インサイトとは?マーケティングに活用する方法やポイントなどを解説

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2023/7/24(月)

インサイトマーケティングは、新時代のマーケティング手法です。リサーチ重視の手法では捉えにくい消費者の購買心理を把握でき、新商品の開発や新市場の開拓などに対応できます。この記事ではインサイトの概要やインサイト産業の転換期、メリット・デメリットについて解説します。自社のマーケティングにインサイトを活用する際に、ぜひ参考にしてください。

目次

インサイトとは

インサイトとは、消費者本人が気づいていない無自覚の欲求を指します。消費者インサイトや顧客インサイトの他に、ユーザーインサイトなど別の呼び名で示す場合もあります。

インサイトは心の奥底にある欲求を刺激し、消費活動や購買意欲の促進が可能です。消費者が言語化できない欲求を探り、マーケティングや商品開発に取り入れることで本当に満足できる商品やサービスを提供できます。マーケティングの戦略上、消費者が自覚していない欲求に訴求することは重要です。

参考:顧客満足度調査とは?手法、指標、手順、調査票の作成方法など

インサイトとニーズ・ウォンツの違い

インサイトとニーズ・ウォンツの意味は異なります。以下で、それぞれの違いを解説します。

ニーズ

ニーズとは、消費者自身が持つ無意識の欲求のことです。ニーズとインサイトが同じ意味で使われるケースは多くありますが、厳密にいえば異なります。ニーズは感覚で求めているかどうかを判断できる欲求であるため、質問やインタビューで情報を言語化して整理すると自覚できます。インサイトは自覚すらない状態であるため、無自覚の欲求です。

ウォンツ

ウォンツは、消費者自身がすでに自覚している欲求です。ウォンツは目的を達成する手段に該当し、ニーズは達成したい目的を指します。消費者はニーズによって解決策であるウォンツを探し、具体的な行動に移します。たとえば、ニーズが空腹を満たしたい場合、ウォンツは空腹を満たすための食べ物を探している状態です。

インサイトマーケティングの重要性が増している背景

近年、インサイトマーケティングの重要性が増しています。以下で、その理由を解説します。

商品やサービスが飽和している

現代では商品やサービスが飽和しており、作れば売れる時代ではありません。低価格なだけでは消費者の支持が得られないため、自社と他社の商品やサービスの違いを明確にすることが重要です。他社と差別化をするために、消費者の心の奥底にある欲求から商品やサービスを作る必要があります。

今後の企業は、商品やサービス開発を行う際に消費者のインサイトを分析し、新しい体験や付加価値を生んで購買につなげる活動が求められます。

消費者の購買行動が変化している

商品やサービスの飽和によって、消費者はニーズに応えるだけでは満足しにくくなっています。ニーズの底にあるインサイトを見抜き、無自覚領域にある欲求を満たす商品やサービスが求められています。

たとえば、ウォンツが「痩せたい」、ニーズは「きれいになりたい」の場合、インサイトは「同年代にスタイルで負けたくない」「同窓会で美貌を自慢したい」などの根底にある欲求です。欲求の奥底に眠っているインサイトを刺激することで、顕在化したニーズや潜在的なニーズを満たして消費者の満足につなげられます。

インサイト産業への転換が起こっている

昨今の市場は、従来のリサーチ市場からインサイト産業への転換が起こっています。以下で、インサイト産業について解説します。

インサイト産業とは

インサイト産業とは、「消費者のインサイトを提供するために、データを収集してインサイトの分析を行う」産業のことです。従来の主流であるリサーチ市場が変化し、「市場調査業界」から「インサイト産業」への転換が始まっています。

グローバル市場では、2018年の従来の定義によるマーケティング・リサーチの市場規模473.6億ドルに対して、2019年のインサイト産業を加えた市場規模は899.0億ドルに拡大しています。

参考: 第3回:「市場調査業界」から「インサイト産業」への転換

インサイト産業に求められるサービス

インサイト産業が拡大するなか、クライアント内でのリサーチの「内製化」が進んでいます。自社の強みを伸ばしたりAIの導入に挑戦したりするなど、戦略戦術面におけるマーケティング施策が必要です。新型コロナウイルスの影響もあり、インサイト産業の重要性が増すことが予想されています。

マクロミルはマーケティングの1プレイヤーとして、インサイト産業に関する多様なサービスラインナップを持っています。インサイト産業への転換をお考えの企業は、ぜひご相談ください

マクロミルのサービスラインナップを詳しく見る >

インサイトマーケティングのメリット・デメリット

インサイトマーケティングには、メリットとデメリットがあります。以下で、それぞれについて解説します。

インサイトマーケティングのメリット

インサイトマーケティングのメリットは、独自性のある商品やサービスの開発や、売上と集客の向上が期待できる点です。消費者が心の底から求めている欲求を見つけることで、競合との差別化によって自社のブランディングが可能です。インサイト分析によって、商品やサービスの見直しや改善にもつなげられます。

インサイトマーケティングのデメリット

インサイトマーケティングのデメリットは、手法として確立されていないことです。インサイトはニーズやウォンツとは違い消費者自身が無自覚の欲求をもっている状態であり、従来のリサーチ手法では仮説検証が困難です。インサイトの理解や解釈は人それぞれ異なるため、マーケティング担当者の間でも意見が分かれやすくなります。

インサイトマーケティングの手法

インサイトマーケティングの手法には、インタビューや行動観察などがあります。以下で、解説します。

インタビュー調査

インタビュー調査は消費者に直接インタビューをして、商品やサービスの評価を聞く手法です。インタビューした人の生活スタイルや消費行動のパターンなどから分析を行います。インタビューの内容をもとに、顕在化した欲求や潜在的なニーズの分析を行い、消費者自身が気づかない欲求を探ります。

インタビューを詳しく見る >

行動観察調査

行動観察調査とは、消費者の思考や行動のパターンから欲求を調べる手法です。消費者が生活する中で行動からインサイトの仮説を立てて、分析するなかで行動のパターンや傾向を分析すると、消費者の欲求の発見につながります。行動観察調査は消費者の潜在的な欲求を探れるため、新規事業や新しいビジネスを生みだす際にも有効です。

オフラインリサーチを詳しく見る >

インサイトを分析する際のポイント

インサイトを分析する際はリサーチのデータや、実体験を活用することが重要です。以下で、解説します。

リサーチしたデータを活用する

インサイトは社内にあるデータの収集やデータを統合して活用することで、分析の精度を高められます。体験や感想などの定性を重視しすぎると的外れな分析になるため、データで定性の裏付けを取ることが重要です。深層心理を分析するデータが不足している場合は、追加でリサーチを行いましょう。

参考:アンケート結果を分析する方法とは?集計方法や分析の種類、実施する手順などを解説

自社の商品やサービスを消費者として体験する

インサイトは提供者の目線ではなく、消費者の目線から分析することが重要です。提供者による体験や経験などの1次情報と消費者へのリサーチによる2次情報を集め、消費者が言語化できていない部分の分析に活用しましょう。消費者からの感想や意見を聞き、SNSで情報を深掘りして分析することもおすすめです。

まとめ

インサイトマーケティングは、消費者自身が自覚していない欲求を満たすためのマーケティング施策です。市場や消費者の行動の変化などから重要性が増しています。他社との差別化やインサイト産業への対応なども必要なので、企業のマーケティングの方針を見直すことが重要です。

マクロミルは、「マーケティング施策支援事業」を一気通貫で提供できる総合マーケティング支援企業です。多様な社会・消費者ニーズを分析し、クライアントに的確な消費者インサイトを提供します。インサイトマーケティングの施策を始める際に、ぜひご利用ください。

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