「ギュられる」と聞くと、まず“ぎゅーっと抱きしめられる”イメージが浮かびがちです。
でも、最近ネットで使われている「ギュられる」は、その意味とはかなり違います。
結論から言うと、今流通している「ギュられる」は、
- シンギュラリティ(AIの進化)で“仕事や役割をAIに奪われる/押し流される”こと
- あるいは、そこから来る 「いよいよ来た」感・不安・自嘲 を含んだネットスラング
として使われるケースが目立ちます。
この記事では、この「ギュられる」を、流行語としての“使われ方”込みで、分かりやすく整理します。
- ギュられるとは?意味を一言で
- 語源・元ネタは?なぜ「ギュ」なのか
- 前提:ここで言う「シンギュラリティ」って何?
- どんな場面で使う?「ギュられる」の典型シーン
- 使い方:例文を“空気込み”で
- 似た言い回しとの違い
- 注意点:使う相手と場所を選ぶ
- なぜ流行る?「ギュられる」が刺さる構造
- まとめ:「ギュられる」は“シンギュラリティ不安”を丸めて共有する言葉
ギュられるとは?意味を一言で
「ギュられる」は、主に次のニュアンスで使われます。
意味
- AIの進化(シンギュラリティ的な文脈)によって、仕事・職能・価値が代替される/奪われること
- そこから派生して、「自分の居場所が圧縮される」「時代に踏みつぶされる」みたいな感情を、少し笑いに変えて言う表現
「怖い」「不安」だけじゃなく、ネット特有の“乾いたノリ”で使われやすいのが特徴です。
語源・元ネタは?なぜ「ギュ」なのか
この言葉が面白いのは、「シンギュラリティ」の“シンギュ”が縮んで「ギュ」になっているところです。
- シンギュラリティ
- →(略)シンギュ
- →(さらに略して)ギュ
- →(受け身にして)ギュられる
同じ文脈で「シンギュラれる」とも言う、という説明も出回っています。
また、「ギュ後(シンギュラリティ到来後)」などの派生語に触れている“用語集”系のまとめもあります。
(※こうした用法は、特定コミュニティ由来の言い回しが混ざっているので、“一般常識”というより「ネットの局地的言語」寄りです。)
前提:ここで言う「シンギュラリティ」って何?
「ギュられる」が成立するために、前提としての“シンギュラリティ”を雑に共有しておきます。
一般にシンギュラリティ(技術的特異点)は、
AIなどが人間の知能を上回り、社会が大きく変わる転換点として語られる概念です。
もちろん「いつ来る/来ない」「何が起きる」は議論が分かれますが、ネット上ではこの概念がしばしば、
- AIが人間の仕事を置き換える
- 生活や労働の前提が変わる
- 人間が相対的に“弱くなる”
みたいな不安や冗談の燃料になります。そこに乗っているのが「ギュられる」です。
どんな場面で使う?「ギュられる」の典型シーン
この言葉が出るのは、だいたい次のような瞬間です。
1) AIのデモやニュースを見たとき
- 「これ、もう自分の作業いらなくない?」
- 「文章も画像もコードもいけるの…ギュられる」
“技術すげえ”と“自分やばい”が同時に来るときに刺さります。
2) 職場で自動化の話が進んだとき
- 「来期からAI導入で業務フロー変わるらしい」
- 「うちのチーム、ギュられそう」
人員削減そのものを断言するより、少し距離を取って言えるのがこの言葉の便利さです。
3) 自分の職能が「テンプレ化」したと感じたとき
- 「結局この作業、プロンプトで済むんだ…」
- 「ギュられたわ(自嘲)」
“奪われた”と断言するより、少し丸めた言い方として使われます。
使い方:例文を“空気込み”で
SNSでよくある形
- 「生成AIの進化えぐい。ギュられる」
- 「この領域ももう時間の問題でギュられそう」
- 「ギュられたくないから勉強する(でも怖い)」
会話だとこう
A「最近、AIで提案書作れるらしいよ」
B「それはギュられるな…(営業資料作ってる人、きつい)」
A「この作業、ほぼ自動化できそう」
B「静かにギュられてるやつだ」
ポイントは、「笑い」と「不安」の混在です。深刻すぎないけど、冗談だけでもない。
似た言い回しとの違い
「AIに仕事奪われる」より軽い
「奪われる」は直球で、相手を選びます。
「ギュられる」は、もう少し“ネット的な距離”がある言い方です。
「自動化される」より感情が入る
「自動化される」は事実寄り。
「ギュられる」は、そこに 焦り・不安・無力感 が混ざります。
「シンギュる/シンギュラれる」との関係
「シンギュラれる」も同系統の表現として語られます。
より元ネタが透けるのが「シンギュラれる」、より雑に感情だけを置けるのが「ギュられる」、みたいな使い分けが起きがちです。
注意点:使う相手と場所を選ぶ
1) 会社・面談・営業資料では基本使わない
社内の雑談ならまだしも、
上司・顧客・採用面接で「ギュられる」は伝わらない確率が高いです。
言い換えるなら:
- 「自動化の影響を受ける」
- 「業務が置き換わる可能性がある」
- 「職能の再設計が必要」
みたいに、意味を普通の日本語へ。
2) 当人が不安なときに冗談として使ってはいけない
「ギュられる」はネットスラング特有の冗談のようなニュアンスがあるので、
本気で不安な人に投げると「笑えないんだけど」となりがちです。
なぜ流行る?「ギュられる」が刺さる構造
この言葉が広がりやすい理由は、だいたい3つあります。
① “大きすぎる不安”を、短い音で持ち運べる
「技術進化」「雇用」「格差」みたいな重い話を、
2文字で言えてしまうのが強い。
② “言い切らない”から共有できる
「AIに奪われる」と断言すると議論になる。
「ギュられる」だと、気分や予感として留保できる。
「怒られが発生」みたいな受動態の使い方とも近いですね。
現象と当事者を切り離し、ゲームのイベントのように客体化することで、冷静かつ乾いたノリで表現できます。
③ ネットのノリに合う
略語+受け身+自嘲。
雑談にも投稿にも載せやすい形です。
まとめ:「ギュられる」は“シンギュラリティ不安”を丸めて共有する言葉
「ギュられる」は、ハグの話ではなく、
- シンギュラリティ/AIの進化によって
- 仕事や役割が代替されそう、押し流されそう
- その不安や自嘲を、短く雑に共有する
この記事では、そんな文脈で使われる流行り言葉を紹介しました。