シティプロモーションの方法と効果を解説|成功事例も紹介

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公開日:2026/10/8(木)

地域活性化の手段として、多くの自治体がシティプロモーションに注力しています。しかし、具体的な方法や期待できる効果がわからず、施策立案に苦慮する担当者も少なくありません。本記事では、シティプロモーションの定義やメリット、成功に導く手順を詳しく解説します。事例を参考に、選ばれる地域づくりのヒントを見つけてください。

参照:プロモーション施策の立て方や事例|成功のポイントや注意点も解説

監修

Macromill News 事務局

監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

シティプロモーションとは

シティプロモーションとは、自治体が地域の魅力を内外に発信し、人や資源を呼び込む活動を指します。単なる宣伝にとどまらず、地域経営の一環として位置づけられることもあります。

シティプロモーションの概要

シティプロモーションは、自治体が地域資源をブランド化し、ターゲットに対して戦略的にアプローチするマーケティング活動です。人口減少や少子高齢化が進むなか、定住人口の維持や交流人口(観光・来訪など一時的に地域と関わる人口)の拡大を目指します。住民が地域に愛着を持つ「シビックプライド」の醸成も、持続可能な地域づくりにおいて重要な要素とされています。

広報との違い

従来の広報のおもな役割は、行政情報や施策を正確に住民へ届ける「情報の伝達」です。一方、シティプロモーションは、地域の魅力を「売り込む」ことに主眼を置いています。ターゲットを明確に設定し、戦略的な情報発信を通じて「選ばれる地域」を目指す点が、受動的な広報活動とは異なる大きな特徴といえます。

シティプロモーションが必要とされる背景

人口減少や少子高齢化が加速するなかで、自治体間の競争が激化しています。特に地方では、労働力不足や税収減が深刻な課題です。このような状況を打破するために、地域独自の魅力を外部へ発信し、移住者や観光客を呼び込む戦略が求められています。選ばれる自治体となるための差別化が、以前にも増して重要となっています。

シティプロモーションのメリット

シティプロモーションには、地域の認知度向上や経済の活性化など、多くのメリットがあります。施策を通じて、多角的な効果が期待できます。

移住者が増加する

地域の魅力を戦略的に発信することで、移住を検討している層へ効果的なアプローチが可能です。住環境や子育て支援策、仕事の機会などを具体的に提示すれば、転入者の増加が期待できます。他地域と比較した際の優位性を示すことが、移住先として選ばれる際の判断材料の一つとなり、人口減少の抑制に寄与します。

観光客が増加する

地域の特産品や歴史的建造物、自然景観をブランド化して発信すれば、観光客の誘致につながります。SNSやメディアを活用した情報発信により、広域から訪問者を呼び込むことが可能です。単発の訪問だけでなく、魅力的な体験を提供することでリピーターを獲得し、観光消費額の増大による地域経済への貢献が期待できます。

ふるさと納税の利用が増加する

プロモーションを通じて地域のファンが増えることで、ふるさと納税の寄附額向上が期待できます。返礼品の魅力だけでなく、寄附金の使い道や地域の取り組みを丁寧に伝えることが大切です。地域に対する共感や応援したいという気持ちを醸成できれば、一時的な寄附にとどまらない、中長期的な関係性の構築が目指せます。

定住率が上がる

外部への発信は、現在その地域に住んでいる住民が自分たちの街の価値を再発見するきっかけになります。地域に対する誇りや愛着である「シビックプライド」の高まりは、結果として転出を思いとどまる要因となります。住み続けたいと思える環境づくりと並行してプロモーションを行うことで、安定した人口維持が期待できます。

地域経済が活性化する

移住者や観光客の増加は、地元の商店や飲食店、宿泊施設などの売上向上に直結します。域外からの収入を獲得し、地域内で資金が循環する仕組みが整うことで、新たな雇用の創出や事業拡大につながる可能性があります。地域全体の経済基盤が強化されるため、自治体にとっては税収の確保や公共サービスの維持といった好循環をもたらす要因となります。

地域活動が活性化する

プロモーションによって地域の知名度が上がれば、住民の主体的な活動が促されます。自分の住む街をよりよくしようとする意識が高まることが期待でき、ボランティア活動や地域行事への参加が活発になります。住民が自ら地域の魅力を発信する担い手となることで、地域コミュニティが強固になり、持続可能な社会を形成できます。

シティプロモーションの方法

シティプロモーションには、デジタル技術の活用から大規模なイベントの開催まで、多種多様な手法が存在します。目的やターゲットに合わせた、最適な手段の選択が重要です。

オウンドメディアやSNS

自治体が自ら運営するWebサイトやSNSアカウントを活用し、直接情報を発信する方法です。美しい風景や地元ならではの食文化、住民のインタビューなどをリアルタイムで届けることができます。ハッシュタグキャンペーンなどを通じてユーザーとのコミュニケーションを図れば、情報の拡散力も高まり、より広範囲への認知獲得に寄与します。

MICE

MICEとは、企業等の会議(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際会議(Convention/Conference)、展示会・イベント(Exhibition/Event)の総称です。これらを積極的に誘致することで、ビジネス層を中心とした多くの来訪者を呼び込むことが期待されます。単なる観光客とは異なる層に地域の魅力をアピールできるため、新たなビジネスチャンスの創出や、将来的な企業誘致の足がかりとなる可能性があります。

シティプロモーションの実施手順

シティプロモーションを効果的に進めるには、事前の分析と計画的な運用が欠かせません。以下の4段階の手順を踏むことで、着実な成果へとつなげられます。

1. 現状を分析し課題を明確にする

地域の現状を正確に把握することから始めます。統計データを用いた人口動態の分析や、住民アンケートによる意識調査を通じて、地域の強みと弱みを洗い出します。競合となる他自治体と比較して、自地域がどのような立ち位置にあるか、解決すべき課題がどこにあるかを客観的な視点で特定する作業が重要です。

2. 目標を定める

分析結果に基づき、具体的な目標を設定します。移住者数や観光客数、ふるさと納税の寄附額といった数値目標のほか、シビックプライドの向上といった定性的な目標も検討しましょう。いつまでに、どの層に対して、どのような状態を目指すかを具体化することで、施策の方向性が定まり、関係者間の意思疎通も円滑になります。

3. 具体的な施策を立案する

目標達成のために、ターゲットに響く具体的な手法を検討します。オウンドメディアの活用やイベント開催、広告展開など、予算やリソースに合わせて最適な媒体を選択します。その際、単なる情報発信だけでなく、ターゲットが地域と接点を持てるような体験型施策を盛り込むなど、記憶に残る工夫を凝らすことが重要とされています。

4. 施策を実施し評価と改善を繰り返す

立案した施策を実行に移し、定期的に効果を測定します。Webサイトのアクセス数やイベントの参加者数など、設定した目標に対する進捗を確認しましょう。期待した成果が出ていない場合は、原因を分析して速やかに軌道修正を行います。このサイクルを継続的に回すことで、施策の精度向上と、長期的な成果につながります。

シティプロモーションを成功させるコツ

プロモーションを成果につなげるためには、単なる情報発信に留まらない戦略的な視点が求められます。以下のポイントを意識し、施策の質を高めることが重要です。

目的を明確にする

「誰に」「何を」伝えて「どう動いてほしいか」という目的を定義します。ターゲットが移住希望者か観光客かにより、発信すべき情報や媒体は大きく異なります。軸が定まっていれば、施策のブレを防ぐことが可能です。一貫性のあるメッセージを届けることで、ターゲットの記憶に残りやすい訴求が実現します。

地域の強みをいかす

他地域にはない独自の資源を見出し、磨き上げることが大切です。自然環境や歴史、特産品だけでなく、住民の人柄や独特の生活文化も地域の魅力を構成する要素です。自地域ならではの魅力を客観的に分析し、差別化を図ることで、競合する自治体の中で埋没しない存在感を示せます。地域の個性を最大限に活用した発信を心がけましょう。

地域のニーズを把握する

発信側の意図だけでなく、受け手であるターゲットや住民が何を求めているかを深く理解します。移住検討者が抱える不安や、観光客が期待する体験をリサーチし、それに応える形での情報提示が大切です。需要と供給のミスマッチを防ぐことで、施策の反応率が高まり、より確実な行動変容を促すことにつながります。

民間企業と連携を取る

自治体単独のリソースには限界があるため、専門知識やネットワークを持つ民間企業との協力体制を構築します。マーケティングのノウハウや最新技術を取り入れることで、より効果的で斬新な施策の展開が可能です。官民が一体となって取り組めば、多角的な視点から地域の魅力を発信でき、施策の持続可能性も高まります。

シティプロモーションの成功事例

各自治体は、独自の資源をいかした特色ある施策を展開しています。具体的な事例を分析することで、自地域に応用できるヒントが得られます。

【香川県】「うどん県×ヤドン」の取り組み

香川県は、人気ポケモンの『ヤドン』を『うどん県PR団』として2018年に任命し、官民連携のプロジェクトを展開しました。2023年には、『ヤドン公園』が綾川町に開園するなど、施策はさらなる進化を続けています。

県内の観光スポットにデザインマンホールを設置したり、コラボ商品を開発したりすることで、幅広い層のファンを呼び込んでいます。キャラクターの特性と地域の名称を掛け合わせた独自の取り組みが話題を呼んでいます。

【山口県下関市】 シティプロモーションサイト「しもしもっ!」を運営

山口県下関市は、2024年3月より『しもしもっ!』を通じて、市の魅力を親しみやすいコンテンツで発信しています。現在は、市公式ホームページや公式SNS、広報誌へと情報発信の場を集約し、よりダイレクトな情報提供を行っています。

グルメや観光情報だけでなく、実際に住んでいる人の声や日常の風景を届けることで、親近感の醸成を図っています。ターゲットが求める情報をわかりやすく整理し、視覚的なアピールを強化することで、地域の認知度向上につなげています。

【千葉県流山市】子育て世代を対象にシビックプライドを育む

流山市は「母になるなら、流山市。」「父になるなら、流山市。」という明確なキャッチコピーを掲げ、子育て世代にターゲットを絞った施策を展開しています。送迎保育ステーションの設置など、ニーズに即したインフラ整備と連動した情報発信が功を奏しています。転入者の増加だけでなく、住民が街に誇りを持つことで、持続可能な地域成長モデルとなっています。

まとめ

シティプロモーションは、地域の魅力を戦略的に発信し、人口減少対策や経済活性化を図る重要な施策です。単なる宣伝活動にとどまらず、住民のシビックプライドを醸成し、持続可能な地域経営を目指すマーケティング活動としての側面を持ちます。

実施にあたっては、現状分析に基づいた明確な目標設定と、ターゲットのニーズを捉えた施策立案が欠かせません。民間企業との連携も視野に入れながら、地域独自の強みを磨き上げることで、選ばれる地域づくりにつながると考えられます。まずは自地域の資源を見つめ直し、中長期的な視点でプロモーションに取り組みましょう。

株式会社マクロミルは、マーケティングリサーチを中心に、多様な社会・消費者ニーズを分析し、クライアントに的確な消費者インサイトを一気通貫で提供する総合マーケティング支援企業です。

「データ利活用支援事業(データ・コンサルティング)」では、マーケティングデータと、当社が提供するデータと顧客が保有するデータなどを融合させ、その利活用にともに取り組んでいます。また、「マーケティング施策支援事業」では広告配信やCRMなど、最終的に顧客企業のマーケティング活動と連動するソリューションを提供しています。

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