
市場調査コンサルティングは、自社の事業戦略やマーケティング施策を高い精度で進めるために重要な手段です。外部の専門企業に依頼することで、豊富なデータや専門知識を活用し、短期間で必要な情報を効率的に整理できます。この記事では、市場調査コンサルティングの方法や実施ステップ、外部に依頼するメリット、費用相場などを解説します。
- 市場調査とコンサルティングの関係
- 市場調査コンサルティングにおける分析手法
- 市場調査コンサルティングを外部に依頼するメリット
- 市場調査コンサルティング企業の種類と費用相場
- 自社に合った市場調査コンサルティング企業の選び方
- 実績ある市場調査コンサルティング企業3選
- まとめ
市場調査とコンサルティングの関係
コンサルティング業界には、ITや戦略、医療といった幅広い分野があり、最近では特定の業種に特化して専門的な支援を行う企業も増えています。そのため、事業の成長を見据えて、コンサルティング企業と連携する企業も少なくありません。
コンサルティング企業への依頼には、市場の状況や顧客ニーズをつかむための市場調査が欠かせません。競合との差別化を進めたい場合は、情報収集の精度や提案力に強みのあるコンサルティング企業を選びましょう。
市場調査コンサルティングにおける分析手法
市場調査コンサルティングにおける分析手法は、PEST分析や商流分析などさまざまです。ここでは、4つの方法について解説します。
PEST分析
PEST分析は、市場を取り巻く「政治・経済・社会・技術」の外部環境が、現在や将来にどのような影響を与えるかを把握するための分析方法です。市場の大枠となるマクロ環境を押さえないと、その後の詳細な調査の前提が崩れる可能性があります。PEST分析の手順は、以下の通りです。
- 情報収集をする
- 情報を「事実」と「解釈」に分類する
- 事実を「機会」と「脅威」に分類する
商流分析
商流分析は、商品やサービスの所有権がどのように移転するかを明らかにするための分析方法です。商流とは、商品やサービスの所有権がどのように移るかを示す取引の流れで、物の移動を扱う物流と区別されます。業界ごとに流れや商習慣は異なるため、ビジネスの仕組みを理解するには可視化が欠かせません。商流分析を進める際は、以下の手順を踏みます。
- 対象業界について、上流から下流までの一般的な商流を把握する(製造業であれば、仕入れから販売、アフターサービスまで)
- 各商流の段階で関与する主要なプレイヤーを整理する
市場構造分析
市場構造分析は、PEST分析より深いレベルで、市場の現状や将来像を把握することを目的とした分析方法です。市場構造を見る際には、該当業界を次の5つの観点から分析するフレームワークであるM.E.ポーター氏の「5つの競争要因」を用います。
- 新規参入業者分析:「参入障壁の有無」「既存業者の反撃」に着目する
- 現在の競争業者分析:競争業者の「強み・弱み」「将来の方向性」に着目する
- 代替品分析:代替品に対して「どのように対応できるか」に着目する
- 供給業者分析:「供給側と市場のプレイヤーのどちらが優位に立っているか」に着目する
- 買い手分析:「買い手と市場のプレイヤーのどちらが優勢か」に着目する
市場規模・成長率分析
市場規模・成長率分析は、市場の規模や成長の速度を定量的に把握し、自社の参入余地を判断するための分析方法で、セミマクロ分析にあたります。既存データがない場合は、自社で算出しなければなりません。自社で市場規模を算出する場合はロジックツリーを用いますが、難易度が高いため、コンサルティング企業に依頼するケースがほとんどです。
市場調査コンサルティングを外部に依頼するメリット
市場調査コンサルティングを外部に依頼する場合に得られるメリットは、主に3つあります。ここでは、各メリットについて解説します。
短時間で情報をまとめられる
市場調査コンサルティング企業に依頼すると、調査力とスピードを生かして必要な情報を効率的に入手できます。社内で行うよりも短時間で正確な情報を整理できるため、報告やプレゼンテーションの準備に集中できるでしょう。
専門性の高い情報を収集できる
専門性の高い情報を収集できる点も、市場調査コンサルティングを外部の企業に依頼するメリットです。特定地域の商習慣、顧客の購買心理、最新技術の活用動向など、市場調査に必要な幅広い情報を把握するには、専門的なスキルやノウハウが欠かせません。
コンサルティング企業は豊富な人脈や情報ネットワークを持っているため、通常では入手が難しい情報も効率よく収集できます。
第三者視点のヒントを得られる
市場調査コンサルティング企業に依頼すると、第三者視点のヒントを獲得可能です。長年、同じ業界や会社にいると、考えや行動が染みつき、新たな発想が困難になります。外部のコンサルティング企業に依頼することで、客観的な分析や新たな視点を取り入れられます。
特に、マーケティング戦略の刷新や新規事業の立ち上げなど、重要な判断を下す場面では、第三者視点が欠かせません。
市場調査コンサルティング企業の種類と費用相場
市場調査コンサルティング企業は、マーケティングコンサルティング企業とデータベース企業の主に2つに分けられます。以下で、2つの企業の費用相場を解説します。
マーケティングコンサルティング企業
マーケティング支援の一環として、マーケティングコンサルティング企業が市場調査を担当するケースがあります。現状把握だけでなく調査結果を踏まえたマーケティング施策まで提案してもらえる点がメリットです。一方で、多くの企業がアンケートモニターを保有していないため、アンケート調査では追加費用が発生しやすい点はデメリットといえます。
費用の目安としては、デスクトップリサーチが50万円〜200万円程度、アンケートリサーチは定量調査で50万円から、定性調査で80万円からです。
データベース企業
市場調査のデータベースを自社で保有し、調査結果を販売している企業も存在します。データベース企業に市場調査を依頼するメリットとして、購入後すぐに必要なデータを入手できる点が挙げられます。扱われているデータは精度が高く、専門企業でなければ調査が難しい領域についても情報を得られる点もメリットのひとつです。
一方でデメリットとして、自社の課題に合う市場データが見つからないケースが多い点が挙げられます。提供される調査内容は粒度が大きく、スモールビジネスには活用しにくい傾向もあります。なお、費用の目安としては、各種市場データが100万円〜300万円程度です。
自社に合った市場調査コンサルティング企業の選び方
自社に合った市場調査コンサルティング企業を選ぶ際に確認するべき、3つのポイントを解説します。
自社の分野・事業に対応しているか
市場調査コンサルティング企業には、それぞれ強みとする業界領域やビジネスモデルがあります。たとえば、BtoB向けなのか、消費者向けのBtoCなのか、あるいはD2Cのような直販モデルなのかにより、求められる調査方法やアプローチは大きく変わります。
そのため、自社の業界特性やビジネス形態に対応でき、過去に豊富な支援実績を持つ企業を選ぶことが大切です。
提案力はあるか
市場調査コンサルティング企業に依頼した際によく起きる失敗として、「調査してみたが、結局わかりきった事実しか得られなかった」というケースがあります。たとえば、「市場の80%が女性で、20代が60%を占める」といった数字を並べただけでは、新しい事業づくりや具体的な戦略に結びつきません。
得られたデータを踏まえて、どのような洞察が導けるのか、どのようなマーケティング施策につなげるべきかを提示してくれるかどうかが重要です。
予算とのバランスはどうか
市場調査コンサルティング企業にかかる費用は、調査の範囲や手法によって幅があり、数十万円程度で済む場合もあれば、内容によっては数百万円に達することもあります。
そのため、依頼前に見積もりを取り、どのようなサービスが含まれていて、価格が適切かどうかの確認が欠かせません。自社の予算に合い、効果的な調査を実施できるコンサル企業を選べば、余計な支出を抑えつつ、期待した成果を得やすくなります。
実績ある市場調査コンサルティング企業3選
市場調査コンサルティング企業を選ぶ際には、実績の確認が必要です。ここでは、実績ある市場調査コンサルティング企業を3つ紹介します。
株式会社マクロミル
株式会社マクロミルは、デジタルマーケティングの領域でも幅広いサービスを展開するマーケティングリサーチ会社です。リサーチ分野では、オンライン調査を中心に、デジタル手法から海外調査、オフラインの調査まで多様な手法を扱い、年間で3万件を超えるプロジェクトを手がけています。
国内では約3,600万人、海外では1億3,000万人以上のパネルを保有しており、90か国を超える地域で4,000以上の企業・広告代理店にサービスを提供しています。
株式会社Venture Ocean
株式会社Venture Oceanは、消費者向けビジネスの新規事業開発やマーケティング領域に強みを持つコンサルティング企業です。在籍するメンバーは事業会社でのマーケティング経験者が中心で、調査の実施だけでなく、実務に直結する施策まで踏み込んで提案できる点が特徴です。
株式会社矢野経済研究所
矢野経済研究所は、1958年に設立された総合的な調査・コンサルティング機関で、さまざまな産業分野における市場調査と企業支援サービスを提供しています。上場企業を中心に積んできた豊富な市場調査の実績を生かし、一般企業や地方自治体向けにもコンサルティングサービスを提供している点が特徴です。
まとめ
市場調査コンサルティングを活用することで、自社の市場環境や顧客ニーズを正確に把握し、戦略的な意思決定に生かせます。外部に依頼するメリットとして、短期間での情報収集や専門性の高いデータ入手、第三者視点の示唆が得られる点が挙げられます。
依頼先は、自社の業界やビジネスモデルに対応できるか、提案力や費用とのバランスを事前に確認し、実績のある企業を選ぶことが成功のポイントです。
株式会社マクロミルは、マーケティングリサーチを軸に社会や消費者の動向を分析し、クライアントに正確な消費者インサイトを提供する企業です。保有データと顧客データを組み合わせた「データ利活用支援」や、広告配信・CRMなどの「マーケティング施策支援」を一貫して提供し、調査から施策まで総合的にサポートしています。
