アンケートは顧客や消費者の率直な意見が得られるため、商品やサービスの質の向上や改善につなげられます。目的やターゲットなどに応じてアンケートを作り、回答の質を高める工夫を行いましょう。この記事では、アンケートの作成方法や回答率を高めるコツを解説します。アンケートの集計結果を売上につなげるために、ぜひ参考にしてください。
目次
アンケートの種類
アンケートは「定量調査」と「定性調査」に分かれます。以下で、解説します。
定量調査
定量調査とは、数値化できるデータを集める調査の方法です。定量調査には、Webサイトを通じて回答を集めるWeb調査や、対面でアンケートを実施する訪問調査などがあります。定量調査を行う際は、複数の選択肢のなかから選ぶシンプルな形式の方法がおすすめです。アンケートの回収や集計には、時間がかかる点に注意しましょう。
定性調査
定性調査は、個人の意見や感想などを調査する方法で、1人ひとりのインタビューや集団に対して実施するグループインタビューなどがあります。定性調査は、回答形式のアンケートで数値化できない情報を得るために有効な手段です。多量のデータ収集を行う方法としては適しておらず、準備の手間や時間がかかる点がデメリットといえます。
アンケートの必要性
アンケートは顧客の意見を聴くことや、信頼を得るために行います。以下で、アンケートの必要性について解説します。
顧客の意見を商品・サービスに反映できる
アンケートは、回答から顧客の生の声を聴ける点が大きなメリットです。顧客の商品・サービスの満足や不満などの意見を聞くことで、企業側の視点からは気づかない顧客の要望や考え方などが得られます。アンケートの結果から企業の課題が明確になり、改善点を把握しやすくなるでしょう。商品やサービスをより改善しやすくするために、アンケートを実施する必要性は高いといえます。
参考:アンケートとは?目的や種類、質の高いアンケートを作るコツも解説
顧客ロイヤリティの向上につながる
アンケートの結果を受け止めることは、顧客ロイヤリティの向上につながります。顧客ロイヤリティとは企業に対する信頼であり、商品やサービスが継続して利用されるための指標です。リピーターを「ロイヤルカスタマー」と呼び、顧客ロイヤリティが高い顧客を増やすことが企業の利益につながります。
アンケートを作成する5つのステップ
アンケートの作成は、5つのステップに分けて行います。以下で、解説します。
目的とターゲットを決める
最初はアンケートを実施する目的の設定です。目的に応じて回答を集めた後の活かし方を想定したうえで、アンケートを実施します。アンケートを実施することが目的にならないように、注意しましょう。次にターゲットとする人を決めます。ターゲットは既存顧客と新規顧客に分けて、性別や年齢、職業などで分類しましょう。
調査方法・期間を設定する
目的とターゲットをもとに、調査方法と期間を設定します。アンケート調査にはWebサイトの利用や来場などの方法があり、回答が得やすい方法や時期を選ぶことが重要です。一般的に、アンケートは1か月〜2か月の期間で実施します。アンケートの回答は期限を明記して、回収率を高めましょう。
設問数・設問形式を決める
アンケートの設問数は回答のハードルを下げるために、最小限の数に抑えましょう。設問形式は、以下のようなものがあります。
- ラジオボタン:複数の選択肢から1つの回答を選ぶ形式
- リミテッドアンサー:「選択肢から3つ選ぶ」のように回答数に制限をつける形式
- スケール:回答を1~3段階や1~5段階などの段階から選び評価する形式
- テキストボックス:意見や感想など自由にコメントを書く形式
- それぞれメリット・デメリットがあるので、目的やターゲットに応じて設問数や設問形式を選ぶ必要があります。
質問文を作成する
質問文は商品やサービスだけでなく、従業員の対応などに関する内容も含めて、顧客の率直な意見を求める内容で作成しましょう。質問文は回答しやすいものから順に記載し、最後までアンケートに取り組みやすくする工夫も重要です。アンケート結果を参考に、顧客や消費者の意見が反映されるように商品やサービスの改善を行いましょう。
参考:【目的別】アンケートの設問例とは?作成する手順や回答率を上げる方法なども解説
導入部分を作成する
アンケートの導入部分には、簡単な挨拶文や感謝などを書きましょう。導入部分があることで自社の印象がよくなります。導入文が書かれていないアンケートは回答率が低くなるため、記載することが重要です。最後にアンケート全体を確認しましょう。誤字脱字や質問の重複などを確認し、アンケートの作成を完了させます。
回答率の高いアンケートを作成するポイント
回答する人に配慮した内容でアンケートを作成することで、回答率を高められます。以下で、解説します。
目的・設問数・時間を明記する
アンケートは実施する目的や利用範囲を書くと、回答者が安心して回答できます。設問数や所要時間を明確にし、回答にかかる手間や時間を回答者に把握してもらうことが重要です。回答に関する情報を具体的に回答者に伝えると、アンケートに回答するハードルを低くでき、回答率を高められます。
個人情報の取り扱いについて明記する
アンケートに個人情報の取り扱いを明記すると、回答者の不安な気持ちを軽減できます。個人情報に関しては最初に伝える必要があるため、アンケートの導入部分に明記します。名前・住所・電話番号などの個人情報の記入はなるべく避けて作成しましょう。アンケートの内容に応じて、プライバシーポリシーを入れ、個人情報の法令を遵守してアンケートを実施することが重要です。
設問数や記載部分を少なくする
設問数や記載部分の多いアンケートは、回答が面倒だと思う人も少なくありません。アンケートは回答の手間がかかるため、回答者の時間をいただく意識をもって作成しましょう。設問数は多くても20〜30問が目安です。アンケートの質問文は流し読みされる場合が多いため、1〜2文程度の長さで簡潔に記載しましょう。質問文は、日本語の間違いやあいまいな表現にも注意が必要です。
謝礼を用意する
アンケートは任意で回答するものであるため、ギフトカードや景品などの謝礼を用意すると回答率を高められます。謝礼を用意する際は、回答者全員のプレゼントや抽選で限定する方法があります。謝礼目当ての回答者のみのアンケートになると、結果の傾向が偏りやすくなる点には注意しましょう。
アンケートから商品・サービスの改善につなげるコツ
アンケートから商品やサービスの改善につなげるには、集計結果の分析やアンケート調査の質を高めることが重要です。以下で、解説します。
集計結果を分析する
アンケートを実施した後は、必要に応じて2つの方法で集計結果の分析を使い分けます。1つ目は、「はい」と「いいえ」で答える単純集計です。質問の回答から、傾向分析に利用できる結果が得られます。2つ目の方法は、クロス集計です。性別、年齢、職業など、2つ以上の条件をもとに回答を集計する方法であり、ターゲットごとの傾向を掴むための集計方法です。
アンケートの分析方法には、結果を同種類・類似性で分析する「クラスター分析」や、時間の経過による変化を分析する「時系列分析」などもあります。商品やサービスの改善につなげるには、より正確なデータを収集して分析することが重要です。
参考:アンケート結果を分析する方法とは?集計方法や分析の種類、実施する手順などを解説
アンケート調査のサービスを利用する
質の高いアンケートの作成する際は、マクロミルのサービスがおすすめです。定量調査では「Questant」を利用できます。「Questant」はお客様の保有リストに対して、直接アンケート調査が可能です。
定性調査は、マクロミルモニタに対してWeb上で掲示板を作る「ミルトーク」で、生の意見を直接集められます。どちらの調査も基本料金は無料です。マクロミルは自社に最適なアンケートの作成ができ、調査会社を経由せずに調査ができます。
まとめ
アンケートは定量調査と定性調査があり、どちらも目的やターゲットなどに応じて作り方が異なります。商品やサービスの改善につなげるには、質の高いアンケートの作成が求められるため、アンケート調査のサービスを利用して、回答率を高める工夫が必要です。
株式会社マクロミルは、マーケティングリサーチとデジタルマーケティングリサーチを中心に、多様な社会・消費者ニーズを分析し、クライアントに的確な消費者インサイトを提供します。アンケートを作る際は、ぜひ利用を検討してください。
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