数人を装って、データを大量偽装することも可能です。回答の様子を確認できないため、適当に回答したり、虚偽の回答をされたりすることが懸念されます。モニターの重複確認や不正回答の削除を行い、信憑性を確保することが重要です。

市場との乖離が発生する可能性がある

ネットリサーチのアンケート結果は、市場をそのまま反映しているわけではありません。ネットリサーチの対象者は、あくまでもインターネットを活用しており、アンケートに回答する意思がある人です。インターネットを利用していない職業や年齢層も存在します。目的によっては、正確な調査結果が得られない可能性も考えられます。

ネットリサーチは一般的なリサーチ手法ですが、市場と完全に一致しているわけではない点を、念頭に置きましょう

ネットリサーチを実施する流れ

ネットリサーチを実施する場合、以下で解説する4つの手順に沿って行いましょう。

調査目的を明確にし、企画を設計する

調査企画を設計する前に、まずは自社の解決すべき課題を設定し、仮説を立てます。仮説に対する検証を行うことで、効果的な調査が可能です。

調査目的と仮説を踏まえて、「調査対象者の条件」「サンプルサイズ」「調査項目」「費用・スケジュール」を設定しましょう。マーケティングの課題に合わせて、年齢層や性別、居住エリアなどの調査対象者の条件を細かく設定します。ターゲットを絞り込むほど、調査結果を施策に役立てやすくなります。

アンケートを作成する

先ほど決めた仮説を検証できるように、アンケート調査の項目を作成します。アンケートを作る際は、最初に、調査に回答してほしい人を抽出する「スクリーニング設問」を設定しましょう。その後、仮説を検証するための設問を記載します。

アンケート内容は、モニターが簡単に答えられる内容にします。答えにくい設問や、人によって解釈が異なる設問は、回答の質の低下につながりかねません

アンケートを実施する

作成した設問をもとに、アンケート用のWebページを作成します。その後、インターネットを通じて配信しましょう。

集計・分析する

アンケートを集計したら、結果を分析してレポートを作成し、事前に立てた仮説を検証しましょう。分析するだけでなく、仮説との比較も重要です。調査の目的に合わせて、統計的に分析を行いましょう。集計方法の主なものには、単純集計クロス集計、自由集計、変数加工などがあります。

ネットリサーチ会社の選び方

ネットリサーチ会社に依頼する方法もあります。ここでは、ネットリサーチ会社の選び方を解説します。

セルフ型かオーダーメイド型かで選ぶ

ネットリサーチ会社は、セルフ型とオーダーメイド型に分けられます。セルフ型は、ネットリサーチ会社が提供するツールとアンケートパネルを利用して、自社でアンケートを作成したり、配信したりする方法です

一方、オーダーメイド型は、調査の企画段階からネットリサーチ会社がヒアリングして進めます。企画から集計、分析レポートの納品までリサーチ会社が主導することが一般的です。会社によっては、集計や分析などの業務がオプションになっている場合もあるため、注意が必要です。

回答データの品質から選ぶ

ネットリサーチでは、データの正確性が重視されます。データの質は、アンケートに回答するモニターの質に比例します。不正回答や二重登録を排除する仕組みを導入し、アンケートの品質維持に取り組む会社を選びましょう。調査段階での矛盾を排除する機能や重複回答を避けるための認証機能が備わっていれば、安心して高い品質のアンケートが回収できるでしょう。

おすすめのネットリサーチ会社

ネットリサーチ会社のおすすめを紹介します。上記の選び方をもとに、自社に合ったマーケティングリサーチ会社に依頼しましょう。

株式会社マクロミル

株式会社マクロミルは、世界19か国に拠点を持ち、グローバルに展開するマーケティングリサーチ会社です。年間で約3万件、取引社数4,000社を超えるリサーチ実績とノウハウをもとに、マーケティングの課題解決に向けた施策を提案します

自社モニターと国内提携会社を合わせて、約3,600万人のモニターネットワークにより、ベーシックな定量定性調査だけでなく、時系列データや大規模データなど、多様なマーケティングデータを提供可能です。

株式会社ネオマーケティング

株式会社ネオマーケティングは、一般的な定量・定性調査のほか、さまざまなサービスを展開するネットリサーチ会社です。例として、リサーチデータとデザインを組み合わせた新商品開発のリサーチ、商品拡販のためのリサーチなどがあります。ネットリサーチのほか、デプスインタビュー、グループインタビュー、観察訪問調査、CSES調査なども行っています。

株式会社インテージ

株式会社インテージは、マーケティングリサーチ会社のパイオニアと称される、1960年に設立した会社です。世界9か国と地域に拠点があり、ネットリサーチのほか、位置情報ログに基づくスマートフォンリサーチ、リモートインタビューなどを実施しています。

株式会社クロス・マーケティング

株式会社クロス・マーケティングは、ネットリサーチをはじめ、グループインタビューデプスインタビュー、店頭調査など、さまざまな市場調査手法に対応している総合型のマーケティングリサーチ企業です。マーケティングリサーチ事業の一環として、ネットリサーチのほか、システムやアプリ開発、プロモーションなども手掛けています。

まとめ

ネットリサーチは、従来の紙や電話などのリサーチ手法と比べて、物理的な制約がなく、効率よく、アンケートを実施、集計できる強みがあります。幅広い層から多くのサンプルを収集できるメリットを、自社の商品やサービスの分析、改善に活用しましょう。

マクロミルでは、マーケティングリサーチとデジタルマーケティングリサーチを中心に、多様な社会・消費者ニーズを分析し、クライアントに的確な消費者インサイトを提供しています。

マーケティングデータを融合させ、利活用に取り組む「データ利活用支援事業(データ・コンサルティング)」と、顧客企業のマーケティング活動に連動したソリューションを提供する「マーケティング施策支援事業」を一気通貫で提供できる総合マーケティング支援も行っています。ネットリサーチには、「マクロミル」のサービスをご利用ください。

監修

Macromill News 事務局

監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

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