ブランドリフト調査とは出稿した広告が顧客の態度変容に寄与できたのかを把握するための調査のことです。今回の記事ではセールスリフトとの違いや、なぜブランドリフト調査が必要なのか、ブランドリフト調査が特に必要な商材について解説していきます。
目次
セールスリフト調査との違いはなにか
ブランドリフト調査は、接触した人が「どんな気持ちの変化があったか」というのを、接触ログと意識調査を組み合わせて分析することです。
対して、セールスリフトは、Web広告に接触した人がその後実際に商品購入したか、というのを、接触ログと購買データを組み合わせて分析することです。セールスリフトは、日用消費財系のマーケターにとって「このYouTube広告はどれだけ売上に寄与したのか?」を分かりやすく計測できる方法です。
なぜブランドリフト調査(態度変容調査)が必要なのか?
Web広告の歴史について
まずWeb広告の歴史について解説します。1995年頃から「バナー広告」「メール広告」が始まったあと、リスティングやアフィリエイトといったダイレクト指標・成果報酬型の広告が多くなりました。
2005年頃から、行動ターゲティング広告(behavior Targeting)やアドネットワークが出現し始めましたが、同じくダイレクト指標に寄った広告です。この辺りから、媒体レポート(IMP/CTR/CVR/CPI等など)もしっかり定義されはじめました。
例えば「100万円Web広告を出稿したら、どのくらい直接指標で良い効果が得られるか」がシビアにトラッキングされるようになり、そのシビアさから益々ダイレクト系クライアントの刈り取り目的出稿が台頭していきました。
変化が起きたのは2012年頃からの動画広告が始まってからになります。当時の動画広告は、各プラットフォーマーの静止画バナー枠に、GIFアニメのようなインバナー形式で動画が流れるものでした。ここからYouTube広告に変化していきます。
Web広告効果の測り方
Web広告の歴史もあり、テレビCM素材をYouTubeのインストリーム枠に配信してみても、ダイレクト指標で判断すると全く効果が出ず広告をやる必要があるのか?効果をどう考えたらいいのか?という声が出始めました。
では出稿した広告をどう評価すべきか?となったときに「態度変容に寄与できたか」が新しい指標になっていきました。態度変容に寄与できたか判断するために、購入や、利用の手前の「中間指標」として、認知や興味喚起のきっかけになったかを調査で見るのが一般的になりました。
テレビCMに対しても、意識調査で効果測定を行って結果を振り返ることは多数ありました。しかしWeb広告の場合、「少ない予算で・狙った人たちに」リーチしているので、意識調査を行おうとしても動画広告を見た人が出現しないという問題が発生します。そのため、ログ判定と調査を組み合わせる手法が最適解となって成立しました。
ブランドリフト調査(態度変容調査)が特に必要な商材
ブランドリフト調査と相性がいい商材
商材カテゴリで相性が良いのは「購入や利用までの検討期間が長い商品」です。また、商材ステイタスで相性が良いのは「新商品」で、認知獲得フェーズのものです。
広告から直接コンバージョンが計測できるような商材は、ブランドリフト調査の必要性が少ない場合が多いです。例えば、ネット保険のような商材は広告からそのまま申し込むことができるので出稿対効果がすぐにわかります。
しかし、車のような商材はそのまま購入することができないので、「ディーラーに行こうと思った」「買い替え検討したくなった」という、気持ちの変化が出せれば広告として十分に効果があったと言えます。
棚取りの事例
また食品系に関しては、TVCMの場合、「7月に全国で5,000GRP出稿します」とメーカーが流通のバイヤーに営業をすると、店頭での棚取りに対して効果があります。
※GRP…Gross Rating Point(グロス レイティング ポイント)。テレビCMにおける広告出稿の視聴率を合計した数値。
しかし「YouTubeに1,000万円出稿します」と営業しても、どれだけ効果があるのか?認知があるのか?がわかりにくく、棚取りが難しくなります。
そのためブランドリフト調査を行って、「YouTube広告により、何%認知に寄与し一定の人数をリーチさせられたので効果があります」と営業活動の際にセットで伝えることでより棚取りに説得力を持たせることができます。
マクロミルでブランドリフト調査を行うことのメリットは?
メディアが提供するブランドリフト調査との違い
- 自由度の高い設計
- 調査回答品質の担保(アンケートモニタとしてしっかり管理された人たちが回答するため)
- メディア横断した評価ができる
他調査会社が提供するブランドリフト調査との違い
- 業界最大級のパネル数
- 測定精度の高さ
- 調査設計・分析についてプロフェッショナルが多い
マクロミルのデータ提供サービスはWeb広告のブランディング効果を可視化できる効果検証が可能です。 Web広告の認知効果や態度変容効果を可視化し、ファネル上位を構成するターゲット層や新規ユーザーの認知・ブランドリフトをどれだけ促進させることができたか、興味層・購入検討層をどれだけ増加させることができたかを可視化します。
まとめ
ブランドリフト調査とは広告がどれだけ態度変容に寄与できたかを把握するための調査です。ブランドリフト調査は広告効果を客観的かつリアルタイムに確認することができます。適切な改善手法を組み合わせることで広告の効果をより高めることができるでしょう。
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