
アンケート結果を分析すると、消費者のニーズを把握できるため、商品やサービスの改善、新商品の開発などに活用できます。アンケートの結果をまとめる際は、集計に応じて方法を変えることが重要です。
この記事では、アンケート結果のまとめ方や分析方法などを解説します。アンケートの結果を企業の活動に役立てる際に、ぜひ参考にしてください。
目次
アンケート結果をまとめる流れ
アンケートの結果をまとめる流れは、以下の手順で行います。
- アンケートの作成
- アンケートの実施
- アンケートの集計
- アンケートの分析
- アンケート結果をまとめる
アンケートは目的を明確にしたうえで、実施するアンケートの種類を決めることが重要です。アンケートの種類は用紙の記入、もしくはWebツールを使って実施しましょう。アンケートの集計と分析が終わった後、結果をまとめます。
アンケートの集計方法
アンケートの集計方法は、単純集計とクロス集計、自由記述集計に分かれます。ここでは、アンケートの集計方法について解説します。
単純集計
単純集計とは、アンケートの結果の合計を算出するシンプルな集計方法です。「はい」と「いいえ」の回答から、回答した人数やパーセントを算出します。単純集計は、アンケート結果の傾向を測るために有効です。
クロス集計
クロス集計は、複数の要素からアンケートの結果をまとめる集計方法です。年齢や性別、居住地などの要素を組み合わせて集計することで、アンケート結果からより詳細な情報を把握できます。単純集計の結果を深く分析するための有効な手段であり、商品やサービスを改善するヒントが得やすくなります。
自由記述集計
自由記述集計は、自由回答を集計する方法です。自由に記述するとアンケート結果の内容がばらつくため、アフターコーディングとテキストマイニングの2つの手法を活用しましょう。アフターコーディングは、回答を共通意見でまとめる方法であり、テキストマイニングは頻出する単語や文節をまとめて集計を行う方法です。

【エクセル】アンケート結果のまとめ方
エクセルを使ったアンケート結果のまとめ方とメリット、注意点について解説します。
エクセルを使用した集計方法
エクセルを使用した集計方法で、単一回答と複数回答のアンケートのまとめ方を解説します。
単一回答の集計
単一回答の集計とは、生年月日や性別などの1つの質問に対して、1つの回答を選択するアンケート結果の集計方法です。エクセルの関数の1つである「COUTNIF」を使用してまとめます。エクセルの式を「=COUNTIF(範囲,検索条件)」と記述すると、選択肢に振った番号ごとの回答数を数えることができ、表やグラフの作成に役立ちます。
複数回答の集計
複数回答の集計は、データと集計表を使う方法です。アンケートに回答を選択されているものと選択されていないものに分けて、選択肢ごとに選択された数がわかるようにします。エクセルの関数は「SUM」と「INDEX」を使いましょう。式は「SUM(INDEX(参照, 行番号, 列番号))」と記述します。
エクセルを使用するメリット・注意点
エクセルは多くの企業で使われているため、従業員がソフトの操作に慣れている可能性が高くなります。他の管理システムと違い導入のコストを抑えられる場合が多く、操作の習得に必要な教育コストが低くなります。エクセル内で関数や数式を組み合わせた集計を実施できる点もメリットです。
ただし、データ量が増えると管理が煩雑になり、複数の処理に時間がかかります。アンケート結果の量によっては、集計や分析に対応できない場合もあるため注意が必要です。
【ワード】アンケート結果のまとめ方
ワードを使ってまとめることも可能です。ワードによるアンケート結果のまとめ方とメリット・注意点を解説します。
ワードを使用したアンケート結果のまとめ方
ワードを使用したアンケート結果のまとめ方は、報告書や資料を作成する際に用いられます。ワードは文章だけでなく、表やグラフを挿入できるので、直感的に理解できるアンケート結果を作成する際に有効な手段です。単一回答では円グラフや帯グラフを使うと、より結果が理解しやすくなります。複数回答は棒グラフや折れ線グラフを使い、要素を把握しやすいまとめ方にしましょう。
ワードを使用するメリット・注意点
ワードは文章をまとめる機能が豊富に揃っており、文字の大きさの変更や図表番号の挿入などの自由度の高さが魅力です。表や図の作成も可能ですが、エクセルやパワーポイントに比べると使いにくく、使い勝手が劣ります。ワードは文章量の多い報告書や資料を作る際に利用して、シーンに応じてエクセルやパワーポイントと使い分けましょう。
【パワーポイント】アンケート結果のまとめ方
パワーポイントを使ったアンケート結果のまとめ方とメリット、注意点を解説します。
パワーポイントを使用したアンケート結果のまとめ方
パワーポイントは、グラフを中心にアンケート結果をまとめます。図表やイラストを使い、1文を短くしてわかりやすい資料や報告書を作成しましょう。合計で3〜5分程度を想定してプレゼンテーションが終わるように、情報量やレイアウトを工夫して資料や報告書をまとめることが重要です。
パワーポイントを使用するメリット・注意点
パワーポイントは、グラフや図を使い、アンケート結果を直感的に理解しやすく作れる点がメリットです。円グラフや棒グラフなど、さまざまなグラフを使えて、表現の幅を広げられます。まとめた資料を、プレゼンテーション用のスライド資料として活用もできます。ただし、長い文章を読んでもらう報告書や資料作りには適していません。

アンケート結果の分析方法
アンケート結果の分析方法は、クラスター分析やアソシエーション分析など、さまざまな種類があります。
参考:アンケート結果を分析する方法とは?集計方法や分析の種類、実施する手順などを解説
クラスター分析
クラスター分析は、回答を同じ項目もしくは類似性があるものに分類する方法です。分析する項目は人や商品、地域など、さまざまな分野の回答結果や回答者の属性の分析に活用できます。
アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、データ間の関連性を分析する方法です。たとえば、雨が降ったときは来店の客数が減る、気温の変化で商品の売れ行きが変わるなど、状況に応じてアンケート結果をまとめられます。
時系列分析
時系列分析とは、データを使って日数や時間の経過による変化を分析する方法です。商品やサービスの売れ行きの予測、売上が停滞する理由などの分析に活用できます。過去のデータから、将来を予測する際にも活用できます。
主成分分析
主成分分析は、変数が多いデータを1〜3つ程度の主成分にまとめる方法です。変数が多いアンケート結果でも傾向や構造を把握しやすくなり、データ全体をシンプルにできる有効な手段といえます。
決定木分析
決定木分析とは、アンケート結果の原因を樹形図で整理する手法です。消費者の心理や行動の要因を構造的に整理できるため、視覚的に結果を判断する際に活用できます。
ビジネスに活用できるアンケート調査
ビジネスにアンケートを活用すると、顧客満足度や新商品受容把握、認知度などを調査できます。
顧客満足度調査
顧客満足度調査は、自社の商品やサービスのアンケートを取り、顧客目線の満足や不満点を把握する方法です。顧客からの不満や改善点をアンケートで可視化できるため、商品やサービスの改善に活用できます。
参考:顧客満足度調査とは?手法、指標、手順、調査票の作成方法など
新商品受容把握調査
新商品受容把握調査は、新商品をリリースした後に、ユーザーが興味を持つかどうかを調べる方法です。商品やサービスのコンセプトが、消費者に求められているかどうかを把握できるため、重要な調査方法といえます。
認知度調査
認知度調査とは、自社の商品やサービスがどれだけの消費者に知られているかを確認する調査です。商品やサービスが持つイメージや、市場における自社の位置を把握できるため、アンケートをまとめた結果から改善につなげられます。
アンケート結果の集計・分析ならマクロミルがおすすめ
マクロミルはネットリサーチ等、企画から実施・集計・分析、専門のリサーチャーによるレポート報告書作成に対応しています。アンケート結果をまとめたうえで、広告・宣伝などのマーケティング施策支援も可能です。アンケート結果は、最短で調査開始後24時間以内に納品できるため、効率よく集計と分析ができます。

まとめ
アンケート結果は、エクセルやパワーポイントなどを使ってまとめられます。単純集計やクロス集計を使って結果を分析し、データを商品やサービス開発、改善に活用が可能です。データの量を増やし、質を高めることでより精度の高い分析ができるため、アンケートの集計や分析のサービスの活用もおすすめです。
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