アンケートを活かすには、データ収集・分析を適切な方法で実施する必要があります。アンケートデータの収集・分析方法は複数あるため、それぞれの特徴を把握しておくことが重要です。
本記事では、アンケートデータを集計・分析する際のポイントについて解説します。また、アンケートデータを扱う場合の注意点も解説するため、参考にしてください。
- アンケートの調査データとは
- アンケートの実施とデータ分析の手順
- アンケートデータ取得のための調査手法
- アンケートのデータ化方法
- アンケートの主なデータ集計方法
- アンケートの主なデータ分析方法
- アンケートのデータ分析時の注意点
- オンラインアンケートの選び方
- 高精度なアンケートデータの収集は外部サービスを利用しよう
- まとめ
アンケートの調査データとは
まずは、アンケートの調査データとはなにか、その重要性について解説します。
アンケートの調査データ
アンケート調査とは、調査対象の意見や行動を把握するため、いろいろな調査方法で様式化した質問により回答を求め、データを集める調査方法です。
特定のテーマや問題など、回答を求めなければ得られない情報やデータを得るために用いられます。
アンケート分析の重要性
アンケート調査は、計画の立案、実施、収集したデータの分析、分析結果の報告という順番で進めます。
アンケートで得られた結果を活かすためには、後半の工程である「集計」と「分析」を的確に実施する必要があります。
アンケートの実施とデータ分析の手順
ここからは、アンケートの実施とデータ分析の手順について見ていきましょう。
アンケートの目的と方法を決める
まずは「アンケートをする理由」「回答数」「調査結果の活用先」など、具体的な目的やゴールを設定しましょう。
目的によって、質問の内容や対象者の性別・年代・職業、調査方法などを決定します。
アンケートの作成と実施
アンケートを作成する際は、大項目から中項目へと流れを考えながら、調査項目へと落とし込むことが適切です。
アンケートが適切な内容となっているか確認するためにも、分岐図を用意しておくことをおすすめします。また、Webツールやアンケート用紙など、対象者や目標回答数に合わせた調査方法を採用することも大切です。
アンケート集計と分析
アンケート回収後は、集計作業を行います。
全体図の把握を「単純集計」で行い、属性ごとの傾向といった詳細な分析は「クロス集計」が適しています。
アンケートデータ取得のための調査手法
アンケートデータの調査手法は、大きく分けて「定量調査」と「定性調査」の2種類があります。
ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。
定量調査
定量調査とは、データや数値に基づく情報を収集するための調査方法です。
「はい」と答えた人は〇%というように情報を集計し、仮説の検証や実態・傾向の把握、効果測定の際に用いられます。
定量調査には、Webアンケート(インターネットリサーチ)や会場調査(CLT)、ホームユーステスト、郵送アンケートなどがあります。
定性調査
定性調査とは、意見や感情、思考などの「言葉」で把握する調査方法です。
顧客の本音や深層のニーズを引き出せるといった特徴があり、仮説の構築や原因の把握に適しています。
定性調査には、グループインタビュー(FGI)や行動調査(エスノグラフィー)、デプスインタビュー(DI)、訪問調査(ホームビジット)などがあります。
アンケートのデータ化方法
アンケートのデータ化の具体的な方法は、次のとおりです。
エクセル(Excel)
データを収集するうえで、エクセル(Excel)を活用することで、マトリクス表やクロス表を簡単に作成できます。また、関数を組む知識とスキルがあれば、さらに対応の幅は広がります。
エクセルの場合、低コストで手軽にデータ分析ができますが、大量データや専門的な分析には向いていない点に注意が必要です。
アンケート集計ソフト・統計解析ツール
アンケート集計ソフトや統計解析ツールを使用することで、専門的な知識がなくても、複雑な集計作業が簡単にできます。アンケートフォーム作成ツールを活用すれば、自動グラフ作成機能も備わっています。
基本的に費用や習得にコストがかかることが多いですが、QuickCrossなど、費用や習得のコストを抑えて使用できるツールの導入もおすすめです。
アンケートの主なデータ集計方法
アンケートの主なデータ集計方法は、単純集計とクロス集計があります。ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。
単純集計(GT集計)
質問ごとに、質問の回答数(n数)と各選択肢を選んだ人の回答比率(%)や平均値などを求めます。
内訳を一目で確認できるため、単純集計により全体感を把握するのに適しています。
クロス集計
単純集計で明らかになった値に対し、性別や年齢などの基本情報を掛け合わせて分析するための集計方法です。
他の情報と掛け合わせて細かく差異を確認できるといったメリットがあり、クロス集計を行う際は、グラフでの表現が推奨されます。
アンケートの主なデータ分析方法
アンケートデータを分析する方法は、次のとおりです。
クラスター分析
クラスター分析とは、データ全体を似た特徴や属性を持つグループ(クラスター)に分けて分類する方法です。
サンプル数やデータの内容により、さらに「階層クラスター分析」「非階層クラスター分析」と使い分けます。
自由記述式の回答や巨大データの解析に役立ち、アンケート回答者の背後にある隠れた傾向の発見に用いられます。
時系列分析
時系列分析とは、特定の減少や変数の時間的な推移など、時間の経過によるデータの変化を見る手法です。
発生タイミングによる要因の特定から改善、将来の予測などに活用できます。また、顧客満足度や季節要因、環境要因の特定、過去データの推移による販売数などの未来予測にも役立つといった特徴があります。
主成分分析
主成分分析とは、多数の変数がある多次元データを少ない主成分に縮約する方法です。
データの特徴やパターンをシンプルな形で把握できるため、サービスや製品イメージの分析、嗜好性の分析などに役立ちます。
決定木分析(ディシジョン・ツリー分析)
決定木分析とは、結果の原因となる説明変数かを明らかにし、どのような結果がもたらされるかを樹形図に整理する方法です。
特定の商品を購入した人の特徴を性別や年齢、ライフスタイルなどの属性で分類できるため、ターゲット像の把握に活用できます。
アンケートのデータ分析時の注意点
アンケートのデータ分析を行う際は、いくつかの注意点を把握しておくことが重要です。
アンケートデータの目的を明確化
分析前に目的を明確にし、何を解決したいのか、何のために行うのかを確認しましょう。
アンケートのデータ分析は複数の方法があるため、目的に合わせて使い分けることが重要です。
信頼性のあるデータづくり
統計的に信頼性のあるデータ分析が必要であり、回答数や代表性があるかなど、有効なデータなのかどうかを検証することが大切です。
棒グラフや折れ線グラフ、円グラフなど目的に応じて必要なグラフを使い分けて表現しましょう。
オンラインアンケートの選び方
現在は、消費者の意見調査は「オンライン」によるアンケートが主流となっています。ここでは、オンラインアンケートの選び方について解説します。
セルフ型アンケートツールの利用
まずは、セルフ型アンケートツールを利用する方法です。
セルフ型アンケートツールとは、Web上でセルフによるアンケートが行えるサービスで、アンケート設定を自社でするため、低いコストで調査できるといった特徴があります。
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リサーチャーサポート型アンケートの利用
次に、リサーチャーサポート型アンケートを利用する方法です。
リサーチャーサポート型のアンケートでは、豊富な経験に裏付けされ適した調査方法、ターゲット層などの要素を踏まえたアンケート代行や委託サービスができます。
また、データ解釈や活用方法までの高精度な分析結果のアウトプットが期待できることも魅力の1つです。
高精度なアンケートデータの収集は外部サービスを利用しよう
目的や内容によっては、セルフ型アンケートでのアンケート調査やデータ分析を行うことが困難なケースもあります。
精度の高いデータ分析を含めたアンケート調査を実施したい、集計や分析に多くのリソースを割けないなどの場合には、外部サービスの利用もおすすめです。
まとめ
アンケート調査を活かすためには、データ収集・分析を適切な方法で行う必要があります。
また、収集・分析方法は複数存在し、特に精度の高いデータ分析を行う際には、集計や分析に関する知識が必要であり、現在の業務に並行してリソースを割かなければなりません。
このようなケースで、自社でのアンケート調査やデータ分析が困難な場合には、外部サービスの利用を検討してみましょう。
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