新型コロナを境に生活者意識の構造的変化が明らかに。「食事会・飲み会」は長期的な減少トレンドに“コロナが拍車”、生活気分の起伏は激化

マクロミルでは、オープンデータとして国内唯一(※)である、ウィークリー生活者定点観測調査『Macromill Weekly Index』の過去10年間分のデータを使い、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)が変えた生活者意識を読み解きました。

『Macromill Weekly Index』は、インターネットを通じ、過去1週間の消費や今後の消費予想、景況感や生活気分などを幅広くリサーチしています。2013年4月の開始から10年という長期間の継続的なウィークリー調査データだからこそ見えた、コロナ流行期3年での変化について発表します。なお、本調査では、2019年12月までを「Beforeコロナ」、2020年1月から2023年4月までを「コロナ流行期」、2023年5月以降を「Afterコロナ」と定義しました。

※自社調べ(2023年4月28日時点)

トピックス
  • コロナを境に「自宅の特別な食事」が増加。Beforeコロナからの長期的な減少トレンドだった「食事会・飲み会」は、コロナで大きく減少するも回復トレンドに
  • 先行きの景況感は、消費税の増税で下降。ピークは「緊急事態宣言発令1回目」
  • コロナを境に生活気分の起伏が激化。“ポジティブ”は減少を維持するも、WBCで最高スコアを記録
  • ネガティブな感情はコロナを境に急上昇。著名人の訃報や大事件・事故による影響大きく

1.コロナを境に「自宅の特別な食事」が増加。Beforeコロナからの長期的な減少トレンドだった「食事会・飲み会」は、コロナで大きく減少するも回復トレンドに

購入品目の指標は、「1週間に買ったもの・サービスは何か」という設問に対し、23カテゴリーの選択肢を用意し、複数回答で聴取しています。そのうち、「食事会・飲み会」「家族との外食」に着目します。

コロナ流行期に入り、飲食店の休業や緊急事態宣言によって、「食事会・飲み会」「家族との外食」は急激に減少しました。増加・減少を繰り返しながらの回復トレンドではありますが、行動制限が解除・緩和された現在も、Beforeコロナの水準には戻っていません。また、「食事会・飲み会」の減少は、コロナの影響だけではなく、長期的な低下トレンドにあったことがわかります。一方、「自宅の特別な食事」は、Beforeコロナを上回って推移しており、底上げされた可能性があります。コロナと長期変動の2つの影響によって、飲食スタイルはこの10年間で大きく変化しました。

図1:購入品目(「食事会・飲み会」、「家族との外食」、「自宅の特別な食事」)

図1:購入品目(「食事会・飲み会」、「家族との外食」、「自宅の特別な食事」

2.先行きの景況感は、消費税の増税で下降。ピークは「緊急事態宣言発令1回目」

景況感DI(先行き)は、「2~3カ月先の身の回りの景気が、良くなると思うか、悪くなると思うか」という設問に対し、「良くなる(100)」「やや良くなる(75)」「変わらない(50)」「やや悪くなる(25)」「悪くなる(0)」と回答した割合による加重平均値を算出しています。

先行きの景況感について10年間を振り返ると、2014年の消費税の5%から8%への引き上げ時に1つ目の谷、2018年後半頃から下降を始めて2019年の消費税の8%から10%への引き上げ時に2つ目の大きな谷が確認できます。そして、10%への引き上げからわずか3~4カ月後のコロナを境に、過去10年間類を見ないほどに急下降しました。ピークは「緊急事態宣言発令1回目」で、コロナへの不安や恐怖、経験したことのない未曾有の事態から、多くの生活者が、先行きの景気に対する大きな不安を抱えていたことがわかります。

図2:景気判断(先行き)

図2:景気判断(先行き)

3.コロナを境に生活気分の起伏が激化。“ポジティブ”は減少を維持するも、WBCで最高スコアを記録

生活気分の指標は、「この1週間、どのような気分で過ごしたか」いう設問に対し、ポジティブ4項目とネガティブ4項目の合計8つの選択肢を用意し、複数回答で聴取しています。

Beforeコロナ期は、正月、ゴールデンウィーク、お盆休みといった季節的要因で、ポジティブ・ネガティブともにスコアが周期変動していました。しかしコロナ流行期に入ると、ポジティブ・ネガティブともに、突発的な出来事やイベントによる影響で、生活者の感情は大きく変動するようになりました。特徴が特に現れた「うれしかった」「悲しかった」の指標を見ていきます。

図3:Beforeコロナとコロナ流行期の「生活気分」の変化(6つの指標を抜粋)

図3:Beforeコロナとコロナ流行期の「生活気分」の変化(6つの指標を抜粋)

「うれしかった」は、コロナ流行期に入り急下降し、現在も平均的には低い水準で推移しています。2021年に開催された「東京2020オリンピック」で急上昇したほか、記憶にも新しい2023年3月の「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」での日本代表の優勝で、過去最高のスコアを記録しました。Beforeコロナ期も、スポーツの大会が度々開催されてきましたが、「うれしかった」という感情の起伏は、コロナ流行期に比べて小さかったことがわかります。

図4:生活気分(うれしかった)

図4:生活気分(うれしかった)

4.ネガティブな感情はコロナを境に急上昇。著名人の訃報や大事件・事故による影響大きく

一方、「悲しかった」はコロナ流行期に入り急上昇しました。特に、著名人の訃報や痛ましい事件・事故の報道によって急上昇するようになりました。ポジティブ指標と同様に、ネガティブ指標でも、Beforeコロナに比べて、感情の起伏が大きくなったことが一目瞭然です。

図5:生活気分(悲しかった)

図5:生活気分(悲しかった)

このように、生活者の感情・気分は、コロナを境に構造的な変化が生じました。Beforeコロナは、個人の日常生活の反映による季節周期でしたが、コロナ流行期は、ポジティブ・ネガティブともに、突発的な出来事やイベントが影響し、生活者の感情起伏が激しくなりました。これは、日常生活の制限やコロナ関連報道によって、感情や気分を決める心理的基準点が変化し、情報や出来事に対する感応度も高くなった可能性があります。まもなく始まるコロナの5類移行によってBeforeコロナの水準に戻るのか、可塑性を判断するために、今後も観測や分析を継続してまいります。

より詳細な分析結果とすべての調査項目は、無料レポート資料にて公開しております。

フォーム入力後ダウンロードいただき、ぜひすべての調査結果をご確認ください。

『Macromill Weekly Index』とは

今回のレポートで使用したのは、『Macromill Weekly Index』。

日本に住む生活者の毎週の消費動向や景況感、生活気分などについて、2013年4月より継続的に把握する国内唯一のウィークリー生活者定点観測調査、オープンデータです。毎週水曜日に調査を実施し、同週の金曜日にデータを公表しています。BIツール「Tableau」とデータ連携しており、性別や年代、地域別などでも把握することが可能です。

生活者の「今」がわかる『Macromill Weekly Index』

生活者の消費動向や景況感、生活気分などを毎週金曜日に更新しています。

調査概要
調査期間:マクロミル
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国、20~74歳の男女1,000人
割付方法:人口構成比割付(令和2年国勢調査の性年代別人口比率に基づく)
調査日時:毎週水曜日実施

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