
アンケートは選択肢や質問文を工夫すると、回答率を高められます。ただし、アンケートを実施する際は、回答者の心理的な負荷を考慮することが必要です。この記事では、アンケートの回答率を高めるポイントや注意点などを解説します。アンケートを商品やサービスに活用するために、ぜひ参考にしてください。
目次
アンケートの回答率の重要性とは
アンケートの回答率は、アンケートの質の高さを示すものです。たとえば、次の回答率10%のアンケートAとアンケートBを比較します。アンケートAは実施した数5,000に対して回答数500でした。アンケートBは、実施した数500に対して回答数50です。どちらのアンケートの回答率も10%ですが、アンケートAとアンケートBは未回答数に差があります。
アンケートの未回答数が多いと調査結果内容の正確性を落とすため、回答率を高めることは重要です。
アンケートに回答する人の心理
アンケートに回答することで、回答する人には精神のバイアスや負荷がかかっています。ここでは、アンケートに回答する人の心理について解説します。
バイアスがかかる
バイアスとは、先入観や傾向といった調査対象者の心理的な偏りのことです。アンケートのタイトルや質問内容によってバイアスがかかると、アンケートの正確な調査結果が得られなくなります。バイアスの例として、以下のアンケートAとアンケートBを比較してみましょう。
- A:地球温暖化が深刻な問題となっていますが、エアコンの温度は何度に設定していますか?
- B:エアコンの温度は何度に設定していますか?
Aの質問はバイアスがかかりやすい質問であるため、結果の信憑性が落ちやすくなります。バイアスの影響を抑えるには、アンケートBのようなシンプルな書き方にしましょう。
回答に負荷がかかる
アンケートは、回答者全員が最後まで取り組む保証はありません。アンケートの内容によっては、途中で離脱したり、質問文を見ずに回答していたりする可能性があります。回答者は無意識のうちに、当たり障りのない回答をする場合もあります。アンケートを作る際は、回答者の心理的な負荷を軽減する内容であることが重要です。
失敗するアンケートの特徴
アンケートは目的や選択肢が結果に影響します。ここでは、失敗するアンケートの特徴について解説します。
目的が設定されていない
アンケートを実施する際は、調査する目的が必要です。アンケートを通して知りたい情報や、調査結果を活用する目的などを設定しましょう。質問ごとに目的を設定すると、目的を達成するために必要な情報が得やすくなります。
目的に応じて、アンケートの項目を「はい」「いいえ」で答える「単一回答」や、回答者の自由に書いてもらう「自由記述」などに変える必要もあります。アンケートの目的から逆算して、適切な項目をつくりましょう。
選択肢がMECEではない
「MECE(ミーシー)」とは、「漏れなく・重複なく」という意味のマーケティングで使う用語です。アンケートは質問によって、選択肢が多数になることが想定されます。調査する対象の回答を得るために、質問項目が網羅されたアンケートを作成しましょう。質問に重複があると、正確なアンケートの結果が得られなくなるため注意が必要です。
アンケートの回答率を高めるポイント
アンケートの内容を工夫すると、回答率を高められます。ここでは、回答率を高めるポイントについて解説します。
最初にアンケートの趣旨を記載する
アンケートは回答者に調査の必要性を納得してもらうことで、回答してもらいやすくなります。アンケートの対象者が明確な場合は、自分事としてアンケートに取り組みやすくなり、より回答率を高めることが可能です。アンケートには回答結果の用途を記載して、回答者に安心してもらうことも重要です。
回答時間を記載する
アンケートが終了する時間の目安を記載すると、回答率を高めやすくなります。アンケートに時間が記載してあると、回答者の心理的な負担を下げられるためです。アンケートの適切な時間は、インターネット調査の場合は5〜10分以内、長くても15分以内が理想といわれています。アンケートの回答に時間がかかる場合、内容を見直す必要があります。
アンケートと書かない
アンケートは回答する手間があるため、回答者にとって面倒に感じるものです。アンケートとしての記載があると、「答えるのが面倒」「自由回答なら取り組まなくてもよい」などと思われる可能性があります。アンケートとは書かずに、「お客様の声をお聞かせください」「イベントの感想シート」など、明言しない表現に変えて記載するとよいでしょう。
特典を用意する
アンケートに回答した人に対して、プレゼントを用意すると回答率を高めやすくなります。プレゼントは回答者の時間への対価として必要です。アンケートの最初に特典について記載すると、回答率の向上につなげられます。
個人情報の扱い方を記載する
アンケートに個人情報の取り扱いを明言すると、回答者が安心感をもって答えやすくなります。たとえば、本名や電話番号などの個人情報の漏えいによるリスクの軽減について記載があると、アンケートの離脱率を下げやすくなります。アンケートに匿名回答の旨を記載することも、回答率を高めやすくなるのでおすすめです。
アンケートの回答の選択肢をつくる際の注意点
選択肢の書き方で、アンケートの回答率を向上させられます。ここでは、選択肢をつくる際の注意点を解説します。
誰が読んでもわかる選択肢にする
選択肢のアンケートは取り組みやすさが特徴ですが、わかりにくい質問を記載すると回答率を下げる原因となります。複数の解釈ができる表現を使ったり、質問を長文で書いたりすると、回答する際に迷いが生まれるので避けてください。
アンケートの選択肢は回答者を迷わせないために、誰が読んでも同じ質問を設定しましょう。たとえば、「月に1回程度」「半年に1日程度」など、数字を使った具体的な表現で選択肢をつくることが重要です。
設問数を減らす
アンケートの設問数を減らすと回答しやすくなり、回答率を高められます。一般的なアンケート調査を実施する際に、理想の選択肢の数は15〜20個といわれています。調査に必要な質問を網羅しつつ、設問数を減らすことが必要です。
アンケート回答のお願いメール作成のポイント
メールからアンケートに回答してもらうには、送る相手への配慮が必要です。ここでは、お願いメール作成のポイントを解説します。
丁寧で簡潔な文章を書く
メールは件名や本文を丁寧に書きましょう。メールの件名がわかりやすいと、開封率を高められます。また、メールを送る相手に商品やサービスの利用に対しての感謝を伝えることでも、回答の意欲を高められます。ただし、件名に要素を詰め込みすぎると、開封されなくなるため注意が必要です。メールの本文は敬語の多用を避けて、読みやすさを重視してまとめましょう。
宛名を個人名にする
アンケートの回答は、お客様の1人ひとりに向けてお願いする姿勢が必要です。「お客様各位」のような書き方は、自分に向けて書かれていないと感じるため、回答率が上がりにくくなります。メールの件名や本文に個人名を記載し、1人に向けて回答を依頼する書き方にすることで、アンケートに協力する意欲を高められます。
送信する時間帯を工夫する
アンケートのメールは、回答者によって開きやすい時間帯が異なります。メールは時間帯によっては、開封されない可能性があるので時間を工夫しましょう。企業が購入する商品やサービスに対するアンケートであれば、平日が開封されやすいためおすすめです。イベントやセミナー参加者に対するアンケートの場合は、それぞれの終了直後に送るとよいでしょう。
アンケートの回答率を高めるならマクロミルがおすすめ
マクロミルのアンケート調査は、企画や設計、分析まですべてを支援します。各業界の専門スタッフが、リサーチの全工程をきめ細かくサポートするため、アンケートの回答率を高めることが可能です。
マクロミルは国内約1,100万人、海外90カ国1.1億人のパネルがあるため、幅広いマーケティングデータを提供できます。同社ではアンケート調査を効率化しているため、最短で24時間以内に納品ができます。
まとめ
アンケートの回答率は、回答者の負担を軽減することで高められます。アンケートの回答は回答者の心理に負荷をかけるので、わかりやすい選択肢や個人情報の配慮などが求められます。アンケートは正確性の高いデータを取得する必要があるため、回答しやすい内容で作成することが重要です。
マクロミルは、顧客企業のマーケティング活動と連動するソリューションを提供する「マーケティング施策支援事業」を一気通貫で提供しています。マーケティングリサーチとデジタルマーケティングリサーチを中心に、消費者インサイトを提供できます。回答率の高いアンケートを作成する際に、ぜひご利用ください。
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