企業にとって、顧客やターゲット層が抱くイメージは重要です。イメージ調査にはさまざまな手法がありますが、なかでも手軽で汎用性の高いものがアンケート調査です。しかし、アンケートでイメージを正確に調査するためには、いくつかの注意点があります。本記事では、アンケートで企業やブランドイメージを調査する方法と、その際の注意点を詳しく解説します。
- アンケートで行うブランドイメージ調査とは
- ブランドイメージ調査の活用方法
- アンケート調査によるブランドイメージの聴取方法
- アンケート調査によるブランドイメージ聴取の質問例
- アンケート調査によるブランドイメージ聴取の注意点
- 調査結果からブランドのイメージや認知度を高めるための方法
- まとめ
アンケートで行うブランドイメージ調査とは
ブランドイメージ調査とは、消費者が特定の商品やサービスに対してどのようなイメージを持っているのかを調査するものです。アンケート調査によって、顧客がブランドに対してどのような感情を持っているのかを定量的に把握することができます。また、顧客が実際に抱いているイメージと、自社の考えとの間に乖離がないかも確認できます。
ブランドイメージ調査の活用方法
ここでは、ブランドイメージ調査がどのように活用できるのかを解説します。
マーケティング戦略立案
ブランドイメージ調査の結果を活用することで、効果的なマーケティング戦略を立案することができます。たとえば、どのような年齢、性別、地域、職業などの人をターゲットにすればよいか、調査後に属性別の認知度を比較し、どの層に受け入れられるのかを確認する、等です。
また、認知度不足やイメージギャップ、競合との差別化不足などの課題が明らかになる可能性もあります。
効果測定
ブランドイメージ調査は、マーケティング施策の効果測定やPDCAサイクルの円滑な運用に役立ちます。たとえば、マーケティング施策の前後で実施することで、施策が顧客のブランドイメージにどのような影響を与えたのかを測定することができます。
また、以下のようにPDCAサイクルを効果的に回すことも可能です。
- Plan:ブランドイメージ調査の結果に基づいて、認知率などの目標を設定し、具体的な施策を立案する
- Do:立案した施策を実行する
- Check:ブランドイメージ調査を実施し、施策の効果を測定する
- Action:効果測定の結果に基づいて、施策を改善する
アンケート調査によるブランドイメージの聴取方法
ここでは、ブランドイメージ調査の設計方法を解説します。
目的の設定
アンケート調査の設計において最も重要なものが、調査目的の設定です。調査目的を明確にすることで対象者を選定しやすくなり、必要なデータを収集することができます。ブランドイメージ調査の目的には、たとえば以下のような目的が挙げられます。
- ブランドイメージの確認:自社の商品やサービスのターゲット層を調査対象とし、現在のブランドイメージを確認する
- ブランド認知度の確認:幅広い層を調査対象とし、世の中でどの程度ブランドが認知されているのかを確認する
- ブランドイメージの改善:現在商品やサービスを使用している顧客や認知している層を対象とし、商品やサービスについてのイメージを確認する
調査方法の設定
アンケート調査にはさまざまな方法があり、実施する手段によってそれぞれメリットとデメリットがあります。調査方法については、以下でそれぞれ解説します。
調査会社に委託
調査会社への委託は、以下の場合におすすめです。
- 自社に調査設計や分析のノウハウがない
- 時間や人手がない
- 客観的なデータが欲しい
- 専門的な知識や経験が必要な調査を実施したい
ただし、別途費用が発生したり、調査の企画や目的を明確に伝え、綿密なコミュニケーションが必要である点などのデメリットもあるため注意しましょう。
自社で実施
自社でアンケート調査を実施するのは、以下の場合におすすめです。
- 費用を抑えたい
- 社でノウハウを蓄積したい
ただし、調査設計、データ収集、データ分析など、すべての作業を自社で行う必要があるため、時間と人手が必要であることのデメリットもあることを知っておきましょう。
アンケートの作り方|5つの作成ステップやサービスの改善につなげるコツも解説
アンケートは顧客や消費者の率直な意見が得られるため、商品やサービスの質の向上や改善につなげられます。目的やターゲットなどに応じてアンケートを作り、回答の質を高める工夫を行いましょう。この記事では、アンケートの作成方法や回 […]
アンケート調査によるブランドイメージ聴取の質問例
ここでは、ブランドイメージ調査の質問例を解説します。
質問項目・テンプレート
アンケート調査を設計する際には、調査目的を明確にし、それに合致した質問項目を作成する必要があります。以下にサンプルを記載していますので、ご参考ください。
1.基本情報
- 性別
- 年齢
- 職業
- 年収
- 家族構成
これらの基本情報はターゲット層を検討したり、ターゲットとした特定の層の回答のみを確認するなど幅広い用途に使用できます。
2.ブランド認知度
- あなたは、○○(ブランド名)をご存知ですか。
- ○○(ブランド名)を何から見聞きして知りましたか。
ブランドイメージ
- あなたは、ブランド名に対してどのようなイメージを持っていますか。(複数選択可)
- 高級
- 信頼できる
- 革新的
- 親しみやすい
- その他
- ブランド名のどのような点が他のブランドと比べて優れていると思いますか。
- ブランド名のどのような点が改善されると良いと思いますか。
アンケート調査によるブランドイメージ聴取の注意点
ブランドイメージ調査を行う際には、気をつけたいこともいくつかあります。ここでは、注意点を解説します。
定期的に実施する
ブランドイメージは、商品やサービスの質、顧客のニーズ、競合状況などによって常に変化しています。そのため、ブランドイメージ調査は定期的に実施することが重要です。また、定期的に実施することで得られるメリットは、以下のとおりです。
- ブランドイメージの変化を把握できる
- マーケティング施策の実施前と実施後に行うことで効果測定が可能になる
- 課題の早期発見や対応ができる
マーケティング施策に役立てたり、ユーザーの価値観の変化をすばやくキャッチすることができます。
ターゲットを明確にする
アンケート調査は、調査対象となるターゲットを明確にしないまま行うと、自社のファンだけを調査してしまい、正しい結果が得られないことがあります。ターゲットを明確にすることで、ターゲット層のニーズや価値観を理解でき、より正確なブランドイメージを把握することができます。
また、ターゲット層に合わせたマーケティング施策を実行することで、より効果的な成果を得られます。
思い込みをしない
調査を行う際には、思い込みをしないことが重要です。思い込みを避けるには、以下のポイントに注意しましょう。
- 質問文を中立的に作成する(誘導的な質問を避けるなど)
- 回答選択肢を網羅的に設定する
- 調査結果を客観的に分析する
設問が自社の考えに偏りユーザーの回答を誘導してしまうと、正しい結果が得られない可能性があるためです。
調査結果からブランドのイメージや認知度を高めるための方法
ここでは、調査結果を使ったブランド認知度やイメージを高めるための方法を解説します。
ブランドの価値観を確立する
ブランドイメージを高めるためには、ブランドの価値観を確立することが重要です。ブランドの価値観とは、ブランドが何を大切にし、顧客にどのような体験を提供するか、どのような社会を実現したいのかなどを表したものです。調査でユーザーやターゲットの生活スタイルやニーズを深く理解することで、ブランドの価値観をより具体的で的確な内容にすることが出来ます。ブランドの価値観が明確であれば、顧客はブランドに共感し、ファンになる可能性が高くなるでしょう。
広告施策を検討する
調査でブランドのターゲット層を明らかにし、ターゲットとする層への広告を出稿します。テレビCMや交通広告、SNSやウェブ広告などターゲットにより接触できる広告媒体を選び広告を出稿することで認知度を高めることが出来るでしょう。
まとめ
アンケート調査は、ブランドイメージを把握し、改善するための有効な手段です。本記事の方法や注意点を参考に、効果的なアンケート調査を実施しましょう。
株式会社マクロミルでは、戦略策定から開発、効果検証まであらゆるマーケティング課題を解決するために、リサーチを軸にしたデータ活用のトータルサポートを行っています。
マーケティングリサーチについて詳しく知りたい人は、以下の資料をご活用ください。
リサーチの基礎がわかる!
消費者理解や商品開発、効果測定などに役立つ
「マーケティングリサーチ」の教科書とも言える無料お役立ち資料を用意しました。
カテゴリー
アクセスランキング
ナレッジブログランキング
メールマガジン
マーケティングに関するホットな話題やセミナーなどの最新情報をお届けします