市場規模とは?調べ方や算出方法、フェルミ推定の4ステップもわかりやすく解説

カテゴリー
エントリーコラム

2023/6/19(月)

市場規模の把握は、自社の売り上げや利益率を高めるために必要です。市場規模から新規事業の開拓や既存事業の成長などにつながるデータを算出できるので、自社の事業に活用することは重要です。この記事では、市場規模の調べ方や算出方法、活用する方法などを解説します。ぜひ参考にしてください。

目次

市場規模とは

市場規模とは

市場規模とは、特定の分野における年間の業界全体の総売り上げです。取引が行われる数や商品やサービスの販売数で、市場の大きさを示します。市場規模の調査は、業界全体だけでなく、目的に応じて細分化した市場の調査も可能です。たとえば、自動車業界のなかの「自家用」と「事業用」など、ジャンルごとの市場の調査ができます。

参考:市場調査とは?メリットや代表的な8つの方法、実施する手順まで詳しく解説

市場規模を把握するメリット

市場規模を把握すると、新商品や新しいサービスの発売や、既存のものの改善に役立ちます。ここでは、市場規模を把握するメリットを解説します。

新規市場の開拓に役立つ

市場規模が把握できると、売上高の見込みが立てやすくなります。新規に参入するかどうかを決める際の判断軸になるため、事前に把握することは必要です。日本経済新聞出版社の「業界地図」によると、国内には179の市場が存在します。新規市場の開拓の際は、参入する余地のある市場だけでなく、自社の成長が見込まれる市場を探しましょう。

成長戦略の見直しに活用できる

市場規模が把握できると、既存の事業における成長率を予測しやすくなります。市場全体から、自社の売り上げの推移や業界全体の推移を比較すると、参入する市場の成長戦略の有効性を確かめられます。市場規模の推移は、商品やサービスの将来予測に役立つため、投資コストの見直しにも有効な手段です。

市場規模の調べ方

市場規模の調べ方

市場規模を調べる際は、目的に応じて調査方法を変えましょう。ここでは、市場規模の調べ方について解説します。

官公庁の調査レポートから調べる

官公庁は各省庁で独自に調査したレポートを公表しているため、市場規模を調べる際に利用できます。製造業であれば経済産業省の「工業統計調査」、ITに関する情報は総務省の「情報通信白書」に調査内容が掲載されています。各省庁のレポートは、政府統計の総合窓口の「e-Stat」から調べることが可能です。

業界団体の調査レポートから調べる

市場規模が大きい業界は、一般社団法人である業界団体が独自の調査を行っています。官公庁の調査は大規模に実施するため、掲載されるまでに一定の期間が必要です。業界団体の調査は、官公庁の調査レポートよりも市場規模や市場動向を早く把握できます。自動車や不動産などの業界は、市場規模を公開している場合が多いため、調査に利用することをおすすめします。

調査会社のデータを利用する

官公庁や業界団体が調査しない分野の市場規模を知る際は、調査会社のデータを利用しましょう。短期間で市場規模や市場動向を把握できるため、新規市場の開拓や成長戦略の見直しに有効なデータを入手できます。マクロミルは、調査プロセスの大半を自動処理で行い、調査開始後最短で24時間以内に納品が可能です。迅速な調査を行う際は、マクロミルの利用がおすすめです。

市場調査レポートを詳しく見る >

市場規模の算出方法

市場規模の算出方法

市場規模は、さまざまな方法で算出できます。ここでは、企業と消費者、売り上げ、フェルミ推定から算出する方法を解説します。

企業側から算出する方法

企業側から算出する方法は、市場における企業の数と、1企業あたりの平均の売上高を利用します。計算式は、以下のとおりです。

「市場の企業数 × 1社あたりの平均売上高」

市場における企業1,000社を想定して、1社あたりの平均売上高が5,000万円の場合、市場規模は500億円となります。

消費者側から算出する方法

消費者側から市場規模を算出する方法は、顧客数や顧客の単価、利用頻度をかけ合わせて算出します。計算式は、以下のとおりです。

「顧客数 × 顧客単価 × 利用頻度」

顧客数1,000万人を想定し、1人あたりの顧客単価1万円の利用頻度が10回の場合、合計で1億円の市場規模となります。

企業の売り上げから算出する方法

企業の売り上げと市場におけるシェアがわかれば、市場規模を算出できます。計算式は、以下のとおりです。

「企業の売り上げ / 企業のシェア」

「企業の売り上げ」が200億円の場合を想定すると、「企業のシェア」が25%の場合、市場規模は合計で50億円となります。ただし、市場のシェアを公表している企業が他分野の売り上げ金額を計上している場合、正確な市場規模を把握できなくなる点に注意しましょう。

フェルミ推定から算出する方法

フェルミ推定とは、数値化されていないものを推定する方法です。ノーベル賞物理学者のエンリコ・フェルミが考案しました。フェルミ推定は、市場規模をはじめとした調査や計測が難しいものに対して、前提となる条件をもとに論理的に答えを導き出すために利用されます。たとえば、日本国内の缶ジュースの売り上げや、コンビニの売り上げなどを推定で数値化できます。

フェルミ推定の4ステップ

フェルミ推定の4ステップ

フェルミ推定は、前提条件から整理して行う必要があります。ここでは、フェルミ推定を4ステップに分けて解説します。

前提条件を確認する

推定する対象を計量するために、対象の前提となる条件を定義しましょう。ここでは、以下の条件を定義します。

  • スポーツジム
  • 女性限定
  • 24時間運営

上記の条件を満たすものを前提にして、売り上げや会員数などの数値をフェルミ推定で算出します。前提条件が具体的であるほど正確な数値が算出しやすくなるため、事前に条件を洗い出しましょう。

戦略を決める

フェルミ推定で計量する数値の方針を定めるために、対象の単位を基準にします。対象の単位は、以下3つのどれかに該当します。

  • 特定の時点におけるグループごとの所有数量(個人、法人、自治体、国など)
  • 特定の時点におけるボリュームの存在数量(面積のような抽象的な広がりのあるもの)
  • 一定期間における経済変動量(市場規模や売り上げなど)

論点を構造化する

フェルミ推定の精度を向上させるために、計測する対象を構成要素に分解する工程です。先述した女性限定のスポーツジムを例にして、平日21:00〜24:00の利用者を推定しましょう。ジムを利用する時間帯が遅いことから、勤務した後に利用をしている人が想定されます。平均年齢は20代〜40代が中心と推定されます。

数値を代入する

最後に数値を代入します。日本の人口は約1.2億人のなかの半数を女性とすると、合計で6,000万人となります。参考資料から、令和元年の女性の労働力人口は 3,058 万人で、生産年齢(15〜64 歳)の女性の労働力人口は 2,693 万人です。よって、21:00〜24:00の利用者の市場規模は、2,693 万人以下と推定されます。

参考: Ⅲ 働く女性に関する対策の概況(平成15年1月~12月)

市場規模を活用する方法

市場規模を活用する方法

市場規模や市場動向を把握し、マーケティングや事業戦略に活用することは企業にとって重要な戦略です。調査した内容をもとに事業契約や販売戦略などを立てると、自社の強みやリソースを活かせる市場が見つかります。市場は常に変動しているため、継続的なモニタリングや鮮度の高い情報を得る必要があります。

市場規模の活用ならマクロミルがおすすめ

市場規模の活用ならマクロミルがおすすめ

マクロミルは調査の企画・実施・集計・分析、専門のリサーチャーによるレポート報告書作成など、マーケティングリサーチの総合的なサポートを行います。データ利活用支援、広告・宣伝などのマーケティング施策支援も支援が可能です。国内約3,600万人、世界で90以上の国と地域、1.1億⼈のパネルから、幅広いマーケティングデータを提供し、マーケティング課題を解決できます。

まとめ

市場規模は、新規事業や既存戦略を改善する際の基準です。正確なデータに基づいた戦略を立てることで、売り上げの向上や新規市場の開拓などにつながります。市場規模を把握すると、マーケティングに自社の強みやリソースを最大限に活用できるので重要です。

マクロミルは、多様な社会・消費者ニーズを分析し、消費者インサイトを提供します。当社が提供するデータと顧客が保有するデータ等を融合させ、「データ利活用支援事業(データ・コンサルティング)」と、「マーケティング施策支援事業」を一気通貫の提供が可能です。市場規模を活用する際に利用を検討してください。

マーケティングリサーチを相談する

コンサルティング営業が目的に沿ったデータ取得方法を提案します。
まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。

無料で相談する

オンラインリサーチ

オンラインリサーチ

豊富な機能と柔軟な調査システムでお客様のマーケティング課題にお応えします

こちらもオススメ

マーケティングリサーチ超入門

資料をダウンロード

カテゴリー

アクセスランキング

ナレッジブログランキング

メールマガジン

マーケティングに関するホットな話題やセミナーなどの最新情報をお届けします

おすすめコンテンツ

ナレッジブログ

マーケティングリサーチ有識者の見解を知る

コラム

マーケティングの基礎を学ぶ

マーケティング用語集

基礎的な用語を身に付ける

市場調査レポート・お役立ち資料

明日から使えるデータと活用術を手に入れる

メールマガジン

マーケティングに関するホットな話題やセミナーなどの最新情報をお届けします