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データドリブンマーケティングに必要なデータについて考える【前編】

データドリブンマーケティングに必要なデータについて考える【前編】

中村大亮(Supership株式会社 マーケティングエバンジェリスト)[著]
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データドリブンマーケティングを進める上での課題

これから「データドリブンマーケティング」について語ろうとしているのにも関わらずいきなり不謹慎ですが、“データで全てが解決するわけではない”ということに、まずは言及したいと思います。ソーシャルメディアが登場した時も、MA、DMP、CDPが登場した時もそうですが、業界のポジショントークも相まって、データというものはどうしても万能感が出てしまうのです。しかし、あくまでもデータを扱い判断するのは人間なので、データは“我々次第で有用にも無用にもなるツール”であることは、今一度理解しておきたいところです。

さて、本題です。「データをマーケティングに活用できていますか?」「データ活用の課題は何ですか?」と問われたらあなたは何と答えますか?

「マーケティング活用ができています。」「課題はありません。」という方はまだまだ少ないと思います。昨年行われた、データドリブンマーケティングがテーマの某カンファレンスに集まったブランド企業のエグゼクティブ層でも、データドリブンマーケティングの課題として「データの法的観点」や「適切なソリューション」よりも、「組織・人材」を挙げる方々が多かったことは、注目に値します。

また、Supershipが企業のマーケティング・広告・広報の担当者394名を対象に実施した調査では表のような結果が出ています。

表 自社のデータの利活用における課題 上位5位

※スクロールしてご覧ください

順位 課題 (%)
1 データ分析を行うアナリストなどの担当者がいない 48.7
2 分析したデータを有効活用できていない 45.2
3 データ活用を推進出来る人材がいない 44.7
4 正確な外部データ(3rd party data)がない 25.6
5 外部ツールの導入や外部データを購入する予算がない 24.4
ベース:全体(n=394)/複数回答 (出典:Supership)

上位はやはり「組織・人材」の課題でした。組織・人材論に関しては、其処此処で議論されており、データドリブンマーケティングだけではなく様々なマーケティングイノベーション遂行に関し、課題として噴出する共通のテーマです。そのため今回は、データドリブンマーケティングを進める上で、より避けて通ることのできない問題でもある“データが足りない(どのようなデータが必要か分からない)”にフォーカスして話を進めて行きたいと思います。

必要なデータをクリアにするアプローチ

皆さんのマーケティング活動の目的は何でしょうか?極々当たり前のことではありますが、ここが曖昧だと必要なデータの解像度が一向にクリアになりません。その上、闇雲にデータリクルーティングを仕掛け手当たり次第にデータを分析することがいつの間にか目的となってしまい、出てきた数字を見て「で?」となりがちです。

やってはいけないと分かってはいても、気付いたらやってしまっているケースで、図1のようなアプローチパターンがあります。「どんなデータが収集出来るのか?」あるいは「今持っているデータで出来ることは何か」が起点になっているパターンが多いのではないでしょうか。

やってしまいがちなデータ分析のアプローチ

図1 やってしまいがちなデータ分析のアプローチ

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やってしまいがちなデータ分析のアプローチ

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そうではなく、図2のように、目的をしつこいくらい常にチームで確認しながら、「目的を達成するためにどのようなデータを活用するか」ということを起点に逆算していく思考でのアプローチが重要になってきます。この段階で、自社あるいは手持ちのデータでどの程度目的に近づけるか検証することをお勧めします。

目的達成に向けたデータ活用起点の分析アプローチ

図2 目的達成に向けたデータ活用起点の分析アプローチ

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目的達成に向けたデータ活用起点の分析アプローチ

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筆者がメーカでマーケティングを担当していた数年前、正にデータ活用起点でのDMP設計を経験しました。ひとくちに「データ活用」といっても、様々な切り口・粒度での表現が考えられます。当時心掛けたのは、「顧客理解」とか「ユーザーごとにメッセージを変える」といった、漠然とした解釈の振れ幅が大きい活用シーンではなく、より具体的なユースケースを想定することでした。例えば「○○ブランドで、シーズンごとの△△売り場の提案を小売店にできている」「○○ブランドの仮説設定しているターゲットユーザー△△の検証ができ、広告コミュニケーションのクリエイティブ・タイミング・メディア選定ができている」といった、より具体化した複数のユースケースから逆算してデータ収集まで遡り、足りているデータソースや不足しているデータソースのポートフォリオを策定しました。

しかし、こういった内容については、多くの方は「既に実践している」あるいは「当たり前ではないか」と思われているかもしれません。そこで次回後編では、“考え方”ではなく、もう少し汎用的な“今後のマーケティングに必要なデータ”について考えたいと思います。マーケティング戦略に必要なデータとはどういったものなのか、そしてライフステージ・ライフスタイルデータの活用について触れていきます。

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中村大亮
中村大亮
Supership株式会社 マーケティングエバンジェリスト
ライオン株式会社、株式会社オールアバウト、三菱電機株式会社においてマーケティング業務を担当。テレビ、イベント、デジタル等、オフライン・オンラインのマーケティングを経験し、直近はデジタルを中心にソーシャルメディア、アドテクノロジー、データ活用、コンテンツマーケティングと幅広くデジタルマーケティング業務全般に携わる。2017年4月にSupership株式会社へ入社し、データを起点としたマーケティング支援に携わる。
第10回Webクリエーション・アウォード「WEB人賞」受賞、第2回「CNET Japan CMO Award」受賞。アドテック東京、iMEDIA SUMMIT、日経BP社主催「モバイル&ソーシャルWEEK」、Salesforce World Tour Tokyoなどの数々のイベントでスピーカーとして登壇。

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