「申し込みフォーム、もう少しわかりやすくならないかな」
「なぜか最後で離脱されている…」
「デザインを変えたけど、効果が出ない」──
そう悩んでいるマーケターやWeb担当者は、非常に多いのではないでしょうか。
広告を打ち、LPを作り、集客施策を重ねてようやく辿り着いた“申し込み”というゴール地点。
しかし、そこで突然ボトルネックになるのが「申し込みフォーム」です。
- 項目が多すぎて離脱される
- UXが悪くてイライラさせてしまう
- 言葉遣いが堅すぎて“売り込まれている感”が出る
- スマホから見づらく(スマホ用のUIに対応していない)完了率が下がる
このような状態では、どれだけ広告単価を最適化しても、最後の最後でCV(コンバージョン)を取りこぼすことになります。
この記事では、申し込みフォームをマーケティング視点で見直し、「売上につながるフォーム」「ブランド信頼を高めるフォーム」に進化させるための考え方・設計術・改善手法を、解説します。
- なぜ、申し込みフォームが成果を左右するのか?
- 申し込みフォーム設計の基本原則:誰でもやりがちな“落とし穴”を防ぐ
- 申し込みフォームのUI/UX設計:CV率を上げる“見た目と動き”の最適解
- 申し込みフォームは“営業マンの代替”である
- 申し込みフォーム改善のABテスト設計:成果が出る3大ポイント
- 申し込みフォームは“ブランド体験”の延長である
- まとめ:申し込みフォームは、CVの最後の一押しではなく“最後の信頼確認”である
なぜ、申し込みフォームが成果を左右するのか?

フォームは“心理的ハードル”が最も高まる場所
申し込みフォームは、いわば「行動の直前」です。
つまり、ユーザーが最も慎重になり、警戒し、迷いやすいポイントです。
「本当に申し込んで大丈夫か?」
「後から営業電話が来ないか?」
「こんなに情報を渡す必要ある?」
「やっぱり今じゃなくていいかも…」
こうした心理的ブレーキをどう外すかが、フォーム設計の目的です。
▶ 単なる“入力画面”ではなく、CVを決める最後の営業ステップと捉え直す必要があります。
「申し込みフォーム改善」が、最もROIが高い施策になる理由
- 広告単価を抑えるには、相当な分析と交渉が必要
- LPを改善するには、クリエイティブ/構成/ABテストで多くの労力が必要
でも、フォームの完了率を高めるには、入力項目の削減とCTA文の変更だけで起こることもある
つまり、申し込みフォームは「最小のコストで最大のインパクト」を出せる改善対象なのです。
フォームのUXは“ブランド評価”そのもの
- スマホで開いたら横スクロールが必要だった
- カタカナ表記と漢字表記が混在していて分かりづらい
- 項目が多すぎてうんざりした
- 「送信しました」画面が味気なくて不安になった
たった1回の申し込み体験で、そのブランドに対する信頼が大きく上下する。
それが申し込みフォームです。
▶ フォームは、“商品の一部”であり、“体験の最後の出口”なのです。
申し込みフォーム設計の基本原則:誰でもやりがちな“落とし穴”を防ぐ
項目数は「少なければ少ないほど良い」が基本
「将来使うかもしれないから」
「営業が知りたがっているから」──
その気持ちはわかりますが、ユーザーの気持ちはこうです:
「この会社、なんでそんなに知りたがるの?」
「住所まで今、必要?」
「根掘り葉掘り聞いてくるのが怖い」
マーケティングフォームにおいては、“最小限の情報”で信頼関係を構築することが重要です。
- 名前(名字だけで十分な場合も)
- メールアドレス
- 興味のあるサービス(チェックボックス)
- 自由記述(任意)
▶ フォームは“取得したい項目”からではなく、“離脱されずに入力できる構造”から逆算して設計するべきです。
CTA(送信ボタン)の文言が“空気を決める”
| ✕ | 「送信」→ 機械的 |
| ◯ | 「無料で相談を申し込む」 |
| ◯ | 「この内容で登録してみる」 |
| ◯ | 「話だけでも聞いてみる(無料)」 |
▶ 「ボタンを押したくなる言葉」は、次の一歩への背中のひと押しです。
実はここに、コピーライティングの技術が最も活きる場所があります。
フォームの“デザイン統一感”が信頼を左右する
- LPやサービスページとフォントが異なる
- 突然デザインが安っぽくなる(Googleフォーム埋め込みなど)
- フォームだけ色味が違う
このような違和感は、無意識にユーザーの“信用ライン”を下げます。
▶ フォームは“Webページの続き”として自然に存在するべきです。
申し込みフォームのUI/UX設計:CV率を上げる“見た目と動き”の最適解
スマホファーストで設計するのが絶対条件
現在、Web経由で申し込みを行うユーザーの6割以上はスマートフォン経由と言われています。
にもかかわらず、PC前提で作られたフォームは今も少なくありません。
- フォームが画面外にはみ出す
- 選択肢が小さすぎてタップしづらい
- 文字入力欄が詰まっていて読みにくい
これでは、申し込みたい気持ちが“離脱”に変わってしまいます。
▶ すべてのフォーム設計は、スマホで完結できることが前提であるべきです。
“一問一画面”で離脱を防ぐステップUI設計
複数の設問がずらっと並んだフォームは、視覚的に「大変そう」と感じさせてしまいます。
“1画面1設問”形式で構成すると…
- 情報量が分割されて、負担が軽く感じる
- ステップ感が生まれて“進んでいる実感”が出る
- 最後まで回答したくなる“完了欲求”が刺激される
▶ フォームは「入力作業」ではなく、「1ステップずつ踏む体験」として設計することで、完了率は格段に上がります。
選択肢設計は「思考停止で選べる」が理想
- 選択肢が曖昧(例:やや良い/普通/やや悪い)
- 用語が専門的でわからない
- 選ぶ基準が個人に委ねられている
これでは、“正しく選ぶ”のではなく、“適当に済ませる”行動につながります。
▶ 選択肢は「迷わせずに、気持ちよく選ばせる」が正解です。
申し込みフォームは“営業マンの代替”である
申し込み時点で“心理的障壁”を超えてもらう設計
リアル営業で言えば、申し込みフォームは「最後のクロージングトーク」です。
- 「最後にもう一度、何に価値があるのか」
- 「費用はかからない」「キャンセル自由」などの不安払拭
- 「あなたに合わせた対応が可能」というカスタマイズ可能性の提示
▶ 申し込みフォームは、「押すための説得」ではなく、「踏み出しやすくする安心設計」が求められます。
記入項目そのものが“ヒアリング”になっているか
申し込みフォームは、“社内にデータを持ち帰る唯一の窓口”でもあります。
- サービスのどこに興味を持ったか?
- なぜ今、資料請求したいと思ったか?
- どの導入課題を想定しているか?
こうした項目を回答してもらうことで、営業・CSチームの初回対応の質が変わります。
▶ “質問の意図”を明確にして、「入力=コミュニケーション」となる設計が理想です。
申し込みフォーム改善のABテスト設計:成果が出る3大ポイント
1. 入力項目数の削減
最も効果が出やすい改善施策です。
「住所・電話番号・部署名」など、今すぐに必要のない項目はすべてカットしましょう。
▶ テスト例:フル項目 vs 最小3項目 → 申し込み完了率アップにつながる
2. CTAボタン(送信・完了などの)文言の差し替え
- 「送信」
- 「無料で登録する」
- 「話だけでも聞いてみる」
ハードルが低く感じる
▶ テスト例:「送信」vs「資料をダウンロードする」→ CV率UP
3. 完了画面の設計改善
申し込み後、ユーザーが「本当に完了したのか」「何が起こるのか」がわからないと、逆に不安を残す体験になります。
改善案:
- 完了メッセージのトーンを“温かく”
- 営業対応の目安時間を記載(例:「1営業日以内にご連絡します」)
- 次のアクション(例:事例集を見る/担当者紹介ページへ)
▶ フォーム完了は、関係が始まる“ファーストリアクション”でもあります。
申し込みフォームは“ブランド体験”の延長である
入力中の体験が、ブランドそのものになる
ユーザーにとって、申し込みフォームは
「企業と初めて深く関わる場所」
「ブランドがこちらの情報をどう扱うかを測る場所」
「安心・信頼・納得」を感じられるかどうかの“テスト”です
たとえば:
- フォームが雑で分かりづらい → 「この会社、運用も雑そう」
- フォームの言葉がやさしく丁寧 → 「ここなら信頼できそう」
▶ 小さなフォームが、大きなブランド印象を決めているのです。
フォームで“顧客理解されている”と感じさせると関係が始まる
- 使う言葉が“業界寄り”で理解しやすい
- 「自由記述」で“自分の状況”を安心して書ける
- 完了後のレスポンスが“丁寧”で“想像通り”
これらが揃うと、ユーザーは「私は、この会社にちゃんと扱われている」と感じ、その後のメール開封率・商談歩留まり・NPS®にも好影響が出てきます。
まとめ:申し込みフォームは、CVの最後の一押しではなく“最後の信頼確認”である
申し込みフォームは、単なる「情報の入力欄」ではなく、マーケティングの成果を決定づける最終接点です。
ユーザーが最も慎重になるこの場所において、項目数やCTAの言葉選び、デザインの一貫性といった「設計力」の見直しは、CV率に直結する重要な施策となります。
しかし、申し込み完了はゴールではなく、顧客との「関係の始まり」に過ぎません。大切なのは、「答えやすい」だけでなく、完了後の体験まで含めて「答えてよかった」とユーザーに思わせることです。
そうすることで、フォームは単なるデータ収集の場から、ブランドへの信頼を深める重要なステップへと進化します。
申し込みフォームには、その企業のマーケティングレベルが如実に表れます。「情報を書いてもらう」作業から、「顧客との良質な関係を始める」体験へ。今こそ設計の意識を変えていきましょう。
※NPS®、ネット・プロモーター・スコア® は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。
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著者の紹介
株式会社マクロミル 事業統括本部 リサーチプロダクト部セルフリサーチユニット長
徳田 瑞樹
2008年ブランドデータバンク株式会社入社、その後2010年にマクロミルに統合。BDBの営業、運用、サービス企画、オープン調査領域の営業、サービス企画を経て、現在のリサーチプロダクト部セルフリサーチユニットへ異動。マクロミルにおいて、セルフセグメント事業(Questant、ミルトーク、Interview Zeroなど)を担当する。