メッセージとは?マーケティングを動かす言葉と意味の設計を徹底解説

公開日:2026/1/16(金)

「このブランド、伝えたいことが分からない」
「結局、何が強みなの?」
広告の表現がバラバラで一貫性がない」
「メッセージが届いていない気がする」

マーケティングに関わる人なら、こうした違和感を覚えたことがあるのではないでしょうか。
その原因の多くは、「メッセージ」が設計されていない、あるいは設計されていても統一されていないことにあります

商品が良くても、企画が面白くても、「どんなメッセージで誰に伝えるか」が曖昧なままだと、マーケティングは迷走します。
逆に言えば、強いメッセージを持つブランドは、広告表現も、SNS運用も、営業トークも、一貫して“伝わる”設計ができているのです

本記事では、「メッセージとは何か?」という基本的な問いから始まり、その定義、役割、種類、マーケティングにおける設計方法、実例、よくある誤解、そして“伝わるメッセージ”をつくるための原則まで、丁寧に解説していきます。

監修

Macromill News 事務局

監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

メッセージの定義:単なる“言葉”ではなく、“意味の設計”

マーケティングにおける「メッセージ」とは、ブランドや商品が「何を伝えたいか」、そして「それを誰に向けてどう伝えるか」を言語化・設計したものです

単に「キャッチコピー」や「タグライン」のことではありません。
メッセージとは、以下のような“情報の設計”そのものを指します。

構成要素内容
意図どんな価値を、誰に届けたいのか
表現どんな言葉やトーンで伝えるか
コンテキストどんな場面・メディアで発信されるのか
統一性全体で一貫性を保ち、認知と記憶に残るか
行動喚起受け手にどんなアクションを求めるか

メッセージとは、「商品やサービスの価値を、意味ある形で届けるための“戦略的な言葉”」です

なぜ“メッセージ設計”が重要なのか?

顧客は「何の機能を買うか」ではなく「何に共感するか」で選んでいる

機能価値が飽和した現代の消費者は、スペックや機能だけで商品を選びません。
その背後にある「ストーリー」「価値観」「世界観」といった“意味”に共感して初めて、購買行動に移ります。

メッセージは、商品と顧客の間に“共感の橋”を架けるための設計です

情報過多の時代に“覚えられる言葉”が武器になる

SNS、動画広告、サブスクインフルエンサー、バナー広告……。
膨大な情報が飛び交う中で、短い言葉で“伝えたいことを伝える力”は、かつてないほど価値を持っています。

強いメッセージは、「認知→理解→記憶→共有」までを一気に推進します

社内外の“共通言語”になる

  • 営業資料や提案書で使われる言葉
  • 広告代理店とのやり取り
  • SNSやPR記事のトーン
  • 新人研修や社内の説明資料

あらゆる接点で「このブランドは何を伝えたいのか」がブレていると、社内での意思統一も社外での信頼構築も難しくなります。

明確なメッセージは、ブランディングの“軸”であり、全員が立ち返る“土台”でもあるのです

よくある「メッセージの誤解」3選

1.「メッセージ=キャッチコピー」だと思っている

キャッチコピーはあくまで、メッセージの一部を表現した“短縮表現”です。
メッセージとは、「伝えたいことそのもの」であり、広告文の技法とは異なります

2.「メッセージは外部向けのもの」だと思っている

メッセージは、外部だけでなく内部(従業員・パートナー・株主)にも響くべきものです
むしろ、社内が共感していないメッセージは、外には届きません。

3.「一度作れば終わり」と思っている

社会やターゲットの価値観が変われば、伝え方も変える必要があります。
一貫性を保ちつつも、柔軟にアップデートされていくのが“生きたメッセージ”です

メッセージには“階層”がある:整理しないと“伝わらない”

メッセージ設計において重要なのは、「一つの言葉で全部を伝えようとしない」ことです
実際には、企業・ブランド・商品・サービスといったレイヤーごとに、それぞれの目的に応じたメッセージが必要です。

それらは“階層構造”を持ち、互いに関係し合いながら「一貫性」と「分かりやすさ」をつくっています。

コーポレートメッセージ(企業の存在理由)

企業としての「Why=なぜ存在するのか」を示すトップレイヤーのメッセージです。
ビジョン・パーパス・ステートメントと重なることもあります。

内容
社会における使命「人とテクノロジーの未来をつなぐ」
組織の価値観「正直であること。シンプルであること。」
長期的視座の問いかけ「100年後の笑顔のために。」

社内外に対して、“この会社が何のために存在しているか”を明確に伝える軸となります

ブランドメッセージ(ブランドの世界観)

ブランドとして「どう見られたいか」「どんな価値を届けたいか」を伝えるメッセージです。
広告・プロモーション・SNS・クリエイティブなど、ユーザーとの接点において最も使われるメッセージです。

内容
世界観「自分らしさを、もっと自由に。」
感情「あなたの一歩を、応援したい。」
トーン親しみ/信頼/挑戦/共感など

ブランドメッセージは、伝える手段が変わっても、変わらない“語りの中心”です

商品・サービスメッセージ(提供価値の明示)

個別の商品やサービスに関する「誰に、何を、どう届けるか」を示すメッセージです。
広告コピーや訴求軸、紹介文のもととなる部分です。

内容
ベネフィット「肌を守りながら、美しく整える」
差別化ポイント「1日1回でOK。他にはない持続力」
使用シーンの提示「朝の15分で、暮らしが変わる。」

商品メッセージは、検討・比較・購買の瞬間に最も機能する言葉です

キャンペーン/クリエイティブメッセージ(短期施策の訴求)

販促やプロモーションにおいて、特定期間・特定媒体で使用される“表現的メッセージ”です。
コピーライターが担う部分とも重なります。

内容
広告コピー「はじめよう、わたしを変える30日」
ハッシュタグ「#この瞬間が好き」
キャッチフレーズ「今だけ、もっと自由に。」

認知や共感、話題性を生む目的が強く、ブランドメッセージと矛盾しないことが重要です

“階層ごとの整合性”がブランドの強さをつくる

これらのメッセージ群は、バラバラに設計してはいけません。
どのメッセージも、「企業として何を大切にしているのか」に接続しておく必要があります。

階層例:コスメブランドの場合
コーポレート「すべての人に、選ぶ自由と選ばれる力を。」
ブランド「肌に悩む人を、もう一人にしない。」
商品「365日、揺らがない素肌へ。」
クリエイティブ「#もう隠さない。素肌でいこう」

このように、“言葉の一本筋”が通っていれば、どの接点からブランドに触れても“伝わるもの”が揺らがないのです

場面に応じた使い分けと“翻訳力”の重要性

よくあるのが、「ビジョンはあるけど、現場でどう伝えていいか分からない」という悩みです。
ここで必要になるのが、メッセージの“翻訳力”と“運用設計”です。

内部での共通言語化

  • ブランドメッセージを営業資料の中でどう伝えるか
  • 商品説明会や店頭トークで使いやすい表現に変換する
  • 研修・社内掲示・イントラ用コンテンツに落とし込む

社員やパートナーが自然とメッセージを“語れる状態”をつくることが、統一感を生みます

外部メディアや顧客接点での変換設計

  • PR用の言葉とWebコピーでトーンが合っていない
  • SNSではラフなのに、オウンドメディアでは硬すぎる
  • 説明会とチラシでメッセージが矛盾している

どの媒体でも「言葉は変えても、意味は同じ」にする必要があります

“伝わる”メッセージに共通する3つの条件

メッセージをつくるとき、つい「いい言葉を思いつこう」としてしまいがちですが、大切なのは“思いつき”ではなく“設計”です。
伝わるメッセージには、以下の3つの条件が必ず含まれています。

1. 明確である:何を伝えたいかが“一言で”言える

  • 抽象的すぎて、誰にでも当てはまってしまう
  • 言葉は綺麗だが、具体性に欠ける
  • 結局、何が強みか分からない

これらはすべて、「意味の設計が甘い」状態です。
“強いメッセージ”は、聞いた相手の頭の中に“ワンフレーズ”で残る構造になっています

2. 一貫している:どこで見ても“同じことを言っている”

  • 広告とSNSと営業資料で言ってることが違う
  • 商品説明とPR記事でトーンがバラバラ
  • 社員も顧客も「結局何が言いたいの?」と感じている

一貫性がないメッセージは、伝わらないどころか“信用されない”原因にもなります

3. 心が動く:自分ごととして“受け取られる”

  • 自分の悩みに応えてくれる
  • 行動したくなる、話したくなる
  • 胸に残る・口にしたくなる

これは、単に“正しい”メッセージではなく、“感情に触れている”メッセージです
伝えるだけでは足りない。「動かす」ことが目的です。

ユーザーを動かすメッセージ設計の3ステップ

ステップ1:「誰に・何を・なぜ」を明文化する

まず、以下のように「誰の、どんな状態を、どう変えたいか」を整理します。

要素設問例
誰に誰に向けて伝えるのか?(属性・心理・行動)
何を何を伝えたいのか?(価値・行動・世界観)
なぜなぜそれを伝える必要があるのか?(課題・期待・競合との差)

この段階ではまだ“言葉”にしなくてOK。
意味の輪郭を可視化することが目的です

ステップ2:「感情トリガー」を設計する

人が動くときには、必ず感情が介在しています。

感情の種類設計ポイント
安心信頼感・正しさ・根拠・実績
共感同じ気持ち・似た経験・価値観
驚き期待とのギャップ・意外性・突破口
憧れライフスタイル・理想像・ビジュアル訴求
緊張感限定性・希少性・時間制約

メッセージには必ず1つ以上“感情のフック”を込めましょう

ステップ3:伝えるフォーマットを選ぶ

メッセージにはいくつかの「型」が存在します。

以下は実務で使える代表的なフォーマットです。

「ベネフィット型」:変化を約束する

例:「1日たった5分で、英語が話せる自分へ」

ポイント:“自分に何が起こるか”を想像できること

「共感×提案型」:読者の心に寄り添う

例:「忙しくても、自分らしさはあきらめない」

ポイント:相手の悩みや状況に共鳴すること

「問いかけ型」:自分ごと化を促す

例:「最後に“自分の時間”を持てたのはいつですか?」

ポイント:読み手が考える時間を生むこと

「ストーリー型」:世界観に巻き込む

例:「肌の悩みを、わたしは“デザイン”で変えた」

ポイント:読み手が“自分もそうなれる”と思えるような構造に

メッセージとブランド:言葉の一貫性が信頼をつくる

メッセージは、単なるマーケティングの言葉ではありません。
それは、「このブランドは何を大切にしているか」「どんな約束をしているか」を体現する、ブランドそのものの“声”です。

だからこそ、ブランドとメッセージは切り離して語れません。
一貫性のあるメッセージこそが、ブランドへの“信頼”をつくるのです

ブランドは「言葉を持った存在」になっているか?

いまや、消費者はブランドに対して「物を売っている会社」以上のものを求めています。

  • どんな価値観を持っているのか
  • 社会に対してどんなスタンスなのか
  • 私たちとどんな関係を築こうとしているのか

これらはすべて、メッセージによって伝えられ、共感や応援という形で返ってくるのです

ブランドトーンとメッセージの統一が“人格”をつくる

強いブランドは、どのチャネルでも「同じ声」で語ります。

  • テレビCMで語っていることと、公式サイトが矛盾していないか
  • SNSでのラフな投稿も、根底にあるメッセージとズレていないか
  • 店頭スタッフのトークと広告コピーに共通の世界観があるか

メッセージとは、「人格をつくる言葉」であり、「信頼を育てる行動」でもあるのです

社内に“メッセージの共通言語”をつくるには?

どんなに良いメッセージでも、それが社内に伝わっていなければ、
現場ではバラバラな言葉が飛び交い、ユーザー体験に“ズレ”が生じます。

ブランドの強さとは、「誰が語っても、伝わることが変わらない」状態です
そのためには、社内への浸透と共通言語化が欠かせません。

メッセージを“見える化”し、いつでもアクセスできるようにする

  • ブランドブックやメッセージマップを社内Wikiに公開
  • スライドテンプレート・提案書フォーマットに反映
  • SNSや広告のトーンルールを言語化して共有

“言語の共通フォーマット”が整えば、現場の判断もブレなくなります

社員自身が語れるようになる“体験”をつくる

  • ワークショップ形式で「あなたならこのメッセージをどう伝える?」を体験
  • 新入社員研修で、ブランドメッセージを自分の言葉で説明させる
  • 営業やカスタマーサクセス部門が、メッセージを活用した事例を共有する

言葉を“使う”ことで、“自分のものになる”
これが、“共感”ではなく“共通”の強さを生む方法です。

メッセージを“アップデート可能”な文化にする

メッセージは、1回つくったら終わりではありません。
社会の価値観、顧客の変化、自社の進化に合わせて、“ブレずに変わる”設計が必要です。

  • 半年〜年1回のメッセージレビュー会議を設ける
  • 現場から「今のメッセージ、ちょっと届いてないかも」という声を拾える文化をつくる
  • 社内でメッセージ改善案を募集する制度も効果的

一貫性とは、“変わらないこと”ではなく、“本質を守りながら変わり続けること”です

まとめ:メッセージとは、“行動を引き出す構造”である

マーケティングにおけるメッセージとは、
単なるキャッチコピーやスローガンではなく、
ブランドの価値を、誰かの行動へと変換する“意味の設計図”です

  • “言うべきこと”を“届く言葉”に変換する
  • すべてのチャネルで一貫して“同じ意味”を伝える
  • 社内外で“共有できる言葉”として運用する
  • ユーザーにとって“動く理由”になる

この4つを兼ね備えたとき、メッセージは“人を動かす”力を持つようになります。

監修

Macromill News 事務局

監修:株式会社マクロミル マーケティングユニット

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

20万人以上が登録するマーケティングメディア「Macromill News」を起点に、マーケティング知見や消費者インサイトに関わる情報を発信。

用語検索

トレンド用語

関連セミナー

動画配信

【画像】ヤッホーブルーイング×Questant

2026/1/22(木)12:00〜1/23(金)12:00

ヤッホーブルーイングの広報担当に聞く!新たなビール文化を創造し続ける広報・マーケティング戦略とリサーチ活用術

  • #事例

動画配信

2026/1/26(月)12:00〜1/28(水)12:00

やさしくてわかりやすいデータ分析入門 ~「当てる」と「分ける」:予測と回答者のグループ化~

  • #学習

関連コンテンツ

プロモーションとブランディングの違い|関係性や手法を解説

プロモーションとブランディングは、短期的な売上と長期的な関係構築の違いがあります。どちらもマーケティングにおい…

  • エントリーコラム
コラム

P&Gも実践する「Connecting the Dots」 イノベーションを起こすための“新しい”価値の創り方

この記事の内容をさらに深堀りするイベントを開催! 博報堂×電通のトップクリエイティブ・ディレクターと米田氏が対…

  • マーケターコラム
ナレッジブログ

乱立するブランド指標や理論に惑わされない、売上を成長させるためのブランドマネジメント

売上責任のある事業部、ブランドマネージャー、製品企画、広告宣伝や、それらの部署と連携する調査/リサーチ部門にと…

  • マーケターコラム
ナレッジブログ

おすすめコンテンツ

ナレッジブログ

マーケティングリサーチ有識者の見解を知る

コラム

マーケティングの基礎を学ぶ

マーケティング用語集

基礎的な用語を身に付ける

市場調査レポート・お役立ち資料

明日から使えるデータと活用術を手に入れる

メールマガジン

マーケティングに関するホットな話題やセミナーなどの最新情報をお届けします