パネル調査とは?意味やメリット、実施手順をわかりやすく解説!

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2024/1/10(水)

自社のマーケティング戦略において、パネル調査を実施しようと考えている担当者もいるでしょう。パネル調査を実施すれば、消費者のニーズの変化を時系列で捉えられます。この記事では、パネル調査の意味やメリット・デメリットなどを解説します。パネル調査の活用例や具体的な手順についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

目次


パネル調査とは

パネル調査とは?

パネル調査とは、一定の期間をかけて同じ対象者に何度も同じ質問をする調査方法です。対象者を固定するため、「パネル化する」という意味でパネル調査とよばれています。毎回同じ対象者に質問し、対象者の意識や消費動向などの変化を時系列で捉えられます。パネル調査にかける期間は、調査の内容や目的によってさまざまです。数か月の場合もあれば数年の場合もあります。

パネル調査とアドホック調査との違い

パネル調査とアドホック調査との違い

アドホック調査とは、毎回異なる対象者に質問する調査方法です。調査のたびに対象者を選定します。アドホックとは「その場限りの」「取ってつけたような」「特定の目的のための」という意味です。アドホック調査は単発で行い、同じ対象者に1回しか質問しません。一方、パネル調査は定期的に実施し、同じ対象者に何度も質問します。

パネル調査の目的

パネル調査の目的

パネル調査の目的は、マーケティング戦略の立案です。消費者のニーズは時間の経過とともに変化するため、的確なマーケティング戦略を立てるには消費者についての調査が必要不可欠だからです。

パネル調査は特定の対象者に何度も質問するため、消費者のニーズの変化を捉えられます。たとえば、既存商品の改善や新規事業の立ち上げなど、さまざまな取り組みのために調査結果を役立てることが可能です。

参考:アンケートとは?目的や種類、質の高いアンケートを作るコツも解説

パネル調査のメリット

パネル調査のメリット

パネル調査には、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下でくわしく解説します。

対象者の変化を時系列で分析できる

パネル調査は継続的に何度も実施するため、対象者の変化を時系列で確認できます。毎回そのときの状況について回答してもらい、調査結果を蓄積していきます。具体的には、ある商品を購入した時間、場所、人、頻度、量などについて質問するため、対象者のニーズだけでなく、消費行動の変化についても把握可能です。

対象者が他社の商品に乗り換えた場合も、その経緯について情報を得られるため、競合他社への対策に役立てられます。

定期的な実施により対象者と信頼関係を築ける

パネル調査は対象者を固定して定期的に調査するため、対象者と信頼関係を構築できます。調査の回数を重ねるほど信頼関係が強化され、回答の質も高くなるでしょう。最初は当たり障りのない回答しか得られなくても、調査を何度も行っているうちに率直な意見が出やすくなります。

効率的な調査を実現できる

パネル調査は、他の調査よりも効率的に実施できます。対象者の基本情報を一度取得したら、その後は基本情報を確認する手間をかけずに本題の質問に入れます。それに対してアドホック調査は、毎回対象者が変わるため、基本情報も毎回確認しなければなりません。

また、パネル調査は毎回対象者を募集しなくて済む点もメリットです。

パネル調査のデメリット

パネル調査のデメリット

パネル調査にはデメリットもあります。ここでは、パネル調査のデメリットについて解説します。

途中離脱が発生する可能性がある

パネル調査は一定の期間をかけて実施する必要があり、対象者が途中で離脱する恐れもあります。対象者の離脱に備えるには、調査を開始する際に対象者を多めに確保するとよいです。あらかじめ対象者の離脱を見越したうえで調査を実施しましょう。また、対象者がなるべく負担を感じずに回答できるような配慮も必要です。

調査結果を活用できるまで時間がかかる

パネル調査は複数回実施する必要があり、調査結果をとりまとめて活用できる状態になるまで時間がかかります。パネル調査では何度も同じ質問をしなければならず、途中で調査内容を変えることもできません。調査を始める前に、長期的な目線で取り組めるか見極める必要があります。

パネル調査の活用の具体例

パネル調査の活用の具体例

パネル調査は、どのように活用されているのでしょうか。具体例を紹介します。

商品開発や既存商品の改善に活用する

パネル調査の結果は、商品の開発や既存商品の改善などに役立てられます。パネル調査では消費者のニーズや市場の動向の変化を時系列で把握できるため、どのような商品が求められているか検討するために活用できるでしょう。また、既存商品の売れ行きを伸ばすための改善やターゲットの再選定にも利用できます。

ブランディング・広報の戦略を策定する

自社の商品やサービスの認知度についてパネル調査を実施すれば、ブランディングや広報活動の戦略の策定にも活用できます。たとえば、新しい商品を発売した場合、それに対する施策の効果についてパネル調査を実施すると、時系列で効果を把握できます。適切な戦略を推進しやすくなるでしょう。

パネル調査の手順

パネル調査の手順

パネル調査を行う際には、どのように進めればよいのでしょうか。ここでは、パネル調査の手順について解説します。

調査目的の明確化

まず、パネル調査を実施する目的を明らかにしましょう。パネル調査は長期的に取り組む必要があるため、方向性を定めておくと最初から最後まで筋の通った調査を実施できます。たとえば「新規事業の計画のために消費者のニーズを細かく把握したい」など、具体的な目的を定めておくとよいでしょう。

参考:アンケートとは?目的や種類、質の高いアンケートを作るコツも解説

対象者の決定

パネル調査の対象者を決定します。最初に決めた目的を考慮し、目的に合致する対象者を選定しましょう。すでに触れたとおり、パネル調査では対象者が途中で離脱する可能性もあるため、対象者は多めに確保することが大切です。求める結果を得るために最低限必要な人数とともに、最後まで調査に協力してもらえる確率を考慮したうえで、対象者を集めましょう。

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調査設計・実施

調査設計においては、なるべく回答者に負担をかけないよう配慮しましょう。負担が少なければ、途中で離脱する可能性も下げられます。たとえば、難しい用語を使わないようにしたり、回答しやすい質問にしたりなどです。

調査設計を終えたら対象者へ配信して回答を集め、レポートなどにまとめます。その後、調査結果を施策に活かしましょう。

参考:アンケート結果のまとめ方とは?まとめる流れや分析方法なども解説

パネル調査の注意点

パネル調査の注意点

パネル調査の効果を高めるには、対象者の質が重要です。対象者の質が高ければ、精度の高い回答が集まりやすくなります。そのためには、調査設計において適切に回答しない対象者を除外する仕組みを考える必要があります。たとえば、いい加減な回答や虚偽の回答をする対象者を除外するための項目を用意するとよいでしょう。

また、質の高い対象者を集めているリサーチ会社に依頼して、パネル調査を実施する方法もあります。

パネル調査を実施するならマクロミル

パネル調査を実施するならマクロミル

マクロミルは、さまざまな対象者に調査を実施している会社です。20万人を超えるモニターがおり、自動車、金融、化粧品、住居などのカテゴリごとに利用状況を定期的に調査しています。対象者の細かい属性についても把握でき、よりくわしい分析も効率的に行えます。たとえば、自動車について、特定の車種を保有している人を絞り込んだ調査も可能です。

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まとめ

まとめ

パネル調査を実施すれば、時系列で消費者のニーズを捉えられます。長期的な取り組みが必要である点や途中離脱が発生する可能性などを考慮し、質の高い対象者を選定して調査を実施しましょう。

マクロミルでは、マーケティングリサーチデジタルマーケティングリサーチを中心に、消費者の情報を提供しています。マクロミルのデータとクライアントが保有するデータを融合させて活用する「データ利活用支援事業(データ・コンサルティング)」と、クライアントのマーケティング施策と連動するソリューションを提案する「マーケティング施策支援事業」を一気通貫で提供しています。

適切に調査を実施し、その結果を最大限に活かしたマーケティング活動を実現するために、ぜひご相談ください。

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