MDS(多次元尺度構成法)

MDS(Multi-dimensional scaling)とは、多次元尺度構成法の略称で、複数の異なる手法の総称です。

MDS(多次元尺度構成法)の考え方

ここで用いる手法は、いくつかのブランドなどがありそのブランド同士が似ているかどうかという度合いのデータの一覧表(ブランドの類似度マトリクス)から、ポジショニングマップを作ろうというものです。

図1は自動車メーカーの類似性について、同一のものを10とし、似ているものほど大きい数字を入れたデータです。このように、一対のブランドや商品の対戦表があれば、MDSを使うことができます。

たとえば、世界の都市を結ぶ航空路の所要時間が図1のように表わされていたとすれば、おおよその世界地図(都市のポジショニングマップ)が書けるという事なのです。距離だと似ているものほど小さい数字になるので、類似性とは大小が逆のデータであることに注意してください。データとしては、何らかの類似性や関連性、親近性、相関、距離感などがあれば、MDSを用いる事ができます。

MDSには、距離などの数量的なデータを扱う計量MDSと、順序尺度で測定された親近性を評価する非計量MDSの2種類があります。数量的というのはきちんとした原点と単位が定められた測定値を意味します。「親近性」の場合は似ているかどうかのイメージ的な測定値で構いません。

A社 B社 C社 D社 E社
A社 10
B社 1 10
C社 6 2 10
D社 3 3 4 10
E社 5 3 4 3 10

図1 自動車メーカーの類似性データ
※データはダミーです

MDS(多次元尺度構成法)の結果

図2にMDSのアウトプットイメージを示しました。似ているブランド同士は近くにプロットされ、似ていないブランドほど遠くにプロットされます。例えば、A社とC社は類似度が6なので、最も近くにプロットされています。また、A社とB社は類似度が1なので、最も遠くにプロットされます。

自動車メーカーの類似度をMDSを用いてプロットしたマップ(イメージ)

図2 自動車メーカーの類似度をMDSを用いてプロットしたマップ(イメージ)

MDSの結果は、各ブランドなどの相対的な位置関係だけを表わしているので、軸の方向性に意味はなく、任意の方向に回転させる事ができます。世界地図には東西南北がありますが、地球儀を回転させても何ら問題が起きない事で、容易に想像がつくと思います。軸の解釈は、マップを回転し、軸の両端付近にある対象の特徴から意味を推測する方法がよいと思いますが、必ずしも軸を解釈できるとは限りません。

採用する軸の数に関しては、ストレス値といわれるデータとモデルの乖離量を用います。 主成分分析と根本的に異なることは、空間座標が次元数と独立に定まらないことです。とてもややこしいのですが、2次元まで出した時の2次元の空間布置と、3次元まで出した時の2次元の空間布置は異なります。主成分分析であれば2次元の解は変わりません。

ストレスという指標も多次元空間全体として評価されるので、因子分析と同じように次元を適当に切るということはできません。

(参考文献)朝野熙彦(2010)「最新マーケティング・サイエンスの基礎」講談社

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