
郵送調査は、定量調査のひとつです。紙の調査票を対象者に送付して、回答後に郵便で返送してもらいます。この記事では、調査方法として郵送調査が選ばれる背景やメリットなどについて解説します。郵送調査によるマーケティング施策を検討している担当者は、参考にしてください。
参考:認知度調査とは?実施のタイミングや手法、メリット、調査項目を解説
- 郵送調査とは
- 郵送調査の3つのメリット
- 郵送調査のデメリットと注意点
- 郵送調査の流れと実施手順
- 郵送調査の回収率を上げるための具体的なコツ
- 郵送調査の費用とコストダウンの方法
- 郵送調査が向いている活用シーン
- まとめ
郵送調査とは
郵送調査とは、調査対象者の住所に紙の調査票を郵送し、記入された回答を回収・分析する調査手法です。回答の回収方法は、返信用封筒を同封し、郵便で返送してもらう形が一般的です。マーケティングリサーチの分野では、郵送調査は定量調査に分類されます。
郵送調査の仕組み
郵送調査は、始めに調査対象者のリストを作成し、アンケート調査票を郵送します。調査票は、回答後に返信用封筒で返送してもらいます。回答を集計・分析し、マーケティング施策に役立てる仕組みです。
郵送調査が選ばれる理由とその背景
郵送調査が広く使われている背景として、紙媒体が誰にでも馴染みがあること、郵便が全国を網羅するインフラであることが挙げられます。また、紙に回答する手軽さ、視認性なども郵送調査が使われてきた背景のひとつです。
郵送調査の3つのメリット
郵送調査は、幅広い地域や年齢層から情報を収集できるメリットがあります。また、対象者の本音を引き出しやすいことも利点です。それぞれのメリットについて、解説します。
広範囲で情報を収集できる
郵送調査は、インターネットを利用しない層や、操作に不慣れな高齢層などにアプローチする方法として、利用されています。メールアドレスや電話番号がわからない対象者からの回答をもらいたいときにも、有効です。
幅広い地域や多様な生活環境の人からデータを集められるため、郵送調査は特定の層に偏らない代表性の高いデータを収集できます。
対象者の本音を引き出しやすい
紙媒体で回答を募るため、対面での調査と異なり、対象者がじっくり回答を考えられるメリットがあります。対象者は、時間的な制約やプレッシャーを感じずに回答を進められます。また、プライバシーを確保しやすいため、センシティブな質問でも回答を得られやすいこともメリットのひとつです。
郵送調査のデメリットと注意点
郵送調査は、情報収集の範囲などでメリットがあります。一方、回答率の低さや調査票を回収するまでに時間を要することはデメリットです。2つのデメリットを解説します。
回答率が低くなる可能性がある
郵送調査は、調査票を受け取った対象者が必ずしも回答を返送してくれるとは限らない点がデメリットです。調査票を受け取っても開封しない、回答したものの返送が手間になるなどが考えられます。回答率が低下すると、調査の信頼性や代表性に影響を与えかねません。多くの回答を得るために再調査を行うと、結果として費用がかさむ可能性があります。
結果を得るまで時間を要する
郵送調査は、インターネットや対面での調査と異なり、結果が出るまでにある程度の時間が必要です。郵便の配送自体に日数がかかる点も、全体の進行スピードが遅くなる原因となっています。そのため、迅速にデータが欲しい場合には不向きです。調査票の印刷、封入、回答の集計などの工程にも手間と時間がかかります。
郵送調査の流れと実施手順
郵送調査は、調査目的を明確にするところから始めます。目的を明確に定義し、企画設計、調査票の作成、実施、分析の順で進めます。
調査目的を明確に定義する
郵送調査は、まず目的を明確化するところから始めます。調査で把握したいこと、必要なデータ、データの活用方法や目標などを具体的に洗い出すことが調査の成功には重要です。調査目的を定義することで、調査対象者も自ずと絞られてきます。
調査の企画設計をする
続いて、調査の進行手段を具体的に決めていきます。対象者の選定、調査の日程、予算など調査を運用するうえで必要な項目の骨組みを作ります。調査票の発送から回収、分析までの過程がスムーズに進むように計画を立てることが重要です。
調査票を作成する
調査のスケジュールを立てたら、調査票を作成します。最初に設問内容をわかりやすくまとめます。調査実施の目的や収集したいデータを考慮しながら、具体的な質問内容を構築していくことが重要です。視認性を意識し、特に高齢者向けの場合は、文字の大きさとフォントに注意します。回答は、選択式にすることで対象者の負担を軽減できます。
郵送調査を実施する
調査票が完成したら、対象者に郵送します。調査票を返送して欲しい場合には、切手を貼付した返信用封筒を同封します。回答期限もわかりやすく記載することが大切です。郵送する封筒の表書きに、「アンケート在中」などの表示を加えることで開封を促進でき、信頼性も高まります。封入時に、調査票、案内文などの必要書類がそろっているか、封筒の宛名は間違っていないかを確認します。
調査結果のデータを集計し分析する
対象者からの返送がある程度集まったら、データを集計し、分析を進めます。回答データは、表計算ソフトや分析ツールに入力し、基本統計量やクロス集計表などを作成します。調査結果の誤記や読み取りミスを防止するため、複数人での入力やダブルチェックの体制を整えることが重要です。最後に、調査結果を報告書にまとめ、関係各所に共有します。
郵送調査の回収率を上げるための具体的なコツ
郵送調査は、対象者が回答を返送する手間があるため、回収率が低くなりがちです。回収率が上がらないと、調査の信頼性が低下し、調査結果に偏りが生じかねません。回収率を上げる具体的なコツを知り、対策することが重要です。
事前に案内状を送る
調査票をいきなり対象者に郵送するのではなく、挨拶を兼ねた案内状を事前に送り、調査を予告します。これにより、対象者の不信感が和らぎ、後に届く調査票がDMと間違えられるリスクを防止できます。
回答者の負担を軽くする
調査票は、対象者の読みやすさを第一に考え、平易な日本語で表記します。また、記述式を極力減らし、選択肢形式を中心に構成し、対象者の回答しやすさを重視します。設問数が多かったり、難解な専門用語が羅列されていたりすると、最後まで回答できない可能性があります。
リマインドの案内を送る
調査票の回答期限の数日前に、リマインドの案内状を送付します。調査票の存在を思い出してもらい、返送を促す効果があります。案内状は、丁寧かつ簡潔にし、調査協力への感謝の言葉も添えることが重要です。これにより、誠意ある姿勢が伝わり、信頼度と回答意欲の向上が期待できます。
調査協力のお礼を用意する
回答率を向上させる施策のひとつとして、インセンティブの導入があります。調査協力のお礼として、金券や商品券、図書カードなどが一般的です。全員に配布するのではなく、抽選で〇名様にプレゼントとする方式も、回答意欲を高める方法として効果的です。
郵送調査の費用とコストダウンの方法
郵送調査は、調査票の印刷費や郵送費、人件費などがかかります。ここでは、郵送調査に必要な費用とコストダウンの方法を解説します。
郵送調査の費用
郵送調査を実施する場合、以下の費用がかかります。
- 印刷費:調査票を印刷する費用です。デザインやページ数により変動します。
- 人件費:郵送先のリスト作成やデータ集計、調査票封入作業などが発生します。
- 設計費:調査の企画、設計の作業費が発生します。
- 郵送費:送付用封筒、返信用封筒、切手など送付にかかる費用です。
郵送調査のコストダウンの方法
上記で示した、印刷費や郵送費などのコストを減らすためには、さまざまな工夫が必要です。例えば、調査票のデザインを見直して、シンプルにすることで印刷費が削減できます。また、Webアンケートとの併用もコストダウンに有効です。Web回答を促すことで、データ入力費用を削減できる場合があります。予算に合った回答数を設定し、対象者を選定することも重要です。
郵送調査が向いている活用シーン
郵送調査は、インターネット調査ではアプローチしづらい対象者の声を拾える調査方法です。そのため、メールアドレスや電話番号がわからない自社ユーザーに対し、商品やサービスに対する回答を得たいときに有効です。インターネット調査に慣れていない高齢者を対象にした調査や、対象者の居住地域が分散しているといったケースも、郵送調査が適しています。
まとめ
郵送調査は、紙で回答する手軽さや郵便制度が全国で網羅されているインフラであることなどから、有効な調査方法のひとつに選ばれています。しかし、郵送調査は、対象者が返送する手間が必要なことから回答率が低くなりがちです。回答の負担を軽減したり、謝礼を用意したりするなど回答率を上げる工夫をすることが重要です。
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