
どこまで近づいてOK?世界の『パーソナルスペース』事情を探る│『え、これって日本だけ?』~グローバルな視点で見えた”当たり前”の正体(5)
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公開日:2026/6/5(金)
日本人は満員電車のような超密着空間に耐える一方で、普段の生活ではお互いの手が届かない1メートル前後の距離を保とうとしますが、世界に目を向けてみると、必ずしもそれがスタンダードではありません。
本コラムでは、「『え、これって日本だけ?』~グローバルな視点で見えた”当たり前”の正体」と題し、日本と世界各地の生活習慣や、さまざまな「常識」の違いを考察していきます。海外市場におけるマーケティングやイノベーションのヒントが見つかるかもしれません。
今回のテーマは・・・【快適なパーソナルスペースはどのくらいか?】です。
「パーソナルスペース」とは、他人との心理的な快適さを保てる距離のこと。
逆に言えば、「これ以上近い距離に他人がずっといると、不快に思える距離」ということでもあります。
ぜひ最後までご覧ください。
【快適なパーソナルスペースはどのくらいか?】
【1】 1メートル前後

●アメリカ/イギリス/スウェーデン/オーストラリア/南アフリカなど。
広い土地に慣れているアメリカでは、狭い空間で他人と生活することに抵抗を感じる人が多い傾向があります。親しい間柄ではハグなどのスキンシップが一般的ですが、ビジネスの場では握手や軽い接触のタイミングに細心の注意が払われます。
イギリスでは、一般的に人との距離は1メートルほどを保つのが快適とされています。会話の際も近づきすぎず、肩や腕に触れることは親しい関係以外では控えられます。パブリックな場では、列や電車でも互いの空間を尊重する意識が高いと言えます。
オーストラリアでは、人と会話する際に心地よく感じる距離は、一般的に約0.5〜1.2メートルと言われています。背景には、「公平で対等な関係」を大切にする文化があり、プライバシーや個人の領域を尊重する意識が根づいています。
【2】 腕1本分程度 (約70〜80センチ)

●フランス/ドイツ/中国/韓国/台湾/UAEなど。
フランスでは、腕1本分ほどの距離が心地よい距離と感じられています。同様にドイツでも腕1本分ほどの距離が快適と感じられますが、プライバシー意識が強いため、初対面やビジネスではそれ以上距離を取る人もいます。
中国の社会生活では、親しい人でも見知らぬ人でも、片腕の長さから1メートル程度の距離感が一般的とされます。
アラブ首長国連邦(UAE)は多様な文化が共存する国であるため距離感にも幅がありますが、現地では、見知らぬ相手とは腕1本分ほどの距離を保って接する傾向があります。特徴的なのは同性間の距離の近さで、男性同士が手をつないで歩いたりする姿も見られます。逆に血縁関係のない異性間では厳格に距離を取ります。
【3】 50センチ以内

●ペルー/ブラジル/イタリア/スペイン/タイ/ベトナム/インドネシア/インド/トルコなど。
パーソナルスペースが比較的広めの欧米や東アジアに対し、東南アジアや中南米ではやや狭い傾向があるようです。
タイでは、人との距離が近く、会話時に50センチほどでも自然と受け入れられます。バンコクの市場などでは人が密集する場面が多く、肩が触れる距離でも気にしない人が多いです。ただし、若い世代は欧米的なパーソナルスペースを意識する傾向もあるようです。
ベトナムも距離感は比較的近く、日常会話の際は腕を伸ばせば届くくらいの距離が心地よいと感じる人が多いと言われています。
インドでは一般的にパーソナルスペースが非常に狭いとされます。列に並ぶときや公共交通では、人と肩や荷物がぶつかるほど近く立つのが普通だという声が多いです。
トルコでは、親しい間柄においては非常に近い距離で会話する傾向がありますが、見知らぬ人とはしっかり距離を取るなど、相手との関係性によって大きく変わるのが特徴です。
【快適なパーソナルスペースはどのくらいか?】、いかがでしたか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行期には、「ソーシャル・ディスタンシング」(社会的距離の確保)が盛んに言われていたのも記憶に新しいところです。これは半ば強制的なスペースの確保でしたが、人との「距離」について改めて考えたり感じたりした方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介したパーソナルスペースには、個人差や場面・関係性による違いも当然ありますので、あくまでも便宜的な区分ではありますが、国・地域単位で見ても文化の違いが感じられます。
飲食店や劇場、ラウンジ、交通機関、会合の席配置など、日常生活からビジネスシーンに至るまで、場面や目的に応じて快適な空間を創出することは、マーケティング上も興味深い観点と言えるでしょう。
次回も是非お楽しみに!
※掲載画像作成は生成AIを使用
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マクロミル事業統括本部グローバルリサーチプロダクト部
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