論文・卒論に使えるアンケート調査の手順や方法、注意点を解説

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2025/4/11(金)

アンケート調査を活用して論文や卒論に説得力を持たせたいものの、実施方法がわからない人もいるでしょう。この記事では、アンケート調査の目的や適したテーマ、手順、方法などを解説します。論文や卒論、学術調査でアンケート調査を実施したい人は、参考にしてください

卒論でアンケート調査をする目的

卒論の目的は、これまでに学んだ内容からテーマを決め、研究・調査をすることです。アンケート調査により、独自の研究結果へとたどり着くために役立ちます。そのため、卒論におけるアンケート調査は、これまでの文献にない独自の結果を生み出すことが目的です

複数人に同じ質問をすることで、調査対象者の意見や行動を数字で表せるようになり、説得力が増します。アンケート調査の実施により、これまでにないデータを得られるでしょう。

学術調査でアンケート調査をする目的

学術調査とは、研究者や教授、学生が学術研究や論文執筆のために実施する調査活動を指します。アンケート調査は、データを集めて裏付けや理論の検証などが目的です。

調査方法は、アンケート調査をはじめ、会場調査やインターネット上でのオンライン調査、グループインタビューなど、数多くあります。なかでもアンケート調査は、低コストかつスピーディに調査できる方法です。

論文・卒論で使用するアンケート調査に向いたテーマ

論文や卒論でのアンケート調査において、テーマ選びは重要です。適した2つのテーマについて解説します。

社会学・心理学に関するテーマ

社会学や心理学に関するテーマは、アンケート調査においてよく使われるテーマです。テーマの対象は「人」であり、多くの人の価値観や考え方について調べられます。回答者自身の考え方や経験など、自分自身と関わりのあることから回答できるため、論文や卒論で扱うテーマに向いています。

一般論を求めるテーマ

アンケート調査では多くの人に同じ質問をするため、一般的な傾向を調べるテーマも論文や卒論で扱うアンケートテーマに適しているでしょう。

たとえば、ある職業について、現場の状況や課題についてのアンケートを実施します。その結果、新たな発見や気づきを得られる可能性があります。同じ質問を多くの人にできるテーマは、アンケートに採用しやすいでしょう。

論文・卒論で活用するアンケート方法

アンケートの回答を依頼する方法は主に3つあります。それぞれの方法について解説します。

身近な人に回答を依頼する

友人や家族、知り合いなど、身近な人にアンケートの回答を依頼する方法です。費用がかからないだけでなく、日頃から連絡を取っている相手であれば気軽に回答を依頼できます。ただし、サンプル数には限りがあるため、本格的な調査を始める前に実施し、おおまかな傾向を掴むために活用しましょう。

セルフアンケートツールを使用する

セルフアンケートツールとは、あらかじめモニター登録をしている人を対象に、Web上で作成したアンケートに回答してもらう方法です。セルフアンケートツールを使用すると、必要とする数の回答を気軽に集められます。ただし、アンケートの作成から集計まですべて自分で担うため、アンケート調査に関する最低限の知識が必要になります。

調査会社へ依頼する

アンケートの作成から集計までを一括して行う調査会社に依頼する方法もあります。調査会社は、アンケートの実施・集計だけでなく、調査内容や分析に関するアドバイスやサポートもしてもらえます。そのため、アンケート調査に関しての知識に自信のない人におすすめです。ただし、高額な費用がかかったり、調査期間が長くなったりすることがあります。

論文・卒論のアンケートを行う手順

アンケートを実施する際は、効果を最大限にするために正しい手順であることが重要です。

アンケートの目的を決める

アンケート調査において1番大切なのは、アンケートを実施する「目的」を明確にすることです。論文や卒論で使用する上でどのようなデータが必要か、調査の方向性を明確にしましょう

目的や論文の方向性が定まっていないと、集めたデータが役に立たないことになりかねません。「目的」に加えて「仮説」を立てることで、より内容の充実したアンケートを実施できるでしょう。

アンケートの対象者を決める

目的を明確にすることで、自然と対象者は絞られます。誰に対してアンケートを実施するのか「対象となる人」を決めましょう。卒論におけるアンケート調査の場合は、所属大学の学生を対象にするケースが多くみられます。そうでない場合は、年齢や性別、住まいなどの母集団によって結果が大きく変わるため、論文の内容に合う母集団を設定しましょう。

アンケートの調査方法を決める

対象者を決めたのち、調査方法を決めます。調査方法によって結果や回答数が大幅に変わるため、テーマに合う方法を選びましょう。紙でのアンケートはWebアンケートに比べ集計に時間はかかりますが、調査対象がモバイル端末を持っていない場合でも回答が容易です。どの年代にも依頼しやすい点もメリットといえます。

Web上のアンケートは、モバイル端末を持つ年代を対象とする場合におすすめで、アンケートの作成から集計までが容易です。

アンケートの調査票を作る

アンケートの対象者と調査方法を決めたのち、調査票を作成します。調査票とは、アンケートで聞く内容をまとめた質問票のことです。専門の調査会社に委託する方法と、セルフ型アンケートツールを利用して自分で作る方法があります。調査対象に合わせて、負担を抑えられる方法で作成しましょう。

調査票を作るコツはいくつかあります。たとえば、文字の大きさは適切か、わかりやすい言葉か、設問ごとに質問内容は1つか、全体の質問数は多すぎないか、読みやすいレイアウトかなどです。作成後は一度自分で回答を作成し、回答者の立場で確認するとよいでしょう。

アンケート回収後のやるべきこと

アンケートは回収したあとも重要です。回答者へのお礼に加え、集計と分析が欠かせません。

回答者へのお礼

アンケートへの回答は義務でなく、回答者の厚意で成り立っています。回答者には、感謝の気持ちをなるべく早く、そして丁寧に伝えましょう。このとき、回答結果の活用方法も一緒に伝えるとよいでしょう。お礼と合わせて粗品を用意する場合は、お礼の品を送った旨も知らせます。専門の調査会社に委託する場合は、謝礼の支払いもセットで丸投げすることが出来ます。

アンケート結果の集計と分析

アンケートを回収したのち、集計と分析を実施します。集計方法には2種類あります。1つ目は「単純集計」で、設問ごとに回答人数や回答内容の内訳を示す、最も基本的な集計方法です。Excelやスプレッドシートを活用すると容易に集計できますが、詳しい分析結果は出せません。そのため、全体の傾向を把握する際に用いるとよいでしょう。

2つ目は「クロス集計」で、2つ以上の設問をかけ合わせて集計する方法です。単純集計よりも詳しい分析が可能なため、より多く活用されている集計方法です。

マクロミルでは、調査をご発注いただいた方に「QuickCROSS」という無料集計ソフトをお渡ししており、直感的なUIで簡単に複雑な分析を実施することが出来ます。

アンケート調査を実施する際の注意点

最後に、アンケート調査を実施する際に気を付けるべき、主な2つの注意点を解説します。

アンケートの対象人数は何人?

アンケートに必要な人数は「最低100人程度から」が目安です。人数が少ないと標本に誤差が生じ、結果の精度が落ちます。逆に人数が多いとデータの精度は高くなりますが、集計に時間がかかったり、費用が増えたりと負担が大きくなります。

これらを踏まえた上で、アンケートにかかる時間や費用、またデータに生じる誤差を考え、対象人数を決めましょう。学生の場合は、指導教諭にアドバイスをもらって人数を決める方法もあります。

依頼文の作成方法

友人や家族など知り合いを対象にアンケート調査をする際は、依頼文の作成が必須です。卒論で使用するアンケートを、所属大学の学生を対象に実施する場合も同様です。

依頼文には挨拶やアンケート実施の目的、アンケートの概要・質問数・所要時間、個人情報や収集したデータの取り扱い方を記載します。必要以上にかしこまる必要はありませんが、協力してもらうため丁寧な言葉遣いで、読みやすい文章にしましょう。

まとめ

アンケート調査により、文献にない独自の結果を生み出せたり、意見や行動を数字で表して説得力が高まったりします。アンケートには、身近な人に依頼する方法とセルフアンケートツールを用いる方法と、調査会社へ依頼する方法があります。正確な手順で実施し、最大限の成果を得るようにしましょう。

マクロミルでは、マーケティングリサーチとデジタルマーケティングリサーチを中心に、多様な社会・消費者ニーズを分析し、クライアントに的確な消費者インサイトを提供します。インタビューに関するご相談は、総合マーケティング支援企業のマクロミルまでお気軽にお問い合わせください。

監修

Macromill News 事務局

監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

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