
仕事の合間のリフレッシュや小腹満たしなど、日常のさまざまな場面で手軽に楽しまれている「グミ」。近年の相次ぐ値上げにより消費者の購買行動が慎重になる中でも、グミ市場は拡大傾向を維持し好調に推移しています。最近のグミのパッケージには「ハード」や「ぷにぷに」といった「食感」を語る文字が溢れています。多様な食感を楽しめる「食感訴求あり」商品の台頭は、グミ市場の成長を支えています。
本記事では、グミ市場を「食感訴求の有無」および「食感タイプ」という切り口から紐解き、直近5年間の市場推移や現在のメイン購入層、さらにはアイテムランキングの変遷をもとに、現在のグミ市場の動向を詳しく分析します。
- 1.食感訴求有無別、グミ市場の動向
- 1-1.直近5年間の市場構造
- 1-2.2021年から2025年の市場構造の変化
- 1-3.現在のメイン購入層(性年代別)
- 1-4.購入層の変化
- 2.「食感訴求あり」セグメントの食感タイプ別動向
- 2-1.直近5年間の市場構造
- 2-2.現在のメイン購入層(性年代別)
- 3.食感訴求有無・食感タイプ別、アイテムランキングの変化
- 4.まとめ
※本レポートで使用するグラフはすべて購買履歴データQPRの分析データを基にしております
※食感訴求有無/食感タイプの対象アイテムについて
「食感訴求あり/なし」の「食感詳細」の分析対象は、2021年から2025年の各年において、100人あたり購入金額の上位30商品に入った商品をピックアップし、5年間の分析の対象としております。
これらの商品群は、年毎の市場全体の購入金額シェアの約43%〜47%を占めており、市場のトレンドを網羅的かつ代表的に捉えるデータとして分析しています。
・食感訴求あり/なし
アイテム名・パッケージ内に「やわらかい」、「固い」、「〇〇食感」など食感を表す文言が入っているアイテムを「食感訴求あり」、それ以外を「食感訴求なし」と定義しています。
・食感タイプ
アイテム名・パッケージ内の文言に基づき以下のように分類しています。
やわらかめ食感:やわらかい、ぷに、むにゅ、ぷる、もにもに等、柔らかさを表す文言があるアイテム
固め食感:固い、弾力、ハード等、固さを表す文言があるアイテム
食感その他:果実食感など食感と記載があるが固い・やわらかいの判断ができないアイテム
【注記】
本分析における「食感訴求なし」はブランドのマーケティング施策の意図や優劣を示すものではありません。
商品名・パッケージ上に特筆がない商品は、食感を強みとするブランドであってもこのカテゴリーに含まれることを前提としております。
1.食感訴求有無別、グミ市場の動向
グミ市場は全体として拡大基調にありますが、その成長をけん引しているのは「食感訴求あり」の商品です。ここでは、市場全体と食感訴求有無別の動向を整理します。
1-1. 直近5年間の市場構造
次のグラフはグミ市場の直近5年の市場構造を食感訴求有無別に示しています。
100人あたり購入金額*でみると全体的にグミ市場は年々伸長傾向であり、特に「食感訴求あり」については市場全体の成長率を上回るスピードで伸びています。その要因を確認します。
*QPRでは、市場規模を「100人あたり購入金額」という指標で表しています。
分析対象となる消費者(モニタ)100人あたりの購入金額を示す指標であり、人口(15-79歳)100人分の購入金額に相当します。

【図表1】グミ市場インデックスツリー(2021年-2025年)
- 「グミ市場全体」
100人あたり購入金額は毎年約110%以上の大きな伸長を維持。
購入率*、購入者あたり購入金額ともに伸長しており、特に購入者あたり購入金額の伸長が著しい。
要因として平均金額も伸びているものの、購入者あたりの購入回数も伸びており、購入者も購入頻度も増加している好調な状況。
*分析対象となる消費者(モニタ)のうち何%の人がその商品を購入しているかを示す指標です。
- 「食感訴求あり」
100人あたり購入金額は毎年約120%以上の大きな伸長を維持しており、グミ市場のけん引役となっている。購入率、購入者あたり購入金額ともに毎年約110%以上伸長。
- 「食感訴求なし」
グミ市場全体、「食感訴求あり」と比べ減少・横ばい傾向が続く。特に直近24~25年では前年比88%と大きく減少。購入率、購入者あたり購入金額ともに前年比94%と減少しており、購入者あたり購入回数の減少(前年比95%)が要因として考えられる。24年~25年でどの属性が減少傾向であるかは「1-3.購入層の変化」にて確認する。
1-2. 2021年から2025年の市場構造の変化
次のグラフは、市場が大きく変動した2021年から2025年での市場構造の変化を食感訴求有無別に示しています。

【図表2】グミ市場インデックスツリー(2021年/2025年)
- 「グミ市場全体」
グミ市場は毎年伸長を続けている中、100人あたり購入金額は21年と25年で比較すると2倍となる成長を達成。要素を細分化すると、同期間で購入率が1.3倍、購入者あたり購入金額は1.5倍の成長となる。購入者あたり購入金額の伸長は、平均価格の増加の影響もあるものの購入者あたりの購入回数自体も伸長(1.2倍)しており、購入者数、購入頻度共に増加している好調な状況。
- 「食感訴求あり」
「食感訴求あり」についても毎年伸長を続けている中、100人あたり購入金額は21年と25年で比較すると約2.6倍となる成長を達成。要素を細分化すると、同期間で購入率が約1.7倍、購入者あたり購入金額は約1.5倍の成長となる。
購入者あたり購入金額の伸長は、平均価格の増加の影響もあるものの購入者あたりの購入回数自体も伸長(1.2倍)しており、購入者数、購入頻度共に増加している好調な状況となり、グミ市場全体と同様の傾向となる。食感訴求のアイテムが市場に増えていく中で購入頻度が高まっている可能性も考えられる。21年~25年でどの属性が増加傾向であるかは「1-3.購入層の変化」にて確認する。
- 「食感訴求なし」
グミ市場全体、「食感訴求あり」と比べ、100人あたり購入金額は21年と25年で比較すると横ばい傾向。購入率、購入者あたり購入金額ともに横ばい。購入者あたり購入金額については、平均金額は増加しているものの、購入者あたり購入回数は21年比85%と減少傾向。購入頻度の減少がみられる。
1-3.現在のメイン購入層(性年代別)
次に、「グミ市場全体」「食感訴求あり・なし」のセグメント別に購入層の違いを確認します。
次のグラフはそれぞれの2025年購入者の性年代別・金額構成比を示したものです。

【図表3】グミ市場 食感訴求有無別 金額構成比(性別×年代/2025年)
- 「グミ市場全体」
モニタ全体の構成と比較して女性の割合が大きく、約58%と半数以上を占める。
中でも女性30-40代がボリュームゾーン。
- 「食感訴求あり」
市場全体や「食感訴求なし」の男性比率が約42%である中、「食感訴求あり」は約46%と男性比率がやや高いのが特徴。
中でも20代男性は約7%と市場全体(約5%)や「食感訴求なし」(約4%)における同層の割合と比較して高い。
- 「食感訴求なし」
市場全体と同様に女性比率が約58%と高い傾向。「食感訴求あり」と比較すると、特に30代女性が約13%(訴求ありは約9%)、70代女性が約8%(訴求ありは約9%)と割合が大きい点が特徴。
1-4.購入層の変化
次のグラフは、食感訴求有無別に市場規模が大きく増減した時期に着目し、どの性年代層の購入が変化したのか、100人あたり購入金額の推移を確認しています。
各年比較時、「増減率(%)」「増減額(円)」別の2パターンで結果を確認します。
※数値は各性年代層のモニタ100人分の購入金額となります。

【図表4】「食感訴求あり」属性別100人あたり購入金額比較(2021年/2025年)
2021年から2025年にかけて特に伸長したのは、2021年からもボリュームゾーンであった男女40代と、男性30代、女性10代,70代になりました。
- 「増加率(%)」
女性10代(401%増)をはじめ、男性40代(322%増)、女性70代(321%増)が伸長。
- 「増加額(円)」
女性40代(+26,550円)をはじめ、男性30代(+22,584円)、男性40代(+21,148円)が伸長。

【図表5】「食感訴求なし」属性別100人あたり購入金額比較(2021年/2025年)
2024年から2025年にかけて特に変化があったのは、2021年にボリュームゾーンであった男性30代、女性30-40代が減少した点となりました。
- 「減少率(%)」
男性30代(74%)をはじめ、男性20代(76%)、女性60代(82%)が減少。
- 「減少額(円)」
女性40代(-3,142円)をはじめ、女性30代(-2,783円)、男性20代(-1,855円)が減少。
2.「食感訴求あり」セグメントの食感タイプ別動向
ここからはグミ市場の拡大をけん引する「食感訴求あり」セグメントに絞り、分析します。
食感の「タイプ」別に市場の動向を整理します。
2-1.直近5年間の市場構造
次のグラフはグミ市場の直近5年の市場構造を食感タイプ別に示しています。
100人あたり購入金額をみると、固め・やわらかめともに年々伸長傾向となりました。その要因を確認します。

【図表6】「食感訴求あり」セグメントインデックスツリー(2021年-2025年)
- 「固め食感タイプ」
100人あたり購入金額は毎年約120%以上の伸長。
特に23年で約144%と大きく伸長しており、購入率の伸長率が約120%と購入者の増加が要因。
「固め食感」は直近24~25年でも約123%と継続して大きく伸長しており、購入者の増加と購入者あたり購入回数の増加(ともに約111%)が要因として考えられる。
- 「やわらかめ食感タイプ」
100人あたり購入金額は毎年大きく伸長傾向。
固め同様特に23年、24年で約130%以上の伸長をしており、購入率が約120%を超える伸長。
24年までは約120%を超える伸長率を維持。直近24~25年では、100人あたり購入金額の伸長率が約109%と落ち着いてきており、特に購入者あたり購入金額が前年比約96%と横ばいで落ち着いているものの、購入率は約113%と伸長傾向。
次のグラフは食感タイプ別の5年間の購入金額シェアの推移を示しています。

【図表7】「食感訴求あり」セグメント 食感タイプ別 金額構成比の推移(2021年-2025年)
- 2021年時点では「固め食感」が主流であり、「食感訴求あり」市場の約63%を占めていた。2025年にはさらに伸長し、約68%のシェアを占める結果となった。
2-2.現在のメイン購入層(性年代別)
次に、「固め食感」「やわらかめ食感」のタイプ別に購入層の違いを確認します。次のグラフはそれぞれの2025年購入者の性年代別・金額構成比を示したものです。

【図表8】「食感訴求あり」セグメント 食感タイプ別 金額構成比(性別×年代/2025年)
- 「固め食感タイプ」
「食感訴求あり」セグメント全体、「やわらかめ食感」タイプと比較し、男性(特に男性20-30代,50代)の割合が合わせて約49%と大きい。ボリュームゾーンは男女40代でそれぞれ約10%以上を占める。
- 「やわらかめ食感タイプ」
「食感訴求あり」セグメント全体、「固め食感」タイプと比較し、女性の割合が62%と半数以上を占めているのが特徴。ボリュームゾーンは男女40代、女性50代でそれぞれ10%以上を占める。特に男女70代以上の割合が16%を占めており、「固め食感」(8%)と比較し特徴的であり、高齢層へのやわらかめグミの需要が高いことが想定される。
3.食感訴求有無・食感タイプ別、アイテムランキングの変化
最後に、2021年と2025年の上位30商品の比較から、グミ市場のトレンドの変化を確認します。
次の表は2021年と2025年における、100人あたり購入金額順の商品ランキング(アイテムランキング)を比較しています。

【図表9】グミ市場アイテムランキング(100人あたり購入金額順、2021年/ 2025年)
- 2021年から2025年で、食感訴求有無の変化をみると「食感訴求あり」のアイテムが上位にあがってくる結果となりました。上位30商品中の「食感訴求あり」アイテムの数は、2021年は14個でしたが2025年は21個と1.5倍になりました。
- 食感タイプの変化をみると「固め食感」が上位を占める結果となり、「やわらかめ食感」についても2021年から2025年でアイテム数が増えており(2個→4個)、今後やわらかめ食感アイテムが上位にあがってくるのかも注目したいポイントです。
次のグラフは食感訴求有無別に、アイテム数割合と100人あたり購入金額割合の2021年と2025年の変化を示しています。
※各年100人あたり購入金額の上位30商品を対象としております。

【図表10】食感訴求有無別 アイテム数・100人あたり購入金額割合の推移(2021年/ 2025年)
- こちらの結果からも2021年から2025年にかけて「食感訴求あり」のアイテムが市場の主流へと大きくシフトしていることが分かります。2021年時点では、アイテム数・購入金額ともに「食感訴求なし」が過半数を占めていましたが、2025年には「食感訴求あり」の割合が過半数以上を占める結果となりました。
4.まとめ
●市場全体の動向
グミ市場全体は年々拡大傾向が続いており、購入率および購入者あたりの購入金額ともに伸長する好調な推移を見せています。市場成長のけん引役は「食感訴求あり」商品であり、購入者数だけでなく購入頻度の増加が市場を押し上げています。一方で、従来の「食感訴求なし」商品は直近で横ばい・減少傾向にあります。
●ユーザー層の特徴と変化
市場全体は女性30-40代がメイン購入層ですが、「食感訴求あり」は男性(特に20代)の割合がグミ市場全体の同じ層より大きいのが特徴です。食感タイプ別で見ると、「固め食感」は男性(20-30代、50代)からの支持が厚く、「やわらかめ食感」は女性40-50代に加え、男女ともに70代以上のシニア層の割合が大きく、幅広い層へ需要が広がっています。
●食感訴求有無・詳細別アイテムの変遷
2021年から2025年にかけて「食感訴求あり」商品のシェアは急拡大し、アイテム数・購入金額ともに市場の7割以上を占める主流へとシフトしました。ランキング上位の顔ぶれも「食感訴求なし」から「食感訴求あり(特に固め食感)」へと大きく塗り替わっています。
●今後の展望と課題
「食感訴求あり」商品がグミ市場の拡大に寄与していることがわかりました。今後は市場をけん引する「固め食感」の継続的な購入維持に加え、シニア層などに潜在ニーズが見込まれる「やわらかめ食感」の市場拡大や、新たな食感訴求アイテムが上位ランキングへどのように食い込んでくるかが市場のさらなる成長に向けた注目ポイントとなります。
著者の紹介
株式会社マクロミル アカウントセールス本部 セールス2部 2ユニット
谷上 菜々子
購買履歴データ「QPR」の営業として配属後、カスタマーサクセスグループへ異動。年間契約企業様へのQPR利活用促進業務に加え、データ集計業務を担当する。購買データを軸に幅広い業務領域に従事する。
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