申し込みフォーム作成の極意。マーケティング成果を引き出す設計・設問・分析の考え方

公開日:2026/1/9(金)

「申し込みフォーム、もう少しわかりやすくならないかな」

「なぜか最後で離脱されている…」

「デザインを変えたけど、効果が出ない」──

そう悩んでいるマーケターやWeb担当者は、非常に多いのではないでしょうか。

広告を打ち、LPを作り、集客施策を重ねてようやく辿り着いた“申し込み”というゴール地点。

しかし、そこで突然ボトルネックになるのが「申し込みフォーム」です。

  • 項目が多すぎて離脱される
  • UXが悪くてイライラさせてしまう
  • 言葉遣いが堅すぎて“売り込まれている感”が出る
  • スマホから見づらく(スマホ用のUIに対応していない)完了率が下がる

このような状態では、どれだけ広告単価を最適化しても、最後の最後でCV(コンバージョン)を取りこぼすことになります。

この記事では、申し込みフォームをマーケティング視点で見直し、「売上につながるフォーム」「ブランド信頼を高めるフォーム」に進化させるための考え方・設計術・改善手法を、解説します。

監修

Macromill News 事務局

監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

なぜ、申し込みフォームが成果を左右するのか?

フォームは“心理的ハードル”が最も高まる場所

申し込みフォームは、いわば「行動の直前」です。

つまり、ユーザーが最も慎重になり、警戒し、迷いやすいポイントです。

「本当に申し込んで大丈夫か?」

「後から営業電話が来ないか?」

「こんなに情報を渡す必要ある?」

「やっぱり今じゃなくていいかも…」

こうした心理的ブレーキをどう外すかが、フォーム設計の目的です。

▶ 単なる“入力画面”ではなく、CVを決める最後の営業ステップと捉え直す必要があります。

「申し込みフォーム改善」が、最もROIが高い施策になる理由

  • 広告単価を抑えるには、相当な分析と交渉が必要
  • LPを改善するには、クリエイティブ/構成/ABテストで多くの労力が必要

でも、フォームの完了率を高めるには、入力項目の削減とCTA文の変更だけで起こることもある

つまり、申し込みフォームは「最小のコストで最大のインパクト」を出せる改善対象なのです。

フォームのUXは“ブランド評価”そのもの

  • スマホで開いたら横スクロールが必要だった
  • カタカナ表記と漢字表記が混在していて分かりづらい
  • 項目が多すぎてうんざりした
  • 「送信しました」画面が味気なくて不安になった

たった1回の申し込み体験で、そのブランドに対する信頼が大きく上下する。

それが申し込みフォームです。

▶ フォームは、“商品の一部”であり、“体験の最後の出口”なのです。

申し込みフォーム設計の基本原則:誰でもやりがちな“落とし穴”を防ぐ

項目数は「少なければ少ないほど良い」が基本

「将来使うかもしれないから」

「営業が知りたがっているから」──

その気持ちはわかりますが、ユーザーの気持ちはこうです:

「この会社、なんでそんなに知りたがるの?」

「住所まで今、必要?」

「根掘り葉掘り聞いてくるのが怖い」

マーケティングフォームにおいては、“最小限の情報”で信頼関係を構築することが重要です。

  • 名前(名字だけで十分な場合も)
  • メールアドレス
  • 興味のあるサービス(チェックボックス)
  • 自由記述(任意)

▶ フォームは“取得したい項目”からではなく、“離脱されずに入力できる構造”から逆算して設計するべきです。

CTA(送信ボタン)の文言が“空気を決める”

「送信」→ 機械的
「無料で相談を申し込む」
「この内容で登録してみる」
「話だけでも聞いてみる(無料)」

「ボタンを押したくなる言葉」は、次の一歩への背中のひと押しです。

実はここに、コピーライティングの技術が最も活きる場所があります。

フォームの“デザイン統一感”が信頼を左右する

  • LPやサービスページとフォントが異なる
  • 突然デザインが安っぽくなる(Googleフォーム埋め込みなど)
  • フォームだけ色味が違う

このような違和感は、無意識にユーザーの“信用ライン”を下げます。

フォームは“Webページの続き”として自然に存在するべきです。

申し込みフォームのUI/UX設計:CV率を上げる“見た目と動き”の最適解

スマホファーストで設計するのが絶対条件

現在、Web経由で申し込みを行うユーザーの6割以上はスマートフォン経由と言われています。

にもかかわらず、PC前提で作られたフォームは今も少なくありません。

  • フォームが画面外にはみ出す
  • 選択肢が小さすぎてタップしづらい
  • 文字入力欄が詰まっていて読みにくい

これでは、申し込みたい気持ちが“離脱”に変わってしまいます。

▶ すべてのフォーム設計は、スマホで完結できることが前提であるべきです。

“一問一画面”で離脱を防ぐステップUI設計

複数の設問がずらっと並んだフォームは、視覚的に「大変そう」と感じさせてしまいます。

“1画面1設問”形式で構成すると…

  • 情報量が分割されて、負担が軽く感じる
  • ステップ感が生まれて“進んでいる実感”が出る
  • 最後まで回答したくなる“完了欲求”が刺激される

▶ フォームは「入力作業」ではなく、「1ステップずつ踏む体験」として設計することで、完了率は格段に上がります。

選択肢設計は「思考停止で選べる」が理想

  • 選択肢が曖昧(例:やや良い/普通/やや悪い)
  • 用語が専門的でわからない
  • 選ぶ基準が個人に委ねられている

これでは、“正しく選ぶ”のではなく、“適当に済ませる”行動につながります。

選択肢は「迷わせずに、気持ちよく選ばせる」が正解です。

申し込みフォームは“営業マンの代替”である

申し込み時点で“心理的障壁”を超えてもらう設計

リアル営業で言えば、申し込みフォームは「最後のクロージングトーク」です。

  • 「最後にもう一度、何に価値があるのか」
  • 「費用はかからない」「キャンセル自由」などの不安払拭
  • 「あなたに合わせた対応が可能」というカスタマイズ可能性の提示

▶ 申し込みフォームは、「押すための説得」ではなく、「踏み出しやすくする安心設計」が求められます。

記入項目そのものが“ヒアリング”になっているか

申し込みフォームは、“社内にデータを持ち帰る唯一の窓口”でもあります。

  • サービスのどこに興味を持ったか?
  • なぜ今、資料請求したいと思ったか?
  • どの導入課題を想定しているか?

こうした項目を回答してもらうことで、営業・CSチームの初回対応の質が変わります。

“質問の意図”を明確にして、「入力=コミュニケーション」となる設計が理想です。

申し込みフォーム改善のABテスト設計:成果が出る3大ポイント

1. 入力項目数の削減

最も効果が出やすい改善施策です。

「住所・電話番号・部署名」など、今すぐに必要のない項目はすべてカットしましょう。

▶ テスト例:フル項目 vs 最小3項目 → 申し込み完了率アップにつながる

2. CTAボタン(送信・完了などの)文言の差し替え

  • 「送信」
  • 「無料で登録する」
  • 「話だけでも聞いてみる」

ハードルが低く感じる

▶ テスト例:「送信」vs「資料をダウンロードする」→ CV率UP

3. 完了画面の設計改善

申し込み後、ユーザーが「本当に完了したのか」「何が起こるのか」がわからないと、逆に不安を残す体験になります。

改善案:

  • 完了メッセージのトーンを“温かく”
  • 営業対応の目安時間を記載(例:「1営業日以内にご連絡します」)
  • 次のアクション(例:事例集を見る/担当者紹介ページへ)

フォーム完了は、関係が始まる“ファーストリアクション”でもあります。

申し込みフォームは“ブランド体験”の延長である

入力中の体験が、ブランドそのものになる

ユーザーにとって、申し込みフォームは

「企業と初めて深く関わる場所」

「ブランドがこちらの情報をどう扱うかを測る場所」

「安心・信頼・納得」を感じられるかどうかの“テスト”です

たとえば:

  • フォームが雑で分かりづらい → 「この会社、運用も雑そう」
  • フォームの言葉がやさしく丁寧 → 「ここなら信頼できそう」

▶ 小さなフォームが、大きなブランド印象を決めているのです。

フォームで“顧客理解されている”と感じさせると関係が始まる

  • 使う言葉が“業界寄り”で理解しやすい
  • 「自由記述」で“自分の状況”を安心して書ける
  • 完了後のレスポンスが“丁寧”で“想像通り”

これらが揃うと、ユーザーは「私は、この会社にちゃんと扱われている」と感じ、その後のメール開封率・商談歩留まり・NPS®にも好影響が出てきます。

まとめ:申し込みフォームは、CVの最後の一押しではなく“最後の信頼確認”である

申し込みフォームは、単なる「情報の入力欄」ではなく、マーケティングの成果を決定づける最終接点です。

ユーザーが最も慎重になるこの場所において、項目数やCTAの言葉選び、デザインの一貫性といった「設計力」の見直しは、CV率に直結する重要な施策となります。

しかし、申し込み完了はゴールではなく、顧客との「関係の始まり」に過ぎません。大切なのは、「答えやすい」だけでなく、完了後の体験まで含めて「答えてよかった」とユーザーに思わせることです。

そうすることで、フォームは単なるデータ収集の場から、ブランドへの信頼を深める重要なステップへと進化します。

申し込みフォームには、その企業のマーケティングレベルが如実に表れます。「情報を書いてもらう」作業から、「顧客との良質な関係を始める」体験へ。今こそ設計の意識を変えていきましょう。

※NPS®、ネット・プロモーター・スコア®  は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。

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著者の紹介

徳田 瑞樹

株式会社マクロミル 事業統括本部 リサーチプロダクト部セルフリサーチユニット長

徳田 瑞樹

2008年ブランドデータバンク株式会社入社、その後2010年にマクロミルに統合。BDBの営業、運用、サービス企画、オープン調査領域の営業、サービス企画を経て、現在のリサーチプロダクト部セルフリサーチユニットへ異動。マクロミルにおいて、セルフセグメント事業(Questant、ミルトーク、Interview Zeroなど)を担当する。

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