
ユーザーへのアンケート調査は、マーケティング戦略の1つといえます。しかし、アンケート調査を実施したいものの、どのような内容でアンケートを作成するべきかわからない人は多いようです。この記事では、アンケート作成のポイントや調査の回答形式、設問作成の例、注意点について解説するので、参考にしてください。
目次
アンケートの回答欄を作成する際のポイント
アンケートの回答欄を作成するには、いくつかのポイントを押さえましょう。ここでは、5つのポイントについて解説します。
アンケートを実施する目的を明確にする
アンケートの回答欄を作成するには、まずアンケートを行う目的や、質問ごとの目的を明確にしましょう。アンケートの目的をユーザーに伝えられると、回答の重要性を理解してもらいやすくなります。また、目的を明確にしておくことで、アンケート結果を次のアクションへつなげられます。
参考:
アンケートの作り方|5つの作成ステップやサービスの改善につなげるコツも解説
シーンに合わせて媒体を決める
アンケート方法には紙やデジタルツール、オンラインがあるため、シーンに合わせて媒体を決めることも大切です。オンラインアンケートは、データの収集や分析が容易なだけでなく、導入コストが少ない点もメリットです。紙のアンケートはユーザーが来店したときや、オンラインのツールに不慣れな年齢層に適しています。
質問項目は最低限にする
質問数や回答数が多いアンケートは、ユーザーにとってメリットがないため、質問項目は最低限にしましょう。アンケートを見たユーザーが「時間がかかりそう」「面倒くさい」と思えば、回答率は下がります。反対に、答えやすい質問や内容のアンケートは、回答率が上がる傾向があります。
質問の順番を意識する
アンケートの質問内容が行ったり来たりすると、ユーザーは混乱して回答に時間がかかります。ユーザーの混乱を避けるために、アンケートに記載する質問の順番は、流れや時系列を意識して決めましょう。1つの項目を深掘りしたい場合は、全体から深掘りしたい内容の順番で質問をすると、ユーザーが回答しやすくなります。
回答率を上げるためにメリットを提示する
特典やプレゼントなどのメリットを提示すると、アンケートに回答してくれるユーザーが増えます。ユーザーにとってのメリットを提示する方法は、質問が多く回答時間のかかるアンケートや、回答サンプルを多く集めたい際に有効です。特典やプレゼントは、回答者全員ではなく、抽選で数名へのプレゼントにしてもよいでしょう。
アンケート調査の回答形式
アンケート調査の回答形式には、どのような種類があるのでしょうか。ここでは、7つの回答形式について解説します。
単一回答
単一回答は、1つの質問に対して複数の選択肢を提示して1つだけ回答を選ぶ回答形式で、シングルアンサーや略してSAとも呼ばれています。質問の聞き方と選択肢の例は、以下のようになります。
- 質問
- あなたが直近で商品Aを購入した場所はどちらですか
- 選択肢
- スーパーマーケット/コンビニエンスストア/デパート/ネットスーパー/その他
複数回答
複数回答では、1つの質問に対して当てはまる回答を複数選ぶ回答形式です。複数回答は、マルチアンサーや略してMAとも呼ばれており、回答数に制限のあるものとないものがあります。質問の聞き方と選択肢の例は、以下の通りです。
- 質問
- あなたが好きな映画のジャンルを全て選んでください
- 選択肢
- コメディー/サスペンス/ホラー/ラブストーリー/SF/その他
段階回答
段階回答は、段階に区切られた選択肢から1つだけ選ぶ回答形式で、スケール回答とも呼ばれています。評価や満足度などの度合いを調査する際に、おすすめの回答形式です。質問の聞き方と選択肢の例は、以下のようになります。
- 質問
- 商品Aの味に対する満足度を1つだけ選んでください
- 選択肢
- 満足/やや満足/どちらともいえない/やや不満/不満
マトリクス回答
マトリクス回答は、1つの質問でユーザーに複数項目を回答して欲しい際に、表形式でまとめた回答形式で、マトリクスアンサーや略してMTとも呼ばれています。質問の聞き方は、以下のようになります。
- 質問
- あなたが利用している店舗をそれぞれ選んでください。
自由回答
自由回答は、質問に対して文章や単語などを自由に答えてもらう回答形式です。フリーアンサーやオープンアンサー、略してFAやOAなどとも呼ばれています。質問の聞き方の例は、以下の通りです。
- 質問
- サービスAを利用したいと思った理由をご自由にお書きください。
二項目選択式回答
二項目選択式回答は、質問に対し「はい」か「いいえ」の二者択一で答える回答形式で、Yes/No形式とも呼ばれています。二項目選択式回答には、ユーザーが短期間で回答でき、企業は分析がしやすいメリットがあります。質問の聞き方の例は、以下の通りです。
- 質問
- あなたは商品Aが好きですか
- 選択肢
- はい/いいえ
順位回答
順位回答は、企業が用意した選択肢に、ユーザーが「1位」「2位」などのように順位をつける回答形式で、完全順位付けとも呼ばれています。回答方法には、選択肢に全て順位をつける場合と、順位に制限を設ける場合があります。質問の聞き方の例は、以下の通りです。
- 質問
- 商品AからGまでで、あなたが好きだと思った順に順位をつけてください。
【回答別】アンケートに記載する質問例文
アンケート調査では、目的に合わせて適切な質問をすることが大切です。ここでは、3つの調査内容に沿ったおすすめの例文を解説します。
ユーザーの情報を引き出したい場合の例文
ユーザー自身の基本的な情報を引き出したり、マーケティングの制度を高めたりしたい場合の例文は、以下の通りです。
- あなたの氏名、年齢、住所、職業、家族構成について教えてください
- あなたは、商品◇◇◇をどのくらいの頻度で使用していますか
- ◇◇◇社の〇〇サービスについてどのくらい満足していますか
- あなたはどのようなときに、その悩みを強く感じますか
集客に役立てたい場合の例文
集客に役立てるために、商品やサービスを知ったきっかけを知りたい場合の質問は、以下のような例文がおすすめです。
- あなたは商品〇〇〇をどこで知りましたか
- なたはどのような言葉でGoogle検索をしましたか
- あなたがSNSで検索した言葉を教えてください
- あなたがこのサービスをはじめて知ったタイミングはいつですか
広告での訴求文作成に役立てたい場合の例文
テレビCMや雑誌広告などの広告施策の浸透した状況や、広告に対する印象などを把握するためのアンケートでは、以下のような質問例文になります。
- このインターネット広告を見たことがありますか
- この広告を見てどのような印象を受けましたか
- 同ジャンルの商品を比較するときの基準はどれですか
- テレビCMを見て、サービスを受けたいと思いましたか
アンケートを作成する際の注意点
ユーザーが回答しやすいアンケートを作成するには、注意すべき点があります。ここでは、3つの注意点について解説します。
質問文を長くしたり難しい表現を多用したりしない
アンケートの質問文が長すぎると、ユーザーは最後まで読んでくれません。また、専門用語や難しい表現が多すぎると、途中で離脱するユーザーが多くなるため、注意しましょう。質問文はできるだけシンプルにわかりやすくすることが、ユーザーの回答負荷を抑えるポイントになります。
質問に偏見や先入観を含まない
偏見や先入観を含む質問は、正確なアンケート結果が得られなくなる恐れがあります。質問が誘導的だったり、同意を誘うような要素が入ったりした質問も、アンケート結果があやふやになる傾向があります。また、偏見や先入観を含む質問は、回答したユーザーに不快な印象を与えることもあるため、注意してください。
個人情報の取り扱いには注意する
アンケートにユーザーの名前や連絡先を記載してもらう場合には、個人情報保護方針についての記載が必要です。また、アンケート結果の取り扱いについても、アンケート内に記載しておくことが望ましいといえます。アンケートを作成する際には、個人情報の取り扱いについて正しく理解しておくことが大切です。
まとめ
アンケートは、目的を明確にしたり質問項目を最低限にしたりすると、ユーザーが回答しやすくなります。効果的なアンケートを作成できれば、マーケティング戦略における調査に役立ちます。自社で適切なアンケートを作成することが難しい場合は、専門会社に依頼することをおすすめします。
マクロミルでは、マーケティングリサーチとデジタルマーケティングリサーチを中心に、多様な社会・消費者ニーズを分析し、クライアントに的確な消費者インサイトを提供しています。アンケートの作成を検討している企業の担当者は、ぜひご利用ください。
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