SNSやビジネスチャットの普及とともに、「メンション」という言葉を目にする機会が増えました。
- 「Slackでメンションしておいて」
- 「この投稿、@◯◯さんをメンションしておこう」
- 「インフルエンサーからメンションされて伸びた」
メンションは、いまや単なる呼びかけや通知機能にとどまらず、マーケティングやブランディングの戦略にも大きく影響する“関係性の設計技術”として重要視されつつあります。
本記事では、SNS・ビジネス・マーケティングそれぞれの文脈から「メンションとは何か?」を深掘りし、UGC戦略やSNSキャンペーン、ブランディングとの接続方法まで丁寧に解説します。
メンションとは?定義と基本機能
メンション(mention)とは、「特定の人やアカウントに言及し、その存在を会話の中で明示すること」を意味します。
具体的には、以下のような特徴を持ちます。
- SNSやチャットで「@ユーザー名」と入力することで、相手に通知が届く
- 発言・投稿・コメント内において、特定の人物を“呼び出す”行為
- 会話の流れや文脈の中で、誰を対象にしているのかを明確にする
- 相手への“参加要請”や“関係性の表明”の手段として機能する
代表的なメンションの使用例
| プラットフォーム | メンションの用途 | 通知される対象 |
|---|---|---|
| Twitter(X) | 投稿内で人物を言及/感謝/批判 | メンションされたアカウントに通知 |
| ストーリーズやキャプションでタグ付け | タグ付けされたユーザーに通知 | |
| Slack/Teams | 業務チャット内で確認依頼や呼びかけ | 個人 or 全体に通知が飛ぶ |
| TikTok | 動画投稿時の共演者・発信源を明示 | 関連アカウントに通知される |
| YouTube | コメントや概要欄で他チャンネルを紹介 | 該当チャンネルに通知 or 表示 |
メンションは“通知機能”であると同時に、“つながりの演出”でもあります。
そのため、マーケティングにおいてもメンションの有無がコンテンツの価値や拡散に直結するのです。
マーケティング文脈でのメンションの意味
マーケティングにおいて、メンションは単なる「言及」ではありません。
“顧客が自発的にブランドや商品について語るかどうか”という視点で、購買後の体験やSNS戦略を設計する際の指標となります。
メンション=共感の証明
ユーザーが企業やブランドをメンションする背景には、次のような感情が含まれています。
- 買ってよかったという実感を誰かに共有したい
- このブランドと“つながっている自分”を表現したい
- サービスや対応に対する感謝や驚きを届けたい
- 推し活・レビュー・まとめ投稿などのUGCの一部として紹介したい
→ つまり、メンションされるという行為は“選ばれた結果”であり、信頼・好意・感動のアウトプットなのです。
メンションされることで“二次拡散”が起こる
たとえば、あるユーザーがブランドをメンションした投稿が拡散されると、そのブランドは本人のフォロワーだけでなく、拡散先のタイムラインにも登場します。
さらにブランド側がその投稿をリポストすれば、公式のフォロワーにも可視化され、エンゲージメントが連鎖的に拡大していきます。
このように、メンションは「誰かと誰かをつなぐハブ」として、コンテンツの寿命と広がりを大きく変える力を持っているのです。
「メンションされるブランド」は“開かれたブランド”である
メンションされるブランドには、共通した傾向があります。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 共感性 | ブランドの世界観が明確で、語りたくなる設計になっている |
| リアクション性 | メンションに対する返信やリアクションが早く丁寧 |
| 拡散文化 | ユーザーが投稿しやすいフォーマットやキャンペーンが整っている |
| 一貫性 | どのチャネルでもブランドとしての人格やトーンが統一されている |
SNS上で“呼ばれるブランド”は、消費者と対話し続ける姿勢を持っているブランドでもあります。
UGC戦略とメンション:ファンが語るブランドが“買われる”時代
ユーザーの投稿=UGC(User Generated Content)がブランドの信頼性や人気を左右する時代。
そのUGCの中核にあるのが、ブランドや人を明示的に“呼ぶ”という行為=メンションです。
SNSをマーケティングチャネルとして捉えるなら、「どれだけ投稿されているか?」ではなく、「誰がどのようにメンションしているか?」が評価指標になります。
メンションは“信頼”を引き出すソーシャルプルーフ
たとえばこんな投稿:
「このパーカー、本当に着心地よすぎる。@brand_jp」
「週末のお出かけは @brand_official のスニーカーで決まり。」
こうした“ブランドへの言及”は、単なる使用報告ではなく、無言の推薦行為です。
人は企業の広告よりも、他人のおすすめに強く影響される傾向があります(=ソーシャルプルーフ)。
そのため、メンションが増えれば増えるほど、ブランドの「リアルで支持されている感」が強化され、認知や購買の促進につながるのです。
投稿をメンションで“構造化”させると拡散されやすい
SNS上で拡散されやすいUGCには、一定の特徴があります。
| 特徴 | 例 |
|---|---|
| 投稿のフォーマットが決まっている | 「#◯◯レビュー @brand」など |
| メンション先が明確である | 「@brand_jp @ambassador_name」 |
| ハッシュタグとメンションが両立している | 「#推しコスメ @brand」 |
| ストーリー性がある | 購入→開封→使用→満足 という流れ |
ブランドがこれらのテンプレートを公式に用意・案内することで、ユーザーの投稿ハードルが下がり、「自然で統一感あるUGC」が増えていきます。
インフルエンサー施策における“メンションの設計”が成果を左右する
ブランドがインフルエンサーと協業する場合、メンションの仕方・位置・文脈の設計が、拡散力やエンゲージメントに大きな影響を与えます。
設計のポイント:
- 投稿内の前半にブランドメンションを入れる(後半より視認率が高い)
- ストーリーズやリールでは、動画内のテキストやナレーションでもメンションする
- 可能であれば、ブランドがインフルエンサーをメンションし返す(相互性)
- コラボ投稿(Instagramの“共同投稿機能”など)を使うと、両アカウントのフィードに表示されやすい
→ メンションは“タグ付け”ではなく、“共演・共創・共鳴”のサインとして機能します。
メンションを起点に“二次UGC”を生むためのアクション
1人のフォロワーがブランドをメンションする
↓
公式がその投稿を引用・リポストする
↓
それを見た別のフォロワーが「私も投稿しよう」と感じる
↓
投稿・メンションが連鎖する
このような“UGCの連鎖”は、広告出稿では生まれない共感と信頼の波を生み出します。
ブランド側がUGCを見つけ、即座にリアクションを返す体制があると、投稿者の満足度も高まり、さらにUGCが生まれやすくなるのです。
「メンションしてほしい」なら、「メンションしたくなる設計」が必要
自然なメンションを生むには、以下のような“設計”が重要です。
| 項目 | 設計のヒント |
|---|---|
| 投稿テーマ | 「この商品をどう使ってる?」という問いを投げかける |
| メリット | メンション投稿者に特典・フィードバック・紹介の機会を提供する |
| 導線 | SNS上に投稿例やテンプレートを提示しておく |
| 再利用 | 優良UGCをブランド側が丁寧に再シェア・紹介することで投稿者を称える |
→ メンションは「してください」と頼むものではなく、「したくなる空気」を設計してこそ、ブランドの力になります。
メンション設計=UGC設計である
SNSのアルゴリズムやトレンドは常に変化しますが、「信頼できる人が紹介しているものは気になる」
「好きなブランドとつながりたい」という人間の根本欲求は変わりません。
だからこそ、「メンションされる設計」をブランドが担うことは、UGC戦略そのものの中核と言えるのです。