
NPS®調査は、商品・サービスの顧客ロイヤルティを測定する手法です。正確な調査結果をもとに改善を継続することで、企業の収益向上につながる可能性があります。NPS®調査会社のWebツールを活用すると、より効率的な改善活動が可能です。この記事では、NPS®調査会社の選び方や比較ポイントなどを解説します。
NPS調査とは
NPS®調査は、商品・サービスに対する顧客ロイヤルティを測定する手法です。「NPS®(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)」は、顧客が商品・サービスを他社に推奨する度合いを示す指標です。「商品・サービスをどれくらいすすめたいですか?」といった共通の質問があり、0〜10点で評価します。
汎用アンケートツールとの機能的な違い
汎用アンケートツールは、さまざまな質問項目を作成できます。NPS®調査を作成できるツールもありますが、NPS®調査に関係する要因分析といった分析は自社で行います。また、一般的に、外部データとの自動連携や、ベンチマークデータの提供機能などは備わっていないことが一般的です。
NPS調査を外部委託するメリット
NPS®調査は手間や時間がかかります。ここでは、調査を外部委託するメリットを解説します。
収益につながりやすい
NPS®調査の結果を改善活動に活用し、課題を解決することで、収益向上につながるケースがあります。質問項目を推奨意向に加え、その要因となる顧客体験に絞って設計するため、業務課題と改善内容を整理しやすくなり、事業改善の検討に活かせる場合があります。
NPS®が高い推奨者については、一回あたりの購買単価や購買回数が高いとされる調査結果もあります。定期的にNPS®調査を行い、改善の継続によってさらなる収益拡大につながる可能性があります。
業界における自社のポジションがわかる
NPS®調査により、業界平均や競合他社との比較を通じて自社のポジションを相対的に確認するための参考情報を得ることができます。他社の商品・サービスの推奨意向を調査し、同じ業界内におけるポジションを整理する際の一助となります。質問を統一して測定するため、自社の評価と競合他社との比較もできます。継続実施により、ポジションの変化や改善効果、広告宣伝の影響を把握できる点もメリットです。
NPS調査会社の選び方と比較ポイント
NPS®調査会社は、サポートや機能などを重視して選びましょう。ここでは、選び方と比較ポイントを解説します。
支援範囲
NPS®調査を実施する際は、支援範囲が広いツールを選びましょう。部署ごとに調査を実施すると顧客に負担がかかるため、調査の精度に影響が出る可能性があります。調査結果を共有しやすい体制を構築し、効率よく改善活動を行う仕組みが求められます。NPS®調査会社のサポート体制を確認し、運用の支援が充実したサービスを導入しましょう。
分析機能
分析機能は、自社の目的達成や課題解決に必要なレベルの確認が必要です。たとえば、推奨者・批判者の属性分けやコメントの分類などが挙げられます。NPS®調査会社によっては、定性調査やオフライン調査を組み合わせた分析もできます。また、調査後のデータ分析をどれだけ支援できるかも重要なため、事前にサービスの範囲を確認することが大事です。
連携性
NPS®調査では、既存のシステムと連携できるツールを選ぶことが重要です。自社で運用しているツールやシステムとの連携性を確認し、調査結果を自社の施策に活かしましょう。CRMツールと連携すると、NPS®スコアと顧客情報を一元管理できます。MAツールとの連携によって、新規顧客・既存顧客へのアプローチを効率化できる場合があります。
実績・サポートで選ぶNPS調査会社・ツール
NPS®調査会社やツールを選ぶ際は、実績・サポートを確認することが重要です。ここでは、そのポイントについて解説します。
NPX Pro(NTTコム オンライン)
「NPX Pro(NTTコム オンライン)」は、調査結果のスコアを計画や行動に落とし込むための支援を提供しています。Satmetrix社の公認資格を持つコンサルタントが担当し、アンケートの設計や分析、レポート作成まで幅広くサポートします。
また、簡単な操作で、セグメント別や店舗別のデータの深掘りも可能です。ダッシュボードのカスタマイズやPDF化できるレポーティング機能も搭載しています。
EmotionTech CX(株式会社エモーションテック)
「EmotionTech CX(株式会社エモーションテック)」は、回答データを高精度に分析するツールです。特許を持つオリジナルの分析手法を用いた多角的な分析により、自社の商品・サービスの強みや弱みを分析するための機能を備えています。
アンケートの作成、配信、回答収集など、基本的な機能を搭載しています。従業員満足度を計測する姉妹システムも提供しており、従業員エンゲージメント向上の施策にも活用できます。
M-ONE(マーキットワン株式会社)
「M-ONE(マーキットワン株式会社)」は、コメント分析を重視したNPS®ツールです。社内改善活動に特化したつくりになっており、顧客の声を分析するテキストマイニング機能を搭載しています。
AIの自動分類によりコメント自体をネガポジ判定し、NPS®スコアだけでは捉えきれない顧客インサイトを検討するための材料を得ることができます。アンケート分析システムも搭載しており、テキストマイニングと組み合わせて効率よく活用できます。
NPS調査の導入・活用事例
NPS®調査は多くの企業で導入・活用されています。ここでは、具体的な活用事例を解説します。
楽天グループ株式会社
楽天グループ株式会社は、NPS®をKPIの一つとして採用し、調査結果の改善を実施しました。「楽天市場」創業後、新規利用者数の伸びに課題があり、顧客との関係性を改善する必要性があったためです。事業部門の改善だけでなく、開発部門でもNPS®を指標として採用し、顧客理解を促進しています。
改善策として、メールマガジンの改善や検索機能の改善など、顧客目線に立った施策を実施しました。結果として、2022年のEC業界のNPS®ランキングで1位を獲得しています。
富士通株式会社
富士通株式会社は、電子デバイスの製造・販売やITサービスの提供にNPS®調査を活用しています。顧客や従業員からリアルタイムで声を集めて、課題を明確にしたうえで改善に取り組む仕組みを構築しました。
2020年以降、同社は調査プロセスを標準化しています。世界6地域・30か国以上の顧客の声を収集・分析・共有する体制を整備し、経営やサービスの改善につなげる取り組みが行われています。
NPS調査の導入時の注意点
NPS®調査を導入する際は、正確な評価や数値の扱いに注意が必要です。ここでは、導入時の注意点を解説します。
回答数によっては正確な評価が難しい
定量調査では十分な回答数の確保が必要です。サンプル数が少ないと信頼性が低下するため注意しましょう。統計学的には、調査の誤差を±5%程度に抑えるために約400件の回答が一つの目安として紹介されることがありますが、NPS®はスコアの振れ幅が大きいため、より多くのサンプル確保や、統計的有意性の慎重な判断が求められます。
数値ごとの評価基準がわかりにくい
NPS®はスコアの絶対値のみで良し悪しを判断するのが難しい場合があります。たとえば10点満点中7〜8点の中立回答が多いと、顧客評価が正確に反映されにくくなります。また、日本は中央値の5付近を回答する傾向があり、欧米と比較してスコアがマイナスになりやすいという特性があります。
まとめ
NPS®調査は、商品・サービスに対する顧客ロイヤルティを測る手法です。調査結果を改善に活用することで、収益向上や自社ポジションの把握につながる可能性があります。ただし、十分な回答数を確保することや、数値ごとの評価基準があいまいになりやすい点には注意しましょう。正確な調査結果を得るには、NPS®調査会社のWebツールを活用することをおすすめします。
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※NPS®、ネット・プロモーター・スコア® は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。
