
プロモーション戦略は、商品・サービスの認知度を高めたり、売上を向上させたりする取り組みです。広告やセールスプロモーションといった手法を活用して、販促活動をします。この記事では、プロモーション戦略の概要やマーケティング戦略との違いなどを解説します。メリットや手法、注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
プロモーション戦略とは
プロモーション戦略とは、商品・サービスの販売を促進する取り組みです。顧客とのコミュニケーションを通じて態度を変容させ、認知の向上や新規顧客の獲得、販売量の増加につなげます。プロモーション戦略を立てる際は、自社の状況を考慮して目標やターゲット、手法などを決める必要があります。
プロモーション戦略とマーケティング戦略の違い
マーケティング戦略は、商品・サービスの提供を通して価値をつくり、正当な利益を得るための仕組みです。市場分析・製品設計・価格戦略・流通・プロモーションなどを統合的に設計する上位概念であり、プロモーション戦略はその中の一要素です。
プロモーション戦略と販売戦略の違い
販売戦略は、商品・サービスを効果的に販売するための計画です。たとえば、オンラインショップでの販売やディスカウント価格での提供など、具体的な販促活動の手法を指します。販売戦略が「どこで・いくらで・どう売るか」に焦点を当てるのに対し、プロモーション戦略は「どう伝えるか・どう興味を喚起するか」までを含みます。
マーケティングにおける重要な基礎知識
プロモーション戦略を立てる際は、マーケティングの知識が必要です。ここでは、よく使われる用語や基礎知識などを解説します。
4P
4Pとは、商品・サービスの販売において、売り手の視点で重視する4つの要素です。
| Product | プロダクト(製品) |
|---|---|
| Price | プライス(価格) |
| Place | プレイス(場所) |
| Promotion | プロモーション(販促) |
4Pを分析することで、効果的に実行できる戦略を構築できます。
3C
3Cとは、事業を評価するための3つの環境要因です。
| Customer | カスタマー(顧客) |
|---|---|
| Competitor | コンペティター(競合) |
| Company | カンパニー(自社) |
3Cは「自社」「競合」「顧客」という外部・内部環境を包括的に分析する枠組みです。それぞれを比較して分析すると、新規事業の立ち上げや既存事業の改善などに役立ちます。4Pと組み合わせると、より効果的なマーケティング戦略を立案できます。
AIDMA
AIDMAは、消費者の購買プロセスを5つに分けたフレームワークです。
| Attention | アテンション(注意) |
|---|---|
| Interest | インテレスト(興味) |
| Desire | デザイア(欲求) |
| Memory | メモリー(記憶) |
| Action | アクション(行動) |
上記によって購買の順序を体系立てて理解を促し、マーケティング戦略の立案に役立てます。
企業がプロモーション戦略を活用するメリット
プロモーション戦略は、認知や顧客獲得につながる活動です。ここでは、プロモーション戦略のメリットについて解説します。
商品・サービスの認知度が向上する
プロモーション戦略によって、自社の商品・サービスの認知度が向上し、マーケットでの注目を集めやすくなります。その結果として、将来的な売上や消費者からの信頼獲得につながります。認知度の拡大は、消費者の興味関心や比較検討を促して、購入や申し込みの行動に移る可能性を高めます。
新規顧客の獲得につながる
自社の商品・サービスの認知度が高まると、新たな顧客の獲得につなげられます。購入・利用経験のない人にアプローチをすることで新規顧客となり、売上が拡大しやすくなります。特にインターネット上でのプロモーションを実施すると、幅広い層への効率的なアプローチが可能です。
消費者との関係構築ができる
プロモーション戦略は、消費者との関係を構築する取り組みでもあります。長期的な関係を続けることは、自社の商品・サービスの継続利用につながります。効果的な戦略を実施すると、競合他社から類似商品が販売されている場合でも、価格以外の面で価値を認識させられます。
ブランドイメージを形成できる
プロモーションは企業の価値観や理念を伝えられるため、ブランドイメージの構築に有効です。消費者が企業のブランドに共感すると、より長期的な関係構築につなげられます。独自の魅力を感じてもらうプロモーションを実施することで、ブランド価値も競合他社と差別化できるでしょう。
プロモーションの4つの手法
プロモーションには、広告やセールスなどの手法があります。ここでは、4つの手法について解説します。
1. 広告
広告は自社の商品・サービスを告知する手段です。インターネット広告を掲載する際には、Webサイトや動画などの媒体を活用します。マス広告の場合は、新聞や雑誌といった従来のマスメディアが対象です。近年では、駅や商業施設、交通機関などで動画や画像を配信する「デジタルサイネージ広告」も普及しており、オンラインとオフラインを組み合わせた統合的な広告展開が可能です。
2. セールスプロモーション
セールスプロモーションとは、ターゲットに直接アピールする手法です。たとえば、無料サンプルを配布したり、展示会やイベントでデモンストレーションを実施したりします。商品・サービスをターゲットに直接体験してもらって、購入につなげることも可能です。また、自社との関係構築のために、セールスプロモーションを実施するケースもあります。
3. 人的販売
人的販売とは、実際に顧客と接触する販売活動です。たとえば、店頭販売や訪問営業、購入後のアフターフォローなどです。見込み顧客や既存顧客とコミュニケーションを取り、新規顧客やリピーターとなってもらえるように働きかけます。直接やり取りすることでターゲットの購買意欲を高め、信頼感の向上にもつながります。
4. 広報
広報とは、新聞や雑誌・テレビなどを通じてブランディングやイメージ形成を図る活動です。別名「PR(Public Relations)」とも呼ばれ、商品・サービスのイメージアップを図ります。広報では、プレスリリースの配信を行ったり、マスコミ向けイベントを開催したりします。協賛や慈善活動の参加なども活動の一環です。
プロモーション戦略のポイント
プロモーション戦略では、目的や顧客などを明確にすることが重要です。ここでは、プロモーション戦略のポイントについて解説します。
目的を明確にする
プロモーション戦略は、目的を明確にした上で実施します。たとえば、認知度の拡大やコンバージョン率の向上、販売数の増加などです。先述した3Cを分析し、顧客と市場、自社を比較した上で目的を明確にします。その後は具体的な数値目標を定めて、達成度合いの判断ができるようにしましょう。
ターゲットとなる顧客を決める
ターゲット設定は、プロモーション成果につなげる上で重要です。自社の商品・サービスと相性のよいターゲットは、年齢や性別、ライフスタイルなどを考慮して設定します。ターゲットが曖昧になると、施策の方向性が定まりません。顧客の傾向分析やアンケート調査などを活用し、事実やデータに基づいた人物設定をしましょう。
BtoC商材とBtoB商材を使い分ける
プロモーション戦略は、BtoC商材かBtoB商材かによって、手法を使い分ける必要があります。BtoC商材は一般消費者を対象としているため、認知度の向上が求められます。マスメディアに広告を掲載して認知度を拡大し、直接のアピールや販売につなげることが重要です。
BtoB商材は企業に向けて販売するため、見込み客との関係構築が重視されます。そのため、展示会での直接のアプローチや営業担当者の訪問などが最適です。
効果測定と改善を繰り返す
プロモーション施策は、効果測定と改善を繰り返します。はじめに数値目標の達成度合いを確認し、効果測定をします。また、商品・サービスの売上やブランドの認知度、検索回数の推移などの効果も分析します。プロモーションの良かった点と改善点を抽出し、改善を繰り返して精度を高めることが重要です。
まとめ
プロモーション戦略とは、商品・サービスの認知度や販売数などを向上させる取り組みです。最適な手法を選ぶことで、顧客との関係構築やブランドイメージの向上にもつなげられます。自社の状況を考慮して目的やターゲットを設定し、適切なプロモーションを実施しましょう。
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