
データレイクとは、テキストや動画、エクセルファイルなどを大量に保存できるストレージです。データウェアハウス(DWH)と違い、ファイルの形式を問わずに保存できます。高度な分析をする際に活用されますが、多種多様なデータを収集・整理するための設計や、分析・運用に専門的なスキルが求められる点に注意が必要です。この記事では、データレイクの概要やメリット・デメリット、導入の手順などを解説します。
参考:多変量解析とは
データレイクとは
データレイクとは、あらゆる種類のデータを大量に保存できるストレージです。「データの湖(Data lake)」という用語は、さまざまなデータが集まる状態をイメージしています。エクセルやCSVなどの構造化データだけではなく、テキストや音声、画像、動画といった非構造化データも、形式を問わずに格納できます。
データウェアハウス(DWH)との違い
データウェアハウスとは、加工・処理された構造化データを保存するデータベースです。データの無駄な部分を削り、洗練された状態で保存します。データウェアハウスは明確な目的のもと、分析や可視化、レポーティングや非定型分析などのために活用されます。データレイクとの大きな違いは、構造(スキーマ)を事前に定義する必要がある点です。
データマート(DM)との違い
データマートとは、特定の利用に特化したデータベースです。部門ごとに小規模のデータ基盤を構築するため、迅速なアクセスや分析、運用の効率化などが可能です。大量のデータを保存するデータレイクとは異なり、用途別にデータを小分けにすることが、コストの削減にもつながります。
データベース(DB)との違い
データベースとは、構造化したデータを管理するためのシステムです。データを階層化して保存するため、検索やレポート作成などに適しています。データレイクとの違いは、構造化するか否かです。従来型のデータベースは半構造化データや非構造化データの大規模な蓄積や直接の管理には向いていないため、データウェアハウスと同じようにスキーマを定義する必要があります。
データレイクの必要性
昨今、データ活用への取り組みを、優れた業績や新たな価値の創出につなげている企業が増えています。その背景には、ビジネスで扱うデータの多様化があります。従来のデータ活用は売上数値などの「構造化データ」が中心でしたが、現在はSNSの投稿やIoTセンサーのログ、画像・動画といった、特定の形式を持たない「非構造化データ」が爆発的に増加しています。こうした多種多様なデータを、加工の手間をかけずに「ありのまま」蓄積できるデータレイクは、現代の高度な分析戦略において不可欠な基盤となっています。データレイクは、高度な分析や人工知能を含む包括的なデータ戦略を実現し、競合他社に先んじた価値創出を可能にします。今後も企業のIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの流れが加速し、データレイクの必要性は高まるでしょう。
データレイクを導入するメリット
データレイクはデータ活用において、さまざまなメリットがあります。ここでは、データレイクを導入するメリットを解説します。
データを一元管理できる
データレイクは、音声データや画像データなどのバイナリデータを含め、さまざまなデータを一元管理できます。企業のデータは日々蓄積されるため、膨大な量を管理する必要がありますが、データレイクを活用することで効率的な管理が可能です。データの保存だけでなく、迅速な分析や予測にも活用できるため、分析のたびにデータを収集する手間を軽減できます。
データ形式を問わずに格納できる
データレイクのメリットとして、データ形式を問わず格納できる点が挙げられます。構造化データに加えて、動画やIoTから収集されるデータ、SNSのログなど、さまざまな形式のデータを格納できます。部門ごとに扱うデータが異なる場合は、組織内のデータを横断して共有が可能です。また、長期にわたって保管と蓄積ができるため、用途に応じてデータを柔軟に変換し、分析に活用できます。
高度なデータ分析ができる
データレイクにより、さまざまなデータを活用したデータ分析が可能です。たとえば、ビッグデータ分析や、異なる形式のデータを組み合わせた分析などです。さらに、業界動向の予測やビジネスの意思決定にも活用できます。BIツールなどと連携することで、幅広い分析手法を取り入れられます。
経営の意思決定に活用できる
昨今は時代の変化が早く、将来予測が困難な状況が続いています。そのため、新たなビジネスの変化点となる情報を把握し、迅速な意思決定が重要です。その仕組みを構築するひとつの方法としてデータレイクが注目されています。
データに基づいた分析や予測は、経営の意思決定に役立ちます。リアルタイムで収集したデータを分析することで、最新の情報に基づいた事業運営の決定が可能です。
データレイクを導入するデメリット
データレイクを活用する際は、データの取り扱いに注意が必要です。ここでは、導入するデメリットについて解説します。
データスワンプ(データの沼)に陥るリスクがある
データスワンプ(データの沼)とは、データの管理が困難な状態を指します。データが無秩序に蓄積され、必要なデータが特定できなくなる状態です。データの保存期間が長いほど、保存の目的や理由が不明確になるケースもあります。データレイクの導入前に管理・分析方法を検討し、ルールを定めたうえで運用体制を構築しなければなりません。
分析に手間がかかる
データレイクにおいてはデータの特定や加工をするため、分析に手間がかかる場合があります。さまざまな形式のデータが混在することから、データ加工の知識やスキルが求められます。また、重複データが含まれるケースもあります。知識やスキルが不足すると手間がかかるものの、ツールを活用すると分析の手間を軽減できる可能性があります。
十分なデータ量を確保する必要がある
データレイクの分析には、大量のデータが必要です。データ量によって分析の精度に差が出るため、信頼性の高い結果を得るためには、十分なデータ量を確保しなければなりません。データレイク導入前には、保存するデータ量や種類などを考慮し、ストレージの容量を決めることが重要です。
データレイクを導入する手順
データレイクの導入においては、おもに4つのステップがあります。ここでは、基本的な手順を解説します。
1. ストレージを準備する
はじめに、データを保存するためのストレージを準備します。大量の構造化・非構造化データをデータレイクに格納するため、クラウドストレージや分散ファイルシステムを導入しましょう。
2. 収集・保存
次に、データレイクに格納するデータを収集・保存します。データの種類やビジネスの要件に応じて、バッチ処理やストリーム処理などを選択し、各種データを取り込みます。
3.変換
データレイクに格納されたデータは、必要に応じて形式を変換し、分析に活用できます。データの保存や構造化、分析の進め方を理解したうえで、適切に変換してデータの活用につなげましょう。
4.分析
最後にデータを分析します。変換した後のデータを、チャートやグラフなどによって可視化して分析します。分析した結果は、意思決定の判断材料やビジネスチャンスの発見につなげられます。
データレイクの課題
データレイクの活用においては、セキュリティやガバナンスなどのリスクも考慮しましょう。ここでは、データレイクの課題について解説します。
セキュリティリスクが高まる
データレイクには、顧客情報や従業員情報など機密情報が含まれる場合があるため、セキュリティリスクが高まります。情報漏えいやマルウェア感染といったリスクを軽減するためには、高度なセキュリティ対策を実施しなければなりません。企業は暗号化や認証、認可などのセキュリティ対策を行い、適切にデータを保護することが重要です。
データガバナンスが欠如するリスクがある
データレイクはデータを一元的に管理できますが、データ定義や命名規則などのガバナンスが欠如するリスクがあります。たとえば、アクセス制御やデータの追跡管理が複雑になるケースがあります。データレイクを導入する前にルールを構築しない場合、整合性や品質維持ができなくなるため注意が必要です。
まとめ
データレイクとは、データの形式を問わず保存できるシステムです。データを一元管理し、高度な分析や経営の意思決定などに活用できます。ただし、十分なデータ量が必要であること、分析に手間がかかることを考慮しなければなりません。そのため、データレイクの導入に際しては、業務の手間や時間を削減するツールを活用するなど、データの収集や分析の効率化が重要です。
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