クッキーレスとは?クッキーがマーケティング施策に及ぼす影響と対策を解説

カテゴリー
エントリーコラム

2023/9/4(月)

インターネットの普及により生まれたクッキーという仕組みは、企業のマーケティング戦略に大きく貢献しています。この記事では、クッキーレスの意味やクッキーレスが及ぼすマーケティングへの影響について解説します。クッキーの意味や種類、クッキーレスに備えて実施すべき4つのマーケティング施策も併せて解説しますので、参考にしてください。

目次

クッキーとは

クッキーは、Webサイトへアクセスした際に、Google ChromeやFirefoxなどのブラウザに保存される情報のことです。クッキーを活用することにより、ECサイトで一度カートに入れた商品が、再アクセス後もカートに残ったり、過去にログインしたことがあるサイトで、IDやパスワードの入力が不要になったりします。

クッキーは、ユーザーがより快適に情報を閲覧できるようにつくられた仕組みです。

クッキーの種類

Webサイトが発行するクッキーには、3つの種類があります。以下で、それぞれの意味について解説します。

ファーストパーティークッキー

ユーザーが閲覧しているWebサイトが発行するクッキーが、ファーストパーティークッキーです。ファーストパーティークッキーは、閲覧中のWebサイトのドメイン内に使用が限定されます。異なったドメインのWebサイトでは使用できません。ファーストパーティークッキーは、Webサイトの運営者が自身のサイト内で利用するために発行されます。

セカンドパーティークッキー

他社が取得したファーストパーティークッキーが、セカンドパーティークッキーです。セカンドパーティークッキーは、対象とするWebサイトを訪れた人に向けたマーケティング施策に役立ちます。自身の運用しているサイトで発行したファーストパーティークッキーを、セカンドパーティークッキーとして他社に販売するビジネスも存在しています。

サードパーティークッキー

ユーザーが閲覧しているWebサイト以外が発行するクッキーが、サードパーティークッキーです。サードパーティークッキーの特徴は、ドメインが異なるWebサイトでも活用できる点です。

サードパーティークッキーは、ユーザーの行動分析による「行動ターゲティング広告」で利用されています。ユーザーが過去に閲覧したWebサイトと関連した広告が表示されるのは、サードパーティクッキーによるものです。

クッキーレスとは

クッキーレスは、サードパーティークッキーの取得に制限がかかる状態です。サードパーティークッキーを廃止する社会の動きや、実際に廃止になった未来を指して使われます。アフタークッキーやポストクッキーは、クッキーレスの別名です。AppleやGoogleなどをはじめとする世界的な大企業も、クッキーの制限に向けて動き出しています。

クッキーを取り巻く問題

クッキーは、データ分析やインターネット広告で活用され、Webマーケティングに大きく貢献している仕組みです。一方で、ユーザーが把握していないところで自身の過去の検索行動に関する情報が取得され、企業に利用されている点が問題になりました。世界的に問題視されたことをきっかけに、サードパーティークッキーに対して規制が進んでいます。

クッキーレスは2つの規制によって生まれた

クッキーレスを引き起こしている2つの規制は、OSやブラウザによる規制と法律による規制です。個人情報がユーザーの知らない間に第三者に渡っていることが問題視され、米国や欧州、日本でも、法律によるサードパーティークッキーの規制が始まりました。

Appleの提供するSafariや、Googleが提供するGoogle ChromeといったOSやブラウザでも将来的なサードパーティークッキーの規制を発表しており、すでに規制を始めたケースもあります。

クッキーレスが及ぼすマーケティングへの影響

クッキーレスにより危惧されているのは、マーケティング戦略への影響です。以下で、2つの影響について解説します。

ユーザーの行動履歴によるターゲティングができなくなる

クッキーレスになると、ユーザーのWebサイトへの訪問履歴が追えなくなります。ユーザーの訪問履歴が取得できない状態では、ユーザーの行動履歴や属性を活用した広告配信はできません。結果として、収益の低下や既存のマーケティング戦略の崩壊を招くでしょう。

企業のサービスや商品を、興味のある人に見つけてもらうことは、マーケティング戦略のなかで重要です。サードパーティークッキーの規制により、ユーザーの行動履歴や属性によるターゲティングができなくなります。

広告の効果計測に制限が生まれる

Web広告の効果計測には、クッキーが活用されています。今後クッキーレスによってクッキーの保存期間が短縮されると、Web広告の効果計測に影響がでます。保存期間を過ぎたクッキーは参照できないため、Web広告の効果計測ができなくなります。

保存期間内のクッキーであれば効果計測は可能ですが、効果計測の精度は今までと比較すると低下してしまうでしょう。結果として、Web広告運用で得られていた効果が低下する事態につながります。

クッキーに代わり注目されている技術

クッキーレスの対策として、企業はクッキーの代替技術に注目しています。以下で詳しく解説します。

フィンガープリント

フィンガープリントは、Webページ読み込みの際にブラウザから取得する情報で、個人を特定できる技術です。フィンガープリントで取得できる情報には、ブラウザやOSの種類、ブラウザやOSのバージョン、インストールされているプラグインなどがあります。取得した情報は、暗号化して管理されます。

プライバシーサンドボックス

プライバシーサンドボックスは、Google Chrome内の非特定化されたシグナルを使い利益をあげる技術です。5つのAPIで構成され、Web広告の効果測定とターゲティング、詐欺の防止ができる技術としての開発を目標としています。プライバシーサンドボックスの特徴は、ユーザーを個人ではなく、似た興味や関心を持っているグループとして処理する点です。

Googleが開発を進めているTopics

Topicsは、Googleが開発を進めているプライバシーサンドボックスの1つです。Topicsは、ユーザーの閲覧履歴をもとに、ユーザーが興味を持つと見込まれるトピックを保存します。ユーザーは、Topicsを使うWebサイトへのアクセス時に、保存したトピックの中から興味のあるものを選択し、選択されたトピックはWebサイトの運営者が活用するという仕組みです。

クッキーレスに備えて実施すべきマーケティング施策

企業は、クッキーレスに今の内から備える必要があるでしょう。以下で、クッキーレスでも役立つ施策を紹介します。

自社コンテンツの強化

クッキーレスによる、Web広告の効果減少に備えるためには、広告に頼り過ぎない集客システムの構築が重要です。集客システムの構築方法の1つに、ブログやオウンドメディアの強化があります。ブログやオウンドメディアは、GoogleやYahoo!などのユーザーを集客できる点が特徴です。自社のコンテンツを強化し、サービスや商品の魅力を伝えましょう。

ファーストパーティデータの最大化

クッキーレスが進んでも、ファーストパーティークッキーは今後もマーケティング施策に活用できます。ファーストパーティークッキーは、ユーザーに許諾を得た範囲で自由に活用できる情報です。ファーストパーティークッキーと広告配信プラットフォームの登録情報が揃うことで、ユーザーの行動計測ができます。

今後に向け、ファーストパーティークッキーを使った新しい戦略を検討しましょう。

コンテキストターゲティングの活用

コンテキストターゲティングは、Webページ上のコンテンツ内容をAIが分析し、関連性のあるコンテンツを持ったWebページへ広告を配信する手法です。コンテキストターゲティングであれば、クッキーレスであっても、自社サービスや商品に興味のあるユーザーへマーケティング施策を実施できます。

代替技術の活用

クッキーを利用しない広告配信の代替技術開発は、現在も進んでいます。クッキーの代替技術の代表例として、Googleが開発を進めているTpicsが挙げられます。Topicsを活用することで、ユーザーの匿名性は保ったまま、ユーザーの関心に合わせたWeb広告の配信が可能です。

代替技術は、自社サービスや商品に興味があるユーザーへのマーケティング施策に活用できるものであるかが重要となるでしょう。

マーケティング施策の立案、広告配信から運用までをサポート

総合マーケティング支援企業のマクロミルでは、「マーケティング施策支援事業」を一気通貫で提供しています。多様なデータ基盤を活用し、プランニング、広告配信、効果測定に至るまで、マーケティングにおける広告・宣伝領域におけるPDCAをワンストップで支援します。

調査結果をもとにしたプロモーションプランの策定や、プロモーション施策実行~効果検証など、リサーチを活用した販促支援も可能です。

マーケティングプロモーションを詳しく見る >

まとめ

クッキーレスは、サードパーティークッキーの取得に制限がかかる状態です。クッキーレスにより、ユーザーの属性や行動履歴を利用した広告配信ができなくなり、Web広告の効果計測にも、かつてなかった制限が生まれます。クッキーレスが本格化する前に、クッキーレスに備えたマーケティング施策の検討が重要です。

マクロミルは「マーケティング施策支援事業」を一気通貫で提供できる総合マーケティング支援企業です。多様な社会や消費者ニーズを分析し、クライアントに的確な消費者インサイトを提供します。インサイトマーケティングの施策を始める際に、ぜひご利用ください。

マーケティングリサーチを相談する

コンサルティング営業が目的に沿ったデータ取得方法を提案します。
まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。

無料で相談する

オンラインリサーチ

オンラインリサーチ

豊富な機能と柔軟な調査システムでお客様のマーケティング課題にお応えします

こちらもオススメ

マーケティングリサーチ超入門

資料をダウンロード

カテゴリー

アクセスランキング

ナレッジブログランキング

メールマガジン

マーケティングに関するホットな話題やセミナーなどの最新情報をお届けします

おすすめコンテンツ

ナレッジブログ

マーケティングリサーチ有識者の見解を知る

コラム

マーケティングの基礎を学ぶ

マーケティング用語集

基礎的な用語を身に付ける

市場調査レポート・お役立ち資料

明日から使えるデータと活用術を手に入れる

メールマガジン

マーケティングに関するホットな話題やセミナーなどの最新情報をお届けします