テンションあがる“街ナカ”ホテル「OMO(おも)」の拡大に伴うサブブランド戦略の本格化。ブランド定点調査データが戦略インフラに

業界・業種
旅行・観光・運輸

2023/6/22(木)

星野リゾート様

星野リゾートは、「旅を楽しくする」をテーマに、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」の5つのブランドを中心に旅を提案しています。

抱えていた課題
  • サブブランド「OMO(おも)」の施設拡大が、マスターブランドである「星野リゾート」や、「星のや」「界」といった他のサブブランドへ与える影響を検証したい
目的
  • 「認知」「知覚品質」を軸としたブランド力を把握(※)。マスターブランドと各サブブランドの関係性を鑑みた上で、それぞれのブランドが取るべきブランド戦略の方向性を明らかにしたい
成果
  • 調査結果に基づきサブブランド戦略の本格化を決断。マスターブランドと各サブブランドの適切な関係性と、各サブブランドが目指すべきポジショニングの把握に成功

星野リゾート マーケティンググループ 櫻井潤様 佐々木恒貴様

「旅を楽しくする」をテーマに、国内外でリゾート施設や温泉旅館を運営する星野リゾート様。今回はマーケティンググループの櫻井様と佐々木様にブランド戦略についてお話を伺いました。

「OMO」の拡大が星野リゾートのブランドイメージに影響

―ブランド定点調査の実施前に抱えられていた課題について教えてください

当社は独創的なテーマが紡ぐ圧倒的非日常「星のや」、ご当地の魅力を発信する温泉旅館「界」、想像を超えて記憶に残るリゾートホテル「リゾナーレ」、テンションあがる「街ナカ」ホテル「OMO(おも)」、みんなでルーズに過ごすホテル「BEB(ベブ)」の5ブランドを中心にホテル・旅館の運営事業を展開しています。

このうち「OMO」の運営施設数がコロナ禍の時期に一気に増えたことで、ブランド戦略の見直しが必要ではないかと考えました。

どういうことかと言いますと、これまで星野リゾートが持っているブランドイメージとは異なるイメージを持つ「OMO」が急激に増えることで、マスターブランドである「星野リゾート」や、「星のや」、「界」といった既存サブブランドのイメージに影響を与えてしまうのではないかという懸念を持ちました。そこで以前よりブランド定点調査をお願いしているマクロミルさんに、この懸念を踏まえた調査と分析をお願いすることにしました。

各サブブランドを最適な“距離”へ置くことに成功

―ブランド定点調査の結果、ブランド戦略にどのような変化がありましたか

マクロミルさんのブランド定点調査によって、各ブランドの認知率と知覚品質が明らかになりました。その結果、「星のや」や「界」といったサブブランドの認知率向上と知覚品質の明確化が、今回テーマに挙がっている「OMO」のブランド戦略に必要であることがわかりました。

そこで、私たちはサブブランド戦略の本格化に舵を切ることにしました。マスターブランドの「星野リゾート」は、これまでのイメージを大事にしつつ「知覚品質」を「旅を楽しくする」に定め、「界」と「星のや」はマスターブランドからこれまでと比べて距離を置き、ブランド力を高める活動を強化しています。

この2つのサブブランドは上質や高級といった「知覚品質」が伴っていて、一定の認知率もあったためです。逆に「OMO」や「リゾナーレ」、「BEB」は認知率や明確な知覚品質の確立が不十分であるため、マスターブランドに近づけておく必要のあることが分かりました。

このように調査データとレポートを基にして、マスターブランドとサブブランドとの距離や知覚品質を設定するなど、現状に即した戦略をとることができました。

調査結果は全スタッフに共有。日々の判断基準に

―調査データは、その他のシーンでも活用されていると伺いました

このブランド定点調査の結果は社内の全スタッフに共有しています。また、私たちが日々思考をする上でとても重要なデータで、日々の活動の中での判断基準として活用しています。

全スタッフが調査結果という同じ情報を見て考えているので、細かい戦術やアイデアの方向性もブレることがありません。判断に迷うときでも事実と根拠が調査に示されているので、議論もしやすく、正しい判断ができやすいです。社内プレゼンテーションで事実の根拠としても活用しており、全員が同じ情報を見てロジックを組み立てるという風土づくりに役立っているように感じます。

データを読み解くパートナーの高い介在価値

―マクロミルの介在価値や今後の期待について教えてください

全スタッフに同じ情報で、何がどう評価されているのかを伝えられる点だと思います。どのスタッフも、いつも調査を楽しみにしていますね。

調査結果に向けて、次の一年の間に様々な施策を行います。その結果、あまり指標の数値が上がっていなければ施策の改善の必要性が分かるし、もし上がっていたときには何が効いたのか、その要因を分析しています。

星野リゾートでは、各施設のスタッフが、それぞれ新しい体験やサービスを創出しています。メディアに取り上げられたりすると、調査結果からそれが認知に効いたのだろうということが分かるので、また次の施策を創出するスタッフの意欲にもつながっています。

このように星野リゾートはマーケティングを全社で行っているのが特徴といえます。

また当社の場合、仮説を立てるときもありますが、基本はマクロミルさんの調査をベースに全ての戦略が組み立てられていきます。実際にテストをして、その結果をマクロミルさんに調査していただき、そこから次のアクションを決めようというような動き方です。

ここもマクロミルさんの大きな介在価値の一つだと思いますし、これからも期待しています。

―戦略や戦術を考える上で我々の調査がベースとして役に立っており、嬉しく思います

これからもマクロミルさんの調査データを、ブランド戦略を超えて幅広く活用したいと思います。

(※)ブランディングはブランド戦略の権威であるデイヴィッド・アーカー氏によるブランド力測定の4項目「認知」「知覚品質」「個性」「リピート」を基準としており、星野リゾート様ではこのうち「認知」「知覚品質」をブランド力の指標として特に重要視。マクロミルでこの2つを軸とした定点調査を実施している。

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