
お客様アンケートを実施すると、顧客満足度の向上や品質改善が期待できます。この記事では、顧客満足度を上げたい人のために、お客様アンケートのポイントや回答率を上げるための方法を解説します。顧客満足度の向上が期待できるお客様アンケートの手法や分析方法、注意点も解説するので参考にしてください。
目次
お客様アンケートを実施する目的とは
お客様アンケートの実施理由は、大きく分けて2つの目的があります。それぞれ詳しく解説します。
製品やサービスの品質を向上させるため
お客様アンケートの実施により、企業は問題を「見える化」でき、速やかに改善に着手でき顧客満足度の向上にもつながります。さらに製品や品質の監視も強化されることで、よりよい製品やサービスを提供できます。顧客満足度が高いとリピート率が高くなるため、製品開発がニーズにマッチしていると判断することも可能です。
参考:顧客満足度調査の手法、指標、手順、調査票の作成方法など
抱えている問題や課題点を分析するため
お客様アンケートに同じ質問内容を利用すれば、商品やサービスに問題が発生していないか調べられます。要望に耳を傾けて、見える化した問題を改善すれば、顧客満足度の向上にもつながります。
お客様アンケートを実施する主な手法4つ
お客様アンケートの実施方法は主に4つの手法に分けられます。それぞれの手法を詳しく解説します。
インターネットを使ったお客様アンケート
インターネットを使ったお客様アンケートは、大多数に一斉にアンケートを送れるため、費用をおさえて多くの回答を集められます。この手法は、回収の手間が省けるうえ、スマートフォンで気軽に回答ができるため昨今お客様アンケートの主流となっています。自社で顧客のメールアドレスを保有していれば、Webアンケートツールでアンケートを配信することも可能になります。
グループや個別にインタビューを行う
1対1やグループで回答してもらう方法は、意見やアイデアを幅広く引き出せるメリットがあります。会議室やオフィスに呼び出したり、自宅を訪ねたりしてインタビューを行う方法と、テーマを決めて、複数人のグループにアンケートを行う方法があります。複雑な質問でも回答が得られやすいうえ、回答率も高く顧客満足度を向上するための施策も練りやすいでしょう。
回答をさらに深堀りする質問を加えられるため、アンケートだけでは判断できない課題の調査も可能です。
電話を使ったお客様アンケート
お客様に電話をかけて、通話を通してアンケート項目に回答してもらう方法です。電話でのお客様アンケートは顔が見えないため、回答者は答えにくい質問にも答えやすくなります。また、より厳しい意見をもらいやすく改善点の発見にもつながります。 回答者が気軽に答えられるよう、短い回答で済むものや選択肢が2〜3の項目になるよう設定するとよいでしょう。自動音声を使えば、一度に多くのお客様に調査電話も可能です。
紙を使ったお客様アンケート
お客様のもとにアンケート用紙を送り、回答後に返送してもらう方法です。スマートフォンに慣れない高齢者からも回答を得られるメリットがあります。パソコンとプリンター、印刷用紙があればアン実施できる手軽さもあります。アンケートを郵送する場合は、お客様が自分のタイミングで回答できるため、記述式でも回答を得られやすい反面、回答率は高いとはいえません。
お客様アンケートの回答率を高めるコツ
お客様アンケートでは、いかに回答率を上げるかが課題の1つです。回答率を上げる方法を4つに分けて解説します。
アンケートの意図を明確にする
お客様が回答したいと思える目的を設定すれば、回答率の向上につながります。お客様は、アンケートがどのように利用されるかが気になるため、アンケートの意図が分からないと回答する必要がないと判断しかねません。アンケートの意図を明確にすればアンケートに協力したい気持ちが生まれます。
事前にアンケートにかかる時間や質問数を説明する
回答率を高めるには、お客様の負担軽減が重要です。時間がかからずに終わるなら回答してもよいと考える人も多いため、アンケートにかかる時間や設問数を最初に説明しましょう。時間がかかると思われると、回答率が下がる傾向にあるからです。
質問内容を具体的にして選択式にする
アンケートは、質問内容を具体的にして選択式にすると回答率が上がります。自由記述のアンケートは、多くの情報を得られやすくなる反面、お客様が負担に感じたり悩んだりしてしまい、回答率が下がる傾向にあります。お客様アンケートは具体的な選択肢を用意して、お客様の答えやすさを重視しましょう。
お客様への謝礼を用意する
お客様アンケートは任意で回答して貰うため、回答者にメリットがあると協力を得られやすくなります。アンケートに回答した謝礼として、自社商品の試供品や商品券、食事券などを用意する方法があります。アンケートに回答した人の中から抽選で人気の商品や宿泊券、金券などが当たるメリットがあれば、モチベーションが上がり回答も得られやすくなります。
お客様アンケートの分析方法
お客様アンケートでは、単純集計、ポートフォリオ分析、クロス集計の3種類の分析方法があります。それぞれについて解説します。
単純集計による分析
アンケートに回答してくれた人の数と合わせて、回答比率や項目ごとの平均値や割合などを算出する分析方法です。集計結果をもとに回答の傾向が大まかに見て取れます。数値化できる回答形式に適しています。
ポートフォリオ分析
アンケートの回答から満足度と重要度を可視化して、企業が重点的に取り組むべき項目の見通しを立てる分析方法です。縦軸、横軸に重要度と満足度を設定したマトリクス表により、優先度が明らかになります。
クロス集計による分析
複数の項目を組み合わせて集計する分析方法です。クロス集計では、単純集計で数値化した値を、お客様の性別や年齢、別の質問などと掛け合わせて深堀りしていきます。また、それ以外の多角的な分析も可能です。
お客様アンケートを実施するポイント
お客様アンケートを実施して顧客満足度の向上を目指すために、気をつけるべきポイントを解説します。
アンケートを実施する目的をはっきりさせる
お客様アンケートは、実施する目的によって質問項目が異なります。アンケートで自社が知りたい項目がなにか、アンケート結果を踏まえてどのようなアクションにつなげたいかを明確にしましょう。必要な項目に対して正しい回答を得られることができれば、顧客満足度の向上にもつながります。
質問に対する回答の仮説を立てる
お客様アンケートの質問項目は、お客様の心理や行動から仮説を立てた上で決定します。予測を立てると、アンケートの回答から仮説が正しいかを実証できるうえ、問題点の原因も把握できます。仮説がないままお客様アンケートを作成しても、適切な質問が思いつかず、優位性のあるデータの集計には至りません。
質問の数を少なくする
お客様アンケートの設問数は、20問以内におさめましょう。設問数が多いと回答者はアンケートを負担に感じて、回答率が下がります。設問は少なすぎても必要な回答が集まりませんが、10問を超えるとアンケートの脱落率は上がる傾向があります。お客様に負担を感じさせないよう質問数は最低限におさえながら、必要な項目は漏らさないようにしましょう。
お客様アンケートを実施する際の注意点
お客様アンケートを実施するときには、以下の点に気をつけましょう。
個人情報に留意する
個人情報の記入が必要な場合は、「個人情報の取り扱いには法令を遵守する」「適正に個人情報を管理する」「個人情報保護に努める」など、個人情報に関する取り扱いについて記載します。個人情報の記入が多いとお客様が不信感を抱き、回答率が下がる場合もあります。
アンケートの結果を商品やサービス改善に反映する
お客様アンケートの結果を踏まえ、改善すべき点を商品やサービスに反映できれば、企業の姿勢が伝わり顧客満足度も向上します。アンケートに答えたのに改善点が見られなければ、お客様は企業に対する不満が増すため、企業の評価が下がる結果になりかねません。
まとめ
お客様アンケートを実施して顧客満足度の向上に活かすためには、アンケートの目的を明確にしたり、質問数をお客様の負担にならないよう調整したりするなどの工夫が大切です。回収した結果は適切な分析を行い、企業活動に生かすことで顧客満足度の向上につながります。
マクロミルでは、マーケティングリサーチとデジタルマーケティングリサーチにより、社会や消費者の本音や本質を分析します。顧客満足度が向上するお客様アンケートを実施したいなら、マクロミルのアンケート調査をご利用ください。
カテゴリー
アクセスランキング
ナレッジブログランキング
メールマガジン
マーケティングに関するホットな話題やセミナーなどの最新情報をお届けします