顧客満足度アンケートは、サービスや商品に対する顧客の感想や意見を収集するためのアンケートです。この記事では、企業のマーケティング担当者に向けて、顧客満足度アンケートの実施目的や実施方法、注意点などを解説します。顧客満足度アンケートの実施を検討する際は、ぜひ参考にしてください。
目次
顧客満足度アンケートとは何か
顧客満足度アンケートとは、顧客満足度を測定するためのアンケート調査のことです。顧客満足度とは、顧客がどれだけ満足しているかを表す指標です。顧客満足度アンケートによって、企業は顧客のニーズを理解し、サービスや商品を改善できます。
顧客満足度アンケートを実施する目的とは
顧客満足度アンケートの目的を理解した上で、アンケートを実施することが大切です。ここでは、主な目的について解説します。
サービス・商品の品質を確認する
顧客満足度アンケートによって、現状の問題の有無を確認できます。アンケート結果から問題を特定し、速やかに対応することも可能です。定期的に同じ内容のアンケートを実施し、問題が発生していないことをモニタリングする場合もあります。
問題解決に活用する
顧客満足度アンケートは、企業の課題やサービスの改善点を明らかにするためにも活用できます。アンケート結果は、特定の仮説検証や調査に役立ち、問題解決のヒントとなる新たな示唆を提供します。
顧客満足度アンケートに使われる設問の例
アンケートの設問形式を理解することは、効果的なアンケート実施につながります。ここでは、主要な設問例について解説します。
サービス・商品の認知経路
サービスや商品の認知経路を調査する設問と選択肢の例を、以下に記載します。
- 設問
- あなたが○○を知ったきっかけを次の中から選んでください。
- 選択肢
- SNS
- テレビ
- ラジオ
- 雑誌
- チラシ
- 店頭
回答者の属性
顧客の基本的な属性を確認するための設問例は、以下の通りです。
- 設問
- あなたが住んでいる都道府県を教えてください。
- あなたの職業を次の中から選んでください。
- あなたの家族構成を次の中から選んでください。
サービス・商品の購入理由
購入理由を問うための設問と選択肢の例を、以下に記載します。
- 設問
- あなたが○○を購入した理由を次の中から選んでください。
- 選択肢
- 流行っているから
- 価格が手頃だと感じたから
- 広告やCMで興味を持ったから
サービス・商品の満足度
サービスや商品に対する、顧客の満足度を調査するための設問と選択肢の例は、以下の通りです。
- 設問
- ○○を利用した際、どの程度満足したかを次の中から選んでください。
- 選択肢
- 非常に満足
- 少し満足
- 普通
- 少し不満
- 非常に不満
満足度評価の理由
顧客の満足度評価の理由を問う設問例は、以下の通りです。
- 設問
- あなたが前の設問でつけた評価の理由を教えてください。
- 前の設問でつけた評価について、具体的な理由や経験を教えてください。
サービス・商品に関する要望と意見
サービスや商品に関する要望や意見を収集するための設問例を、以下に記載します。
- 設問
- ○○についてのご意見・ご要望がありましたら、自由にご記入ください。
- ○○について、あなたの具体的なアイデアや提案をお聞かせください。
将来的なリピートの有無
顧客がリピートする可能性を調査する設問と選択肢の例は、以下の通りです。
- 設問
- 今後の○○の利用予定について教えてください。
- 選択肢
- 利用する
- きっかけがあれば利用したい
- どちらともいえない
- あまり利用したくない
- 利用しない
顧客満足度を調査する主な方法4つ
顧客満足度を調査する場合、主に以下の手段が挙げられます。
- 自社で調査する
- リサーチ会社に調査を依頼する
- 外部機関の調査を活用する
ここでは、自社で調査するための4つの方法について解説します。
インターネットで実施する
顧客満足度の調査は、インターネットで実施可能です。顧客はWeb上で簡単に回答でき、コストも低く抑えられることがメリットです。一方、難解なテーマや記述形式の設問の場合、回答を得にくいというデメリットもあります。
対面で対象者にインタビューする
顧客満足度の調査方法として、対面での顧客インタビューも挙げられます。顧客1名あたりの労力は多くなりますが、回答の回収率が高く、複雑なテーマでも情報を得やすい傾向があります。
電話をかけてインタビューする
電話によるインタビューも、顧客満足度を調査する有効な方法です。インターネットや紙面上では表現しづらい意見を、集めやすいという特徴があります。一方、音声のみのコミュニケーションであるため、双方の意図が伝わりにくい点が懸念されます。
郵送で実施する
紙のアンケートを郵送して、顧客満足度の調査を実施することも可能です。インターネット利用率が低いシニア層に対して有効な手段です。顧客が自分のペースで回答できるというメリットも挙げられます。
顧客満足度アンケートを実施する手順
顧客満足度アンケートの実施時、一般的な手順を参考にすることは有益です。ここでは、アンケート実施手順について解説します。
アンケートの目的や対象者を決める
アンケートの設問を検討する前に、以下のようなアンケートの概要を決めましょう。
- 調査目的
- 調査対象者
- 実施方法
アンケートの概要の決定は、次のステップである設問の検討に役立ちます。
設問を決める
アンケートの概要に応じて、適切な設問を作成しましょう。設問内容は、仮説を立てながら検討することが推奨されます。例えば、リピート率が低い理由として「不十分な顧客サポート」「高すぎる価格設定」など、仮説から設問を導きます。
アンケートを取る
設問決定後、顧客へのアンケートを開始します。回答率を高めるためには、顧客に手間がかからない工夫が重要です。明確な設問や、回答しやすいデザイン・レイアウトなどを心がけましょう。
アンケート結果を分析する
アンケート結果を回収した後は、分析を実施しましょう。当初設定したアンケートの目的に応じて、適切な分析方法を選択します。アンケート結果を集計・データ化することで、問題の特定や課題解決につながります。
アンケートの集計・分析方法とは
アンケート結果は、さまざまな方法で分析が可能です。ここでは、主な集計・分析方法について解説します。
単純集計
単純集計は、各選択肢の割合や回答の平均値などを算出して分析する方法です。数値化できる回答形式であれば、単純集計が可能です。アンケート全体の傾向を確認する際に有効な方法です。
クロス集計
クロス集計は、複数の設問の回答を組み合わせて集計する分析方法です。設問の組み合わせ方によって、さまざまな視点でアンケート結果を検証できます。単純集計よりも深く調査できる分析方法です。
ポートフォリオ分析
ポートフォリオ分析は、満足度と重要度を可視化して、重点的に取り組むべき課題を選定する方法です。総合的な満足度と設問別の満足度の相関を調査することで、課題解決の優先順位の決定に役立ちます。
アンケートの実施における注意点
アンケートを実施する際、いくつかの気をつけるべきポイントがあります。ここでは、主な注意点について解説します。
回答者の負担が少ない回答方式にする
回答者の負担が少ない設問を心がけることが大切です。選択式の設問を中心に構成し、記述式の場合は回答任意にするなど、回答者の手間を減らすように工夫しましょう。設問数が多くなりすぎないようにコントロールすることも重要です。
個人情報の取り扱いについて明示する
個人情報の取り扱いに関して明示することも重要です。安心感をもって、アンケートに回答してもらうためだけではありません。個人情報保護に関する法律に基づいて、アンケートを実施することが求められています。
まとめ
顧客満足度アンケートは、顧客のニーズや不満を理解し、サービスや商品を改善することに有益な手段です。目的に応じたアンケート設計と、回答結果の適切な分析によって、顧客満足度アンケートの効果を高めることが可能です。
マクロミルは、データ利活用支援とマーケティング施策支援を一気通貫で提供する、総合マーケティング支援企業です。マーケティングリサーチとデジタルマーケティングリサーチを中心に、多様な社会・消費者ニーズを分析し、消費者インサイトを提供しています。顧客満足度アンケートの実施をご検討の際は、ぜひお問い合わせください。
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