
アンケート調査の実施後は調査レポート(調査報告書)を作成することが大切ですが、どのようにまとめればよいかわからず、困ってしまう人も多いでしょう。本記事では、アンケート調査レポートのまとめ方を徹底解説します。まとめ方のポイントやおもな記載項目なども解説するため、ぜひ参考にしてください。
参考:アンケート調査とは?種類や手順・進め方、ポイント、活用事例などを解説
- アンケート調査レポート(調査報告書)とは?
- アンケート調査レポートを作成するまでの流れ
- アンケート調査結果のまとめ方のポイント
- アンケート調査レポートのおもな項目・構成要素
- アンケート結果の分析におけるポイント
- まとめ
アンケート調査レポート(調査報告書)とは?
アンケート調査レポート(調査報告書)とは、アンケート調査の結果をまとめた文書のことです。アンケート調査レポートの内容はおもに社内で共有され、施策の立案や分析などに役立てられます。
アンケート調査レポートを作成する目的
アンケート調査レポートを作成する目的は、調査で得られたデータを分析し、その後の意思決定につなげることです。課題や改善点を洗い出したり、施策の効果を把握したりと、意思決定に必要な根拠を得ることができます。
アンケート調査レポートを作成するまでの流れ
アンケートの実施から調査レポートを作成するまでの流れは、おおむね以下の通りです。
- アンケートの目的を明確化する
- アンケートの手法や対象者などを決定する
- 質問票を作成する
- アンケートを実施し、回答を回収する
- 回答を集計する
- 集計結果を分析する
- アンケート調査レポートを作成する
アンケート調査レポートの質を高めるには、実用的なデータを得る必要があります。
そのためには、アンケート実施前の入念な準備が欠かせません。まずはアンケート調査の目的を明確化し、必要な情報を定義するところから始めましょう。どのような情報を取得したいのかが明確になれば、効果的な質問を設計できるようになり、より有用なデータを得やすくなります。
アンケートの実施後は回答を集計し、分析した結果をレポートにまとめます。
アンケート調査結果のまとめ方のポイント
アンケートの調査結果をまとめる際には、以下の5つのポイントを押さえましょう。
報告の目的や対象を明確化する
アンケート調査レポートをまとめる際は、報告の目的や対象を明確化することが大切です。どのような目的で、誰に対して報告するのかを意識すると、おのずと重視すべきポイントが見えてきます。
たとえば、上司や経営陣などの社内に向けて報告する場合は、業務の合間に確認しやすいように、簡潔さやわかりやすさを重視する必要があります。
要約を載せる
アンケート調査レポートの冒頭には、調査結果の要約を掲載するとよいでしょう。
はじめにおおまかな全体像を提示してから詳細に入ることで、読者が報告内容を理解しやすくなります。
文章だけではなくグラフや表を活用する
アンケートの調査結果は文章だけでなく、グラフや表などのビジュアルを用いてわかりやすく解説することが大切です。ビジュアル化の方法としてはおもに以下のような種類があり、それぞれ異なるメリットを持ちます。
種類 | メリット |
---|---|
円グラフ | 全体のなかでの構成比を把握しやすい |
棒グラフ | データの大小を把握しやすい |
帯グラフ | 構成比の変化を把握しやすい |
折れ線グラフ | 増減の変化を把握しやすい |
レーダーチャート | 複数の項目の数値を結び、多角形で表現するグラフ 複数の指標をまとめて確認しやすい |
散布図 | 2種類の項目を縦軸と横軸に取り、データの位置に打点(プロット)したグラフ データの相関を把握しやすい |
客観性を意識する
アンケート調査レポートでは、主観を排除し、事実に基づく内容のみを記載することが大切です。
報告内容は、施策の立案や改善などの根拠として使用される可能性があります。そのため、アンケート調査レポートの内容は、正確かつ客観的でなければなりません。私見を混ぜることなく、集計データを客観的に分析した結果を記載しましょう。
調査結果と所感は別々に記載する
所感とは「感想」とほとんど同じ意味で使われる言葉です。アンケート調査レポートにおいては、調査担当者が調査結果に基づく見解などを指します。
所感は、調査結果とは別々に記載することが大切です。所感は調査担当者による考察であるため、結果や事実とは区別する必要があるためです。一般的には、調査結果をまとめた上で、最後に所感を述べる場合が多いでしょう。
アンケート調査レポートのおもな項目・構成要素
ここからは、アンケート調査レポートに掲載するおもな項目を紹介します。
タイトル・作成者名など
アンケート調査レポートの表紙には、タイトルや作成者名、作成日などの情報を記載しましょう。社内向けの報告書であれば、「○○調査結果報告書」のように簡潔なタイトルが適しています。
一方、社外向けの報告書では、読者が読みたくなるようなキャッチーなタイトルをつけるとよいでしょう。
目次
表紙の次は、各セクションを一覧表示した目次を設けます。目次は、報告書の全体構造の把握をサポートします。また、セクションごとのページ番号を記載すれば、読者が必要な情報をスムーズに閲覧できるようになるでしょう。
調査の背景・目的
調査の詳しい内容に入る前に、まずは調査の背景や目的を記載します。どのような理由から、何を得ることを目的とした調査なのかを明示しましょう。
このセクションに目を通すことで、読者は調査の意義をより深く理解することができます。また、調査の目的を明示してから報告に入ることで、調査結果を正しく読み取ってもらいやすくなります。
調査の概要(調査方法・回収状況など)
次に、調査の概要を記載しましょう。記載すべき内容は、おもに以下の通りです。
記載項目 | 記載例 |
---|---|
調査名 | ○○に関するアンケート調査 |
調査方法 | 会場調査 |
調査対象者 | 30〜50代女性/全国 |
調査期間 | 2025年6月1日〜8月31日 |
回収状況 | 回答件数450件(回答率35%) |
調査方法や対象者などを明示することは、調査の信頼性や透明性の向上につながります。読者に「適正なやり方で調査をしたこと」を示すために、重要なセクションです。
調査結果の概要
調査結果を詳細に報告する前に、まずは概要を記載します。特に、調査結果のボリュームが大きい場合は、概要を読むだけで調査結果をおおよそ把握できるように記載することが大切です。
ただし、概要が長くなりすぎると本末転倒になるため、おおよそ3行程度で簡潔にまとめましょう。
調査結果の詳細
概要の下には、より詳細な調査結果を記載します。調査レポートの本題となるセクションです。
詳細報告においても「概要」と同様、簡潔でわかりやすく記載することを意識しましょう。文章はなるべくシンプルにして、伝えたいことをコンパクトにまとめます。グラフや表の活用はもちろん、適宜小見出しを作成することも効果的です。
結論と提案
調査データの分析結果に基づき、今後のアクションや改善案を提示するセクションです。今後、調査結果をどのように活用していくのか、具体的な指針を示します。
実行するべき施策を提案する場合は、優先順位をつけて記載するとよいでしょう。
所感
最後に、調査担当者の所感を記載します。調査結果に基づく考察や見解を示します。個人的な感想ではなく、調査結果に基づく客観的な意見を述べることが大切です。
また、調査結果の活用方法や、データから導き出される示唆についても自分の意見を述べられるとよいでしょう。
アンケート結果の分析におけるポイント
アンケート調査レポートを作成するためには、調査結果の綿密な分析が必要です。最後は、アンケート回答の集計結果を分析する際のポイントを解説します。
分析の目的を明確にする
アンケート調査を実施する際や、調査レポートを作成するときと同様に、まずは目的を明確にすることが大切です。アンケートを行った背景や、調査結果を分析する目的をあらためて確認しましょう。目的が明確になれば、分析手法も選びやすくなります。
データの信頼性を確保する
アンケート結果の分析はデータに基づいて行われます。そのため、大元となるデータの信頼性が低い状態で分析をしても、その結果を今後の意思決定に役立てることはできません。
分析の質を高めるためには、データの信頼性を確保することが大切です。たとえば、不完全な回答や無効回答を除外したり、対象者の条件を適切に設定したりする必要があります。
適切な分析手法を選ぶ
アンケート調査の分析手法には、以下のようにさまざまな種類があります。
度数分布分析
特定の範囲ごとにデータを分類し、該当するデータの数を集計する手法
平均値・中央値分析
数値の平均値と中央値を算出する手法
クラスター分析
回答者や回答を、同種あるいは類似性のある集団に分類して分析する手法
決定木分析
物事の原因となっている変数を樹形図で整理し、視覚的に理解しやすいようにする手法
分析の目的に応じて、適切な手法を選びましょう。
まとめ
アンケート調査後は、分析結果をまとめた調査報告書を作成し、意思決定に活用しましょう。アンケート調査レポートを作成する際は、報告の目的や対象を明確化し、グラフや表などを用いてわかりやすくまとめることが大切です。
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