アンケート調査の作り方|調査のコツや活用方法、ツール、回答率を上げるポイントを解説

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2025/2/14(金)

アンケート調査目的によって作り方が異なりますターゲット属性やプライバシーの考慮、質問の内容や順番などを工夫して、回答率を高めることが必要です。この記事では、アンケート調査の作り方や成功するコツ、アンケート結果の活用方法などを解説します。おすすめのツールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

アンケートの種類

アンケートには、数値化できるものと、数値化できないものに分かれます。ここでは、アンケートの種類を解説します。

定量調査

定量調査は、数値化できるデータを集めるアンケート調査です。購入者数や設問の回答の「はい・いいえ」の数など、傾向を分析する際に利用します。定性調査は、分析の対象が多い場合に適しています。多くの意見を集めたり、ニーズの仮説を数値化したりして、統計的に分析することが可能です。

定性調査

定性調は、数値化できないものを調査する方法です。考え方や感じ方、個人の複雑な感情、内的志向など、言動には直接現れないものを調べます。定性調査する際は、質問を深堀りしたり、回答者の表情を観察したりして、行動や反応を調べることも必要です。商品・サービスの課題や問題点の発見につなげられます。

アンケートの必要性

アンケートは、顧客のニーズを把握し、商品・サービスを改善するために必要です。顧客の声を聞くことで、新商品の開発にもつなげられます。ビジネスの環境は変化を続けるため、顧客のニーズや市場の動向を知ることが大事です。アンケートは市場調査の中でも比較的低コストで実施可能なため、コストを抑えて実施できる点もメリットといえます

アンケート調査の作り方

アンケート調査を作成する際には、目的をもとに質問や回答の方法を決めます。ここでは、作り方を解説します。

調査目的を明確にする

調査目的は、以下の3つが重要です。

  • 調査するものは何か
  • 誰にアンケートをするか
  • どのように調査するか

まずはアンケートを通して、何を知りたいかを決めます。たとえば、市場のニーズの調査や既存の商品に対するイメージなどです。次にターゲットの属性として、年代や職業、家族構成を分けて、調査の方法を決める必要があります。

期間・アンケート方法を決める

アンケートの目的を決めた後は、実施する期間を定めましょう。一般的に、調査期間の目安は、1〜2か月です。調査方法には、Webや会場での調査などがあり、ターゲットによって方法を変更する必要があります。たとえば、高齢者を対象にする場合は、電話や対面の調査がおすすめです。

質問の内容を決める

目的をもとに、質問の内容を決めます。ターゲットに聞きたいことを洗い出し、意味のある質問のみを選別しましょう。質問が多すぎると、回答率が下がる可能性があるため注意が必要です。質問の優先度を考慮して、抽出した内容を整理する必要があります。何が聞きたいか、なぜ聞きたいかを明確にすることが重要です

アンケートの回答方法を決める

アンケートには、以下の回答方法があります。

  • 単一選択型:選択肢から1つだけを選ぶ形式
  • 複数回答型:選択肢から該当するものをすべて選ぶ形式
  • 順位型:選択肢に順位をつけて選択する形式
  • 自由記述型:自由に回答する形式

ターゲットに聞く内容にあわせて、適切なものを選びましょう。ただし、自由記述が多いと、回答率が下がる可能性があるため注意が必要です。

アンケート調査に成功する作り方のコツ

アンケート調査を作成する際には、回答のしやすさやプライバシーの配慮などが必要です。ここでは、作り方のコツを解説します。

質問・選択肢をシンプルに設計する

アンケート調査は、面倒だと思われない工夫が必要です。質問や選択肢をシンプルにし、回答者の負担を軽減しましょう。質問を短くし、意図を分かりやすくすることも大事です。質問の内容をすぐに理解でき、回答を1つ絞る必要もあります。複数の要素や意味がある質問も避けて、回答者に深く考えさせないようにしましょう。

答えやすい順番で質問を配置する

アンケート調査には、答えやすい順番があります。時系列や関連するものなど、質問の内容によって回答のしやすい順番にしましょう。前半は事実に関する質問、後半は考えや思いなどの質問にすることが重要です。簡単に答えられる質問からはじめて、回答者の負担を下げることを意識しましょう

誘導的な質問やバイアスを避ける

アンケート調査は、回答者を誘導するものではありません。たとえば、「〜であると思いますよね」のようなニュアンスの質問をすると、同意を誘う表現になるため避けましょう。中立の立場の回答を用意し、バイアスがかからない工夫が必要です。バイアスのかかったデータの利用も、間違った回答を導く可能性があります。

回答者の属性とその因果関係を考慮する

回答者の属性は、アンケート調査によって偏りが生まれます。たとえば、年代をはじめとした属性が異なると、回答が偏る傾向にあります。WebサイトとSNSでは、パソコンとスマートフォンの利用者で回答者の属性が異なるためです。回答の因果関係を考慮しない場合、分析結果を間違える可能性があるため注意しましょう

プライバシーに配慮する

アンケート調査には、プライバシーを侵害しない配慮が求められます。個人情報を聴取したり、許可を得ずにデジタルデバイスの行動履歴を取ったりしてはなりません。また、質問の回答を組み合わせて、個人を特定できるものも避けましょう。調査結果の精度を高めるために、自由に回答できる工夫が必要です

アンケート結果の活用方法

アンケート結果が出た後は、データの分析や改善などが必要です。ここでは、活用方法を解説します。

データを分析して問題点を明確にする

アンケートを回収した後は、データを分析して問題点を明確にします。全体を把握する「単純集計」や、属性ごとに特徴を分ける「クロス集計」などを利用しましょう。データのパターンや傾向を分析すると、施策につながる資料を作成できます。

長期的なアンケート戦略を持つ

アンケートは長期的な戦略を持って、定期的・計画的に実施しましょう。トレンドや変化などによって、質問の内容や形式などを見直す必要があるためです。続的に調査を改善することで、より質の高いデータを収集できます

データを分かりやすく伝える

グラフや表などを用いてデータを可視化し、分かりやすく伝える工夫も大事です。円グラフを利用すると、データの全体像を把握しやすくなります。比較には棒グラフ、時系列の変化は折れ線グラフが適しています。

アンケートの回答率を上げるポイント3つ

アンケートの回答率を上げるには、回答者の不安の解消やメリットの提示などが必要です。ここでは、ポイントを3つ解説します。

アンケートの趣旨をきちんと伝える

事前にアンケートの趣旨を伝えて、回答者の疑問を解消しましょう。目的や活用方法、対象者なども明記し、不安の解消につなげることが重要です。匿名性を確保すると、より回答率を上げられます。氏名やメールアドレスなど、個人を特定する情報の記載を避けると、本音に近い回答を引き出せるでしょう。

回答にかかる時間を明示する

アンケートには、回答にかかる時間を明示する必要があります。インターネット調査の場合、10分以内の回答時間が目安です。気軽に答えてもらえる質問を用意し、回答への負担を下げるとよいでしょう。質問数の多さも負担になるため、避けなければなりません。回答率を向上させるために、できる限り回答にかかる時間を短くしましょう

謝礼(インセンティブ)を用意する

アンケートの回答に対する謝礼の用意も必要です。金銭やデジタルギフトなど、回答者のメリットを提示するとよいでしょう。ターゲットのニーズに応じて謝礼を選ぶと、回答率の向上につながります。調査の内容や方法によって、所要時間が異なるため、回答に見合うものを用意することも大事です。

アンケート作成のサービスならQuestantがおすすめ

アンケート調査は、アンケートの作成や配信などを効率よく行うことが大事です。ここでは、おすすめのサービスを紹介します。

Questant(クエスタント)

Questant」は、マクロミルが提供している、インターネットリサーチのサービスです。国内最大級のパネルに対してアンケートを配信し、調査の回答者を集めることができます。初心者でもアンケートを作成しやすく、パソコンやスマートフォン、タブレットなどで幅広い質問の用意が可能です。堅牢なセキュリティや質問データベース、パネル配信が可能なオプションサービスも利用できます。

参考:無料セルフアンケートツール『Questant』-のアンケート作成サービス

セルフインタビューツール

セルフ型のオンラインインタビューツールの、「Interview Zero」もおすすめです。最短即日で、募集からインタビュー調査の実施までを一気通貫で行うことができます。インタビューはオンラインで完結するため、どこにいても調査が可能です。130万人超のアンケートモニターに依頼でき、良質なインタビュー調査でユーザーのインサイトを調べられます。

参考:オンラインインタビューツール『Interview Zero』|マクロミル

新感覚の「掲示板型の定性調査」ツール

「ミルトーク」という掲示板ツールは、1時間で100コメントを集められるため、定性調査に活用できます。ツール上では、日々の生活で感じる商品・サービスへの要望やアイデアが投稿されています。ミルトークには、会社や自治体などの法人会員の方が参加しており、深く濃い内容の意見交換も可能です。

参考:アイデア募集なら『ミルトーク』 | 生活者の意見を無料で集めよう

まとめ

アンケート調査を作成する際は、目的を明確にし、調査方法や質問内容などを決めましょう。回答率を高めるために、匿名性や質問の内容の工夫が必要です。アンケートの成功には、事前の設計が重要なため、ツールを有効に活用することもおすすめです。

マクロミルは、総合マーケティング支援企業です。多様な社会・消費者ニーズを分析し、クライアントに消費者インサイトを提供します。マーケティングデータの利活用にともに取り組む「データ利活用支援事業(データ・コンサルティング)」や、ソリューションを提供する「マーケティング施策支援事業」などを実施しています。ぜひ利用をご検討ください。

著者の紹介

Macromill News 事務局

監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

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