ひとりで外食はタブーか、普通か。世界の「一人外食」事情を探る│『え、これって日本だけ?』~グローバルな視点で見えた”当たり前”の正体(4)

公開日:2026/4/28(火)

日本では「おひとりさま」や「ソロ活」といった言葉が定着し、一人で自由に外食を楽しむ姿はすっかり日常の光景となりました。しかし、世界に目を向けてみると、この「当たり前」は必ずしも世界の共通認識ではないようです。

本コラムでは、「『え、これって日本だけ?』~グローバルな視点で見えた”当たり前”の正体」と題し、日本と世界各地の生活習慣や、さまざまな「常識」の違いを考察していきます。海外市場におけるマーケティングやイノベーションのヒントが見つかるかもしれません。

今回のテーマは・・・【一人で外食をするのは一般的なのか?】です。
ぜひ最後までご覧ください。

監修

Macromill News 事務局

監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

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【一人で外食をするのは一般的なのか ?】

【1】一人での外食はごく一般的

●ペルー/ブラジル/イギリス/フランス/ドイツ/イタリア/スペイン/スウェーデン
オーストラリア/中国/韓国/台湾/タイ/ベトナム/インドネシアなど。

東アジア諸国では、一人での外食も一般的な地域が多いようです。中国と言えば、大人数で円卓を囲む食事風景が浮かびますが、近年は一人用のカウンター席や一人前定食メニューもとても増えています。

韓国でも、以前は複数人で食事をするのが主流でしたが、若年層では「一人ご飯(ホンバプ)」という言葉が浸透していて、一人で外食をする人も多いです。主人公が一人で外食をする日本のドラマ『孤独のグルメ』も人気を博しました。単身世帯の増加や仕事帰り/プライベート時間の多様化があり、他人を気にせずマイペースに食事を楽しむ文化が定着しつつあるようです。

ヨーロッパでも同様で、例えばイギリスでは一人での外食はごく普通のこととされ、周囲の目を気にする文化はほとんどありません。カフェでノートパソコンを開いて仕事をしたり、レストランで本を読みながら食事をしたりする光景も一般的です。特に都市部では「自分の時間を楽しむ」ことが重視され、ソロランチや一人ディナーが自然なライフスタイルの一部になっており、店側も一人客向けの小さなテーブルやバー席を多く設けています。

また、北欧のスウェーデンでも、カフェやランチビュッフェで一人で食べるのはごく普通のこと。会社や大学でも一人で静かに食べてから同僚とコーヒーを飲む、といった過ごし方も一般的です。夜の高級店はカップルやグループが多いものの、「一人だから浮く」という感覚はあまりないようです。

南半球に目を向けると、オーストラリアではレストランやカフェでも「一人席」の予約が最近は増えており、業界の調査によると、ソロダイニングは国内のフードサービス全体の半分近くを占めるともいわれています(*1)。背景には、単身世帯の増加や自分の時間を大切にするライフスタイルの広がりがあります。

南米のペルーでは、リマなど都市部においては一人ランチ、一人カフェはごく普通。ビジネス街のメルカド(市場)や食堂でも、一人でさっと食べて去る人は珍しくありません。

【2】一人での外食には多少抵抗がある

●アメリカ/トルコ/インド/UAE/南アフリカなど。

アメリカでは、近年は外食費の異常な高騰によってレストランでの食事は特別な機会や社交の場としての意味合いが強まっていることもあり、カジュアルな店を除けば、一人で外食することはあまり見られなくなっています。外食は「特別な時間を誰かと共有するもの」という意識が広がっており、一人で日常の食事をする場合は、多くの人は自宅や職場のラウンジなどで済ませる傾向にあります。

南・西アジアの様子を見ると、インドでは近年、都市部を中心に若者や働く層でソロダイニングが増え、レストラン側も一人客向けメニューを用意するなど受け入れが進んでいます。一方で、特に女性の一人での外食には、依然として偏見が残るという指摘もあります。

アラブ首長国連邦(UAE)、特にドバイなどでは、外で一人で食事をすることは徐々に普通になりつつあり、最近ではソロ向けの席を設けるレストランも増えています(なかにはドバイの「IchiRyuラーメンハウス」のように、日本式のカウンター席を導入するケースも)。ただし、伝統的には「食事=みんなで集まるもの」という共有文化が強いため、一人で食べる習慣はまだ完全には浸透していないと言えるでしょう。

南アフリカでは、かつては外で一人での食事はタブー視される傾向もありましたが、若い世代を中心に「自分の時間を楽しむ=セルフケア」として歓迎されてきています。最大都市のヨハネスブルグなどにはソロ向けの飲食店もあり、「一人席」「共用テーブル」などで一人客が過ごしやすい店も増えています。ただし、年配層ではまだやや偏見が残ることもあり、全世代に完全に浸透しているわけではないようです。

【一人で外食をするのは一般的なのか?】、いかがでしたか?

食にまつわる文化や習慣は、国単位ではもちろん、各国内でも地域・世代などによって異なり、また時代や社会状況によっても変化していきます。

実際、今回の記事で「【2】一人での外食には多少抵抗がある」に分類した国でも、特に大都市部や若年層の間では、一人での外食は珍しい光景ではなくなりつつあり、一人客向けの席やメニューを提供する店も増えているようです。

今回は「一人での外食」を取り上げましたが、食に付随して現れる様々な習慣や行動には、その土地の様々な歴史や文化、価値観などが深く関わっており、マーケティングの観点からも興味が尽きないところです。

次回も是非お楽しみに!

(*1)https://qsrmedia.com.au/international/in-focus/solo-diners-account-nearly-half-orders-in-2025

※掲載画像作成は生成AIを使用

企画・編集

マクロミル事業統括本部グローバルリサーチプロダクト部

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