アンケートは、企業が抱える課題解決に役立つ情報を得るための手法です。マーケティングにおいて重要な役割を担っています。この記事では、アンケートに使う設問例を目的別に解説します。アンケート作成に重要なポイントや回答率をアップさせるポイントも解説するので、作成する際の参考にしてください。
目次
アンケートとは
アンケートは、得たい情報の知見や意見をお持ちであろう対象者や専門家に対して、調査を行うことです。自記式やはがき、電話やインターネットが主な調査方法です。
参考:アンケートとは?目的や種類、質の高いアンケートを作るコツも解説
アンケートを実施する目的
アンケートの目的は、企業が抱える課題によって変化します。例えば、顧客満足度調査を行う場合は、企業が提供するサービスや商品の顧客満足度の向上が目的です。「リピート率を向上させたい」や「売上を増やしたい」など、さまざまなものがあります。
アンケートと混同されやすい市場調査とは
アンケートと市場調査は、異なる意味合いで使われます。市場調査は、マーケティング施策を行うために調査結果を数値化して、市場を把握するものです。アンケートは、市場調査の一環として行われます。
アンケートを作成する手順
アンケートは、4つの手順で作成可能です。それぞれの手順について解説します。
1.目的と目標を決める
最初に、アンケートを行う目的と目標を具体的に設定します。アンケートを何かの取り組みや行動に活かすには、結果から得られた情報の活用方法をイメージしておくことがポイントです。目的や目標が曖昧な状態では、必要のない選択肢や設問を作る恐れがあります。
2.実施方法を選ぶ
アンケートの実施方法は、主に紙かWebの2つです。紙によるアンケートの実施では、印刷や郵送などのコストがかかりますが、Webの場合は、紙に比べてコストと時間が削減できます。紙のメリットは、対象者の世代によっては、紙の方が回答しやすい点です。
3.設問文と回答形式を決める
設問文は、企業が求める回答や得たい情報から逆算して作ります。訪問文に対する回答形式の種類は、5つです。以下に、5つの回答形式を記載します。
- 単一回答:選択肢が複数あり、回答として1つ選ぶ形式
- 複数回答:選択肢が複数あり、該当する回答を複数選べる形式
- マトリクス:連続して同様の質問がある場合に、表形式にまとめた形式
- 順位法:選択肢が複数あり、回答の重要度に応じて順位をつける形式
- 自由記述:枠内に自由に記述する形式
4.アンケート用紙か回答フォームを作成する
アンケートの実施方法に合わせて、アンケート用紙か回答フォームを作ります。アンケート用紙を作る際には、テンプレートサイトもしくはExcelやWordが活用できます。
回答フォームを作る際には、アンケートリサーチサービスやフォーム作成ツールを利用する方法があります。インターネットを利用する回答フォームであれば、データ集計や分析がアンケート用紙と比較して容易です。
アンケートを作成する際に重要なポイント
アンケートの回答率を上げるには、実施方法やアンケート内容の工夫が大切です。以下で、重要なポイントを解説します。
紙とWebを併用して実施する
アンケートは、紙とWebを併用して実施するのがおすすめです。Webであれば、データの収集や分析がしやすく、紙に比べて実施にかかるコストが削減できます。同時に紙でも実施すれば、Webに慣れていない世代の対象者が回答しやすくなります。
設問数は最低限にする
設問数は、最低限必要な数にするのがポイントです。訪問数が多ければ、回答を面倒に感じて回答率の低下につながります。対象者がストレスなく回答できる訪問数にとどめて、アンケートを作りましょう。
回答しやすい設問にする
訪問のなかに回答に悩む設問があれば、回答率の低下につながります。回答を途中で止める対象者もいるかもしれません。記述式の訪問は最低限の数もしくは任意項目にして、基本的には選択式で簡単に回答できるようにする方法がおすすめです。
理解しやすい言葉を使う
アンケートで使う言葉は、対象者がわかりやすい言葉にします。難しい言葉を使うと質問の意味が理解しにくくなり、敬遠されたり、誤って理解されたりする恐れがあります。誰でも理解しやすい言葉選びが大切です。
【社外向け】目的別のアンケート設問例
社外を対象者としてアンケートを実施する場合の訪問例を4つ紹介します。アンケートを作る際の参考にしてください。
1.サービス・商品の満足度調査
サービスや商品の満足度や使用状況を聞くアンケートの設問例を以下に記載します。
- あなたは、〇〇(サービスまたは商品)を何をきっかけに知りましたか。
- 〇〇(サービスまたは商品)を購入した場所はどこですか。
- 〇〇(サービスまたは商品)を選んだ理由を教えてください。
- 〇〇(サービスまたは商品)を使う頻度はどれくらいですか。
参考:顧客満足度調査とは?手法、指標、手順、調査票の作成方法など
2.ブランドイメージ調査
ブランドイメージを聞くための設問例を以下に記載します。
- あなたは、〇〇(ブランド)をご存じですか。
- 〇〇(ブランド)のイメージに近いものを選択肢から選んでください。
- 〇〇(ブランド)の商品(またはサービス)を過去に購入しましたか。
- 〇〇(ブランド)の商品(またはサービス)を購入したいと思いますか。
3.コンセプト調査
サービスや商品のコンセプトに対する評価を聞く設問例を以下に記載します。
- 〇〇(コンセプト)のイメージに近いものを選択肢から選んでください。
- △△(コンセプト)のイメージはよいと感じましたか。
- 〇〇と△△(コンセプト)の商品(またはサービス)のどちらを使ってみたいと思いますか。
4.広告効果測定調査
広告施策の効果を把握するための設問例を以下に記載します。
- あなたは、このテレビCMをどこかで観たことはありますか。
- 上記のテレビCMを観た印象を教えてください。
- 上記のテレビCMを観て、好きだと感じましたか。
- 前問で回答した理由を教えてください。
- 上記のテレビCMを観て、購入したいと思いましたか。
【社内向け】目的別のアンケート設問例
1.基本情報の項目
基本情報を聞く設問例を以下に記載します。
- あなたの性別を選択肢から選んでください。
- あなたの年齢を選択肢から選んでください。
- 選択肢から、あなたが所属している部署に最も近いものを選んでください。
- 選択肢から、あなたの役職に最も近いものを選んでください。
- あなたは会社に入社して何年目になりますか。
2.業務に関する項目
企業の業務に関する設問例を以下に記載します。
- 行っている業務のなかで負担に感じていることがあれば教えてください。
- 担当している業務量は適切だと感じますか。
- 効率が悪いもしくは無駄だと感じる作業があれば教えてください。
3.上司に関する項目
上司に関する設問例を以下に記載します。
- 上司は、あなたの話を親身に聞いてくれますか。
- 上司は、あなたや部下に対して公正な評価をしていると思いますか。
- 上司は、あなたの業務量を把握して、適切に調整できていますか。
アンケートの回答率をアップさせるポイント
アンケートでより多くの回答を得るには、3つのポイントが役立ちます。以下で解説します。
回答者にアンケートの趣旨を伝える
アンケートを実施する際には、対象者がアンケートに回答する前に、アンケートの趣旨を回答者へ説明します。アンケートの趣旨を伝えるポイントを、以下に記載します。
- アンケートの目的は何か。
- アンケートの回答結果を何に活用するのか。
回答時間の目安を示す
アンケート用紙もしくは回答フォームには、回答の所要時間を明記しておきます。回答の所要時間が分からないと、回答率が低下します。回答する時間は、できる限り短くするのがおすすめです。
回答者にメリットをつくる
商品券や商品のプレゼントなど、回答者にメリットがあれば、アンケートに協力してもらいやすくなります。回答者のメリットには、回答者の直接的な利益になる謝礼がおすすめです。
まとめ
アンケートの実施方法は、主にWebか紙の2種類があります。Webは、紙と比較してコストや時間の削減に優れており、紙はWebに慣れていない世代が回答しやすいメリットがあります。
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