マーケティングリサーチャーとは?仕事内容や流れ、必要なスキル・資格を解説

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市場調査

2025/9/5(金)

マーケティングリサーチャーは、市場や消費者の動向を調査・分析し、商品開発や戦略に生かす専門職です。この記事では、マーケティングリサーチャーの仕事内容や調査の流れ、求められるスキルや資格、活躍の場についてわかりやすく解説します。マーケティングリサーチャーを目指す人は参考にしてください。

参考:マーケティングリサーチとは?市場調査との違い、主な目的や手法を解説

監修

Macromill News 事務局

監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

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マーケティングリサーチャーとは

マーケティングリサーチャーは、市場や消費者の実態を把握するために、インタビューやアンケート、統計データを収集・分析する専門職です

現在、どのような価値や体験が重視されているか、今後、どの技術に需要が集まりそうかといったテーマに対して、適切な調査手法を選定します。その後、定量定性データを収集・分析し、レポートとしてまとめることがおもな役割です。

市場調査(マーケットリサーチ)との違い

市場調査は「市場」に特化した調査であり、マーケティングリサーチは「マーケティング全体」を対象とする調査です市場規模や競合状況、消費者の購買傾向などを把握することを目的とします。

一方、マーケティングリサーチは、市場の情報だけでなく、消費者の好みや行動傾向、ブランドの位置づけなど、マーケティング全体に関わるデータを収集・分析します。

マーケティングリサーチャーの仕事内容・流れ

マーケティングリサーチャーの仕事の流れについて解説します。

1. 調査の企画

最初のステップでは、調査の目的を明確にし、どのような情報を、どの手段で収集するかを定めます。調査の依頼者が抱える課題を丁寧に整理し、どのような方向性でリサーチを進めるべきかを検討しましょう。調査全体の成否を左右する重要な土台づくりとなります。

2. 調査の設計

続いて、調査の具体的な設計に入ります。ここでは、誰を対象にするのか、何を質問するのか、どのような方法で調査を行うのかといった要素を1つひとつ決めていきます。あわせて、調査に参加してもらう人数や、実施から完了までのスケジュールも明確にしましょう。

3. 調査の実施

次に、企画と設計の内容に基づき、実際の調査を実施しましょう。調査手法は目的に応じて異なります。例えば、試作品をモニターに使ってもらうケースや、オンライン上でアンケートを行うケースなどがあります。実査では、計画通りに進行するかどうかの管理も重要です

4. データの収集・分析

調査で得られたデータを収集し、調査目的に沿った形で分析を行いましょう。どの分析手法を用いるかは、明らかにしたい内容に応じて選択されます。分析結果は、依頼者にわかりやすく伝えるために、報告書としてまとめられます。

5. 調査結果の報告・提案

最後に、調査で得られた結果を依頼者に対して報告しましょう。データの正確な伝達に加え、調査から得られた知見をもとに、次に取るべき施策や方向性について提案することが求められます。場合によっては、調査結果をもとにした商品企画や、その後のフォローアップ調査に発展することもあります。

マーケティングリサーチャーが活躍できる場所

マーケティングリサーチャーが活躍できる場所は、リサーチ会社や事業会社などさまざまです。以下で、詳しく解説します。

リサーチ会社

マーケティングリサーチは、専門のリサーチ会社に外部委託されることも一般的です。リサーチ会社は、豊富な消費者パネルや企業・店舗の情報といったデータを活用し、依頼に応じて調査を行う会社です。

クライアントとの打ち合わせから調査の設計・実施・分析までを担当し、結果を報告書としてまとめて提供します。幅広い分野に対応する会社もあれば、特定の業界に特化している会社もあります。

事業会社

マーケティングリサーチャーは、調査専門会社だけでなく、一般企業のマーケティング部門に配属される場合もあります。自社の製品やサービスに関する調査を担うため、リサーチ結果が実際の施策にどのように活用されるかを間近で見られる点が特徴です。

また、求人情報サイトの掲載状況を見ると、正社員としての採用が多く、完全週休2日制の勤務形態が一般的となっています。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームでも、企業の課題解決に向けた戦略立案の一環としてマーケティングリサーチを行います。リサーチ会社が商品開発に関連した調査を行うのに対し、コンサルティングファームは新規事業やM&A、DX推進など経営に直結したテーマを中心に調査を進める点が特徴です。

さらに、官公庁から調査を受託することもあり、多様な分野でリサーチャーが活躍しています。

マーケティングリサーチャーになるために必要なスキル

マーケティングリサーチャーになるためには、分析力やプレゼンテーション力、コミュニケーション力が必要です。以下で、それぞれのスキルについて詳しく解説します。

分析力

マーケティングリサーチャーには、調査目的に応じて適切な項目を設計し、収集したデータをもとに顧客のニーズや課題を読み解く分析力が求められます3C分析やPEST分析などの基本的な手法を理解し、活用できることが重要です。

プレゼンテーション力

調査で得た結果から、施策を企画・実行するためには伝える力が欠かせませんターゲットに刺さる施策であることを、データを用いて説明する必要があります。PREP法などの構成を活用し、要点を明確に伝えるプレゼンテーション力が求められます。

コミュニケーション力

マーケティングリサーチャーには、消費者やプロジェクトメンバーと円滑にやり取りするためのコミュニケーション力が不可欠です街頭アンケートや意見交換会では、相手の本音を引き出す質問力が求められます。さらに、他部署との連携も多いため、チームで協力して進める力も重要です。

マーケティングリサーチャーに向いている人の特徴

マーケティングリサーチャーに向いている人には共通の特徴があります。以下で、詳しく解説します。

数字に強い人

マーケティングリサーチでは数字を扱うため、数値への抵抗がないことが重要です。ただし、理系に限らず文系出身者も多く活躍しています。計算力よりも、数値データから傾向を読み取り、わかりやすく説明する力が求められます。

論理的思考ができる人

  マーケティングリサーチでは、主観を排し、客観的な視点で分析する姿勢が求められます。その上で、分析結果を筋道立ててわかりやすく伝える論理的思考力が重要です。

忍耐力がある人

マーケティングリサーチの現場では、集計や確認など地道な作業が多く、根気強く取り組む忍耐力が求められます。仮説を1つずつ検証する分析作業には時間と労力がかかります。知的好奇心に加え、粘り強く続ける力が不可欠です。

マーケティングリサーチャーになるために必要な資格

マーケティングリサーチャーを目指す上で、保有しておくべき資格について解説します。

社会調査士

社会調査士は、社会調査士科目を開講する大学で必要な単位を修得し、一般社団法人社会調査協会に申請することで取得できる民間資格です。調査の計画から報告書作成までの基本を学べるため、就職後すぐに役立つスキルが身につきます。

専門社会調査士

専門社会調査士は、社会調査士より専門的で実践的な知識を得られる民間資格です。社会調査士資格保有と大学院での単位取得、研究論文の提出などが条件で、一般社団法人社会調査協会が認定します。多岐にわたる調査手法の企画・運営や高度な分析・報告書作成のスキルが身につき、市場動向をより詳しく調査できるようになります。

マーケティングリサーチャーの平均年収

求人ボックス 給料ナビの「リサーチャーの仕事の年収・時給・給料」では、マーケティングリサーチャーの平均年収は約645万円と示されています。月給の目安は約54万円、初任給は約24万円が相場です。

※参考:リサーチャーの仕事の平均年収は645万円/平均時給は1,148円!給料ナビで詳しく紹介|求人ボックス

マーケティングリサーチャーの将来性

マーケティングリサーチ業界では、中堅のマーケティングリサーチャーが不足しています。調査やコンサルティングのスキル不足も課題となっており、多くの企業が即戦力の人材を求めています。そのため、これまで経験者に限定していた中途採用でも、未経験者を積極的に受け入れる傾向が強まっています。

ただし、現在は人手不足のため、求人サイトを活用して若手リサーチャーを積極的に採用する企業も増えています。高い専門性を身につければ、今後も安定した需要が期待できるため、将来性のある職業です

まとめ

マーケティングリサーチャーは、市場や消費者の情報を収集・分析し、商品開発や経営戦略に役立てる専門家です。調査企画から分析、報告まで幅広く携わり、分析力やプレゼン力、コミュニケーション力が求められます。資格取得やスキル習得でキャリアアップも可能で、将来性の高い職種です。

株式会社マクロミルは、消費者や社会の動向を多面的に分析し、企業に価値ある洞察を提供する調査会社です。調査業務に加え、データ活用支援や広告CRMの実施支援まで、マーケティング全体を包括的にサポートしています。

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監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

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