
近年、Z世代を中心に「平成レトロ」への関心が高まっています。本記事では、平成レトロの定義や昭和レトロ・Y2Kとの違い、若い世代に注目されている理由や具体的なコンテンツ、企業の活用事例をわかりやすく解説します。トレンドをマーケティングに活用する際の考え方を紹介します。
- 平成レトロとは
- 平成レトロと昭和レトロ・大正レトロ・Y2Kの違い
- 特にZ世代に平成レトロが注目されている理由
- 平成レトロのコンテンツの具体例
- 平成レトロをマーケティングに活用した企業例
- レトロマーケティングに成功するポイント
- まとめ
平成レトロとは
平成レトロとは、主に平成期(1989~2019年)に流行したカルチャーやライフスタイルを懐かしむ潮流を指す言葉として使われています。デジタル技術が普及する過渡期ならではの、アナログ感が残る独自のガジェットや文化が特徴として挙げられます。当時を知らないZ世代を中心に、新鮮なものとして注目されています。
平成レトロと昭和レトロ・大正レトロ・Y2Kの違い
平成レトロは、他のレトロカルチャーや類似トレンドと比較されることがあります。
昭和レトロ
昭和レトロは、1950年代から1980年代の昭和中期から後期における文化やデザインを指します。木製の家具やホーロー看板、ちゃぶ台といった、温かみのあるアナログな生活用品が中心です。
平成レトロがデジタル移行期の文化を対象とするのに対し、昭和レトロは純粋なアナログ時代のノスタルジーを象徴しています。
大正レトロ
大正レトロは、1910年代から1920年代の大正時代における文化や芸術スタイルを指します。西洋の文化が急速に流入した時期であり、着物にカッターシャツを合わせる和洋折衷のファッションや、ステンドグラスを用いた建築などが特徴です。近代化の黎明期における華やかでノスタルジックな雰囲気を表現しています。
Y2K
Y2Kは、2000年前後に流行したファッションやライフスタイルのトレンドを指す言葉です。近未来感を意識したメタリックな素材や、お腹を露出するスタイリングなど、ポップでギャル文化に近い要素が強調されます。
平成レトロが平成期の文化全般を指して用いられることがあるのに対し、Y2Kは主に2000年前後のファッションやデザインを指す傾向があります。
特にZ世代に平成レトロが注目されている理由
平成レトロは、アナログ感や当時のデザインなどが注目される要因として挙げられています。ここでは、Z世代に人気な理由を解説します。
アナログに新鮮味を感じる
スマートフォンやSNSに親しんできた若年層にとって、平成初期の不便さは新鮮に映ります。画素数の低い写真の質感や、ボタンを物理的に押す操作感は、デジタルネイティブ世代にとって新鮮に感じられる場合があります。不完全さや独特の質感が魅力として語られることがあります。
デザインがSNS映えする
平成初期のアイテムは、現代のミニマルなトレンドとは対照的に、原色を多用したビビッドな色使いやポップなロゴが特徴的です。
ガラケーのデコレーションやプリントシール文化は、SNS投稿の題材として利用されることがあります。
幅広い世代に共感される
平成レトロのコンテンツは、Z世代の親にあたるミレニアル世代やX世代がリアルタイムで消費していた文化です。そのため、家庭内での共通の話題になりやすく、世代を超えたコミュニケーションのきっかけを生み出します。
世代間で話題を共有しやすい点も、関心を集める要因の一つと考えられています。
平成レトロのコンテンツの具体例
平成初期に流行し、現在ふたたび注目を集めている代表的なコンテンツを解説します。
デジタルカメラ・使い捨てカメラ
平成期に広く普及した使い捨てカメラや、初期のデジタルカメラが人気を集めています。スマートフォンの高精細な画質とは異なり、独特の粗い画素数や、フラッシュによる強いコントラストが特徴です。
現像まで仕上がりが分からない点や独特の色合いが、新鮮なものとして受け止められることがあります。
ガラケー(ガラパゴス・ケータイ)
スマートフォンが主流の現代において、折りたたみ式の携帯電話(ガラケー)が注目されています。端末の表面にラインストーンやシールを貼ってデコレーションする文化や、アンテナを伸ばして通話する仕草が好まれる傾向です。ボタンを押す操作感などに魅力を感じる人もいます。
プロフィール帳
平成の小中学生の間で定番のコミュニケーションツールだったプロフィール帳がリバイバルしています。自分の名前や誕生日、好きなタイプなどを手書きで記入して友人と交換する仕組みです。
SNSのデジタルなつながりとは異なり、個人の筆跡や選ぶ色から相手の個性が伝わる温かみが、現代において再評価されています。
プリクラ
1990年代後半に誕生したプリントシール機(プリクラ)は、平成カルチャーを象徴するコンテンツです。当時の機種を再現したフレームや、あえて美白補正を抑えたノスタルジックな写りを楽しめるサービスが登場しています。
撮影したシールをスマートフォンケースに入れて持ち歩く例も見られます。
たまごっち
1996年に発売されて社会現象となった携帯型育成ゲーム「たまごっち」が、再びヒットしています。ドット絵で表現されたキャラクターのお世話をするシンプルなゲーム性と、手のひらに収まる卵型の愛らしいフォルムが特徴です。
ファッションアイテムとしてバッグなどに付けて楽しむ例も見られます。
平成レトロをマーケティングに活用した企業例
平成レトロの要素をプロモーションや商品開発に取り入れる企業も見られます。
マクドナルド
日本マクドナルド株式会社は、平成時代に人気を博した商品の復刻販売や、当時のトレンドを反映したCM放映を展開しました。
「平成バーガー」と銘打ったキャンペーンでは、当時の人気商品を復活させるとともに、平成初期のヒット曲やギャル文化を彷彿とさせる視覚演出を施し、SNSなどで話題となりました。
明治
株式会社 明治は、平成期などに流行した製品のパッケージを現代に蘇らせる施策を展開しています。同社は「レトロかわいい復刻版デザイン」をテーマに、1988年(平成元年を挟む時期)に発売され平成のヒット作となった『果汁グミぶどう』や、1980年代〜90年代に親しまれたお菓子の発売当初のデザインを期間限定で復刻しました。
当時を懐かしむ世代だけでなく、若年層にも訴求する施策を展開しました。
サンキューマート
エルソニック株式会社が運営する「サンキューマート」では、平成初期の定番アニメや人気キャラクターとコラボレーションした限定雑貨を多数開発しています。
当時の小中学生が熱中したデザインを現代の低価格雑貨に落とし込むことで、10代を含む若年層向けの商品として展開しています。
レトロマーケティングに成功するポイント
レトロマーケティングでは、過去の要素と現代のトレンドを組み合わせる手法が用いられることがあります。単に過去の製品をそのまま復刻させるだけでなく、現代のトレンドやデジタル技術と融合させることが重要です。
当時を知る世代には懐かしさを与え、知らない世代には新鮮な魅力を感じさせるような、視覚的なインパクトや体験の設計が求められます。さらに、SNSで共有しやすい要素を取り入れることで、話題化につながる可能性があります。
まとめ
平成レトロは、1980年代後半から2000年代初頭のカルチャーを指し、Z世代を中心に関心を集めています。
ガラケーや使い捨てカメラといった当時のアイテムが持つ独自の不完全さやビビッドなデザインが、SNS上で話題となるコンテンツとして取り上げられる傾向があります。
この潮流をマーケティングに導入する際は、過去の要素と現代のトレンドを組み合わせる手法も考えられます。
株式会社マクロミルは、マーケティングリサーチとデジタルマーケティングリサーチを中心に、複雑化する社会・消費者ニーズを分析し、的確な消費者インサイトを提供しています。マーケティングデータの提供やデータ利活用支援事業、マーケティング施策支援事業など、多様なサービス通じて、企業のマーケティング活動を総合的に支援しています。
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