MaxDiff法
MaxDiff(Maximum Difference)法※1は、トレードオフを明らかにし、生活者の嗜好や選好の差をより明確に把握するためのデータ聴取方法です。
MaxDiff法の特長
- 多数の評価項目の順位付けが可能
- 重視度、選好度などの評価の差が項目(アイテム)間、回答者間でより顕著に
- 回答者に与えるバイアスが少なく、国際調査にも最適
- 他の聴取方法と比べ、回答者への負荷が低く、高精度な回答を取得
活用シーン
- 商品企画において、商品がもたらすベネフィットや機能の優先順位を明らかにしたい
- 商品コンセプトや広告の訴求メッセージなど、ターゲットにとってより魅力的で、受容性の高いアイデアを選択したい・絞り込みたい
- ニーズ分析において、「不可欠な要素」と「犠牲にできる要素」を明確にしたい
調査画面(設問)イメージ
多数の評価項目から、いくつかの項目をアンケートで提示します。回答者は、その中で「最も重要なもの」「最も重要でないもの」をそれぞれ1つずつ選択し、これを複数回繰り返します。一度に提示する項目数と質問数は、評価項目の総数に応じて適切な数を設定します。各項目が「最も重要」「最も重要でない」と回答された割合から、項目ごとの評価得点を算出します。(選択肢表現は調査目的に応じて変更可能)
図1
回答者は提示された項目の中から「最も〇〇な項目」「最も〇〇でない項目」を単純に選択するだけのため、尺度法と比較すると、より重要な要素、より重要でない要素が明確になります。恒常和法と比較した場合は、質的な回答負荷が低くなります。また、階層ベイズ法を用いて各回答者のスコアを推定するため、特に評価項目が多い場合は、一対比較法と比較して回答の量的な負荷が軽く、回答精度が高まります。
図2
活用事例
必要不可欠な要素と犠牲にできる要素(トレードオフ)を踏まえた機能の優先順位を明らかにしたい。
具体的な活用シーン
新しいデジタルカメラの製品企画に着手した電機メーカーA社。ユーザが求める機能をすべて搭載しようとすると、どうしても高価格機になりがちである。そこで、ユーザの求める機能の優先順位を明らかにし、スペックの絞り込みを行いたい。
アウトプット例
自社や競合のポジショニングの見極めも行い、製品開発の方向性の参考にしたい。
デジカメ機能の重視点
次にデジカメを買う時に「最も重視するもの」と「最も重視しないもの」をそれぞれ1つずつ聴取し、必要不可欠な機能と犠牲にできる機能のトレードオフを明らかにする。
※1:※Jordan Louviere等によって開発されたデータ計測および計算方法(Louviere, 1991, 1992; Louviere, Finn, and Timmermans, 1994; Finn & Louviere, 1995; Louviere, Swait, and Anderson, 1995; McIntosh and Louviere, 2002)。コンジョイント分析の考え方を応用したもので、属性間の重要度を数値化する手法。