5カ国に及ぶグローバルセグメンテーションでブランドとの親和性およびコンセプト受容性の高いセグメントの抽出に成功
- 業界・業種
- 家電・電機
2023/9/15(金)
セイコーエプソン株式会社様
情報関連機器、精密機器を手掛ける。インクジェットプリンターを始めとするプリンターや、プロジェクター等の情報関連機器、水晶振動子(クォーツ)、半導体などの電子デバイス部品の製造、さらに産業用ロボット・機器等の製造を行っている。
- 抱えていた課題
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- 時計ブランド、オリエントの「オリエントスター」の海外展開強化 にあたり、海外各国市場における腕時計セグメントの実態を把握したい
- 目的
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- 海外の腕時計ユーザーをグローバルセグメンテーションし、その実態を把握するとともに「オリエントスター」の海外展開の基礎資料とする
- 成果
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- 実態把握により各国における腕時計市場を解像度高く把握
- 最適なセグメント数が統計的基準で決まる「潜在クラス分析」(主観的なセグメント数選定や分析のトライ&エラーを防止)により、ブランドとの親和性および、コンセプト受容性の高いセグメントの抽出に成功
顧客情報の不足という課題へ、セグメンテーションからアプローチを開始
―ブランド「オリエントスター」の海外展開強化の 背景についてお聞かせください
オリエントスター(※)はこれまでもワールドワイドで展開をしてきており、確実に売り上げを伸ばしてきていました。さらなる販売拡大を視野に入れた時、海外の強化がテーマになり、顧客情報の不足が課題の一つとして挙がっていました。
アプリケーションの利用を通じて顧客と繋がり続けるスマートウオッチなどは 、販売後でも顧客情報を取得する機会がありますが、オリエントスターのようなアナログ時計では顧客情報の取得は難しいです。販売数量を確認することはできても肝心の「誰が買っているのか」までは把握できていませんでした。
例えば企画書に「こういうお客様に売りたい」と書いた場合、実現性を検討する過程において「この人たちは本当に実在するのか」「どれだけの割合なのか」という話が必要になります。でもそれが誰にも分からなければ議論も止まってしまいます。そのような中、お客様はどのようにセグメントできるのか、そのボリューム感はどのぐらいあるのか、オリエントスターがターゲットにしたいセグメントの受容性はどうかといったところを明らかにするため、マクロミルさんに調査を依頼しました。
ウエアラブル機器事業部 WP事業戦略推進部 課長 桐生彬様、大原光平様
顧客情報の定量的な把握を実現
―セグメント作成後の具体的な成果や事業活動への影響はどうでしたか
今回は5カ国を対象に調査を行ったのですが、グローバル全体で効率的に施策を行うための共通言語にしたいという意図もあり、国ごとでセグメントを切るのではなく、海外全体の顧客を最適な個数のセグメントに分けました。
特に日本国内と海外との調査で重視するポイントが違うと、セグメントの区切りが少しずれてしまうのが本当に難しいところだったのですが、マクロミルのリサーチャーさんに解決方法の提案とサポートをいただいて形にすることができました。
そうしてできたセグメントの最大の成果は、顧客のことが定量的に分かるようになったことではないでしょうか。オリエントスターとこのセグメントを結び付けて、社内でもコミュニケーションしています。
また、国内だけでなくグローバル市場で見た場合、どれぐらい見込みがあって、どれぐらいの売り上げとなりそうか、狙いは何なのか、大体のボリューム感などを把握するのにもセグメントを使用しています。定量的にどのぐらいかという数字が明らかになっていると社内で非常にコミュニケーションしやすいです。データについても時計の関心度など、我々ではなかなか取りにくいデータを定量的な形で示してもらっているのは貴重です。
バリューチェーン共通のターゲット像を構築
―調査データを元に御社でペルソナを作成されたと聞いています
はい、データを元にペルソナを作成した結果、企画からデザイン、販売まで一貫したターゲットを定めることができました。
少し細かい話になるのですが、調査結果をいただいてペルソナを作成する際、優先度の高い各セグメントは一体どういう人なのかを丁寧に見ていきました。
あるセグメントのオリエントスターユーザーはどれぐらいいるのか、そういう人たちはどういう属性なのか、どんなデザイン嗜好でどんなブランドが好きで、年収はいくらなのか。そういった分析が網羅的になされた、まさに“基礎資料”です。これからも活用していきたいですね。
曖昧な相談にも適切な提案で応えてくれる唯一無二の存在
―マクロミルの介在価値や今後の期待、マクロミルへの相談を検討している他社様向けのメッセージがありましたら教えてください
予め調査で知りたいことを全て用意した状態ではなくアイデアベースで相談すると、様々な提案をいただけるのでプロジェクトが構築されていきます。
特に営業の方が丁寧に対応してくださり、困りごとに対する解の引き出しも多い印象です。最終的に結果をどういう風に使いたいのか逆算して分析手法や設計を落とし込んでいただきました。
また、セグメント分析をお願いしたときに感じたのは、調査相談に対する提案内容全般においてマクロミルさんならではのオリジナリティが含まれているということです。今回のケースを例に挙げると、単発の調査で終わるのではなく、国内、海外、その先の受容性調査と、連続性のある調査をご提案いただきました。調査全体を通して一本軸が通っているようなイメージです。これは当社のビジネスゴールを理解していなければできないことで、素晴らしいと思いましたね。
あとは第三者であるマクロミルさんという立場ならではの、レポーティング説得力の高さでしょうか。納品いただいた最終レポートの説明会を行っていただいたのですが、我々がレポートを元に社内向けへ説明を行うよりも、浸透度や理解速度の面で明らかに効果が高く、また効率的であったと感じています。
―ありがとうございます。最後に今後の展望について教えてください
今後はNPS©のような深掘った調査もやってみたいです。購買行動別の洗い出しなど、それぞれのNPS©を取る中でどこの要因を上げたらよいのか、ブランド価値に紐づく顧客の行動と要因は何かということをもっと詳しく見られるのではないかと思っています。
データと向き合うことで改善するものがあると思うので、マクロミルさんのデータで定量的に判断しながらスピード感をもってつなげていきたいと思っています。引き続きお力添えいただけると幸いです。
(※)オリエントスター
セイコーエプソン様の時計ブランド。1950年、多摩計器株式会社が設立され、腕時計の製造を開始。翌年の1951年、オリエント時計株式会社に社名を変更し、ここで誕生したのが「輝ける星」をイメージしたオリエントスター。
以来、本格的機械式時計ブランドとして、現在まで多くの時計ファンを魅了し続けている。
https://www.orient-watch.jp/orientstar/open_in_new
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