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第1回 データドリブンなマーケティングとは何か

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「デジタルマーケティング」というワードをよく聞くようになりました。しかし「デジタルマーケティング」という特殊なマーケティングがある訳ではありません。マーケティングが、いえ、企業活動全体がデジタル化するのです。そういう意味では企業の「デジタル変革」の一環としてマーケティングのデジタル化も語られないといけません。
さて、ではマーケティングのデジタル化とは何を指すのでしょうか…。

「デジタル」というキーワードが指し示すのは、デジタルデータ(特に従来と比較にならない規模のビッグデータ)を、デジタルテクノロジーを駆使してマーケティング施策を「最適化」する、あるいは新たなマーケティング施策を開発する、ということでしょう。
では、そのデジタルデータをデジタルテクノロジーに介して得られる画期的なこととはなんでしょうか。

まず得られることは、

①リアルタイムで把握できること
②非構造化データ(センサーデータのような最初から数値化されていないデータ)も取り込めること
③従来からの仮説検証型だけでなく、ビッグデータとAIによって文脈発見型のマーケティングが可能になり得る。

の3点だと言えるでしょう。

そもそもデータを常に把握する意味とはなんでしょうか。

私は、講演などでよくこういう話をします。

従来のマーケティング施策は広告キャンペーンに代表されるように、主に年一回程度の頻度で実施されるものです。年一回比較的大きな花火を上げるような施策では、経験と勘がモノを言います。思い切りジャンプして着地しても一回だけなので、そうそうズレは起きません。

しかし今は施策のサイクルが高頻度になりました。毎日のように細かい施策を打つ時代になりました。そうなると少しずつの微差が積み上がって大きくズレが生じる場合があります。目を瞑って何十回かその場でジャンプすると、本人は同じ場所にいるつもりでも部屋の隅まで移動してしまっていることがあるように、データを使って日々のズレを補正していかないと、大きなズレが生じてしまうことになるのです。

そして、マーケティング施策のタイミングとそのレベルを決めるのは、マーケティングの対象者であるターゲット消費者であるということです。消費者がどう反応しているかをリアルタイムで知る必要があります。

世の中はすべからく「送り手」から「受け手」に主導権が移りました。

若者が電話よりメールなどの通信手段を選ぶのは、電話はかける方のタイミングで通信が成立しますが、メールは受けとる側のタイミングで行われるからです。マーケティングコミュニケーションも主導権は消費者にあります。それを認識して、マーケティングデータも「送り手の指標」から「受け手の指標」に変換していく必要があります。特に広告メディアに関わるデータがそうです。

広告に関わるデータで言えば、「売り手」のデータから「買い手」のデータにしていかなければなりません。売り手が「これはいくらです。」と価格を指し示すだけではなく、買い手が「これはいくらなら買うよ」という取引き手法も想定しないといけません。株が入札応札で価格が決まるのと同じです。

話をマーケティングデータに戻すと、データはリアルタイムで捕捉することで、日々の打ち手に繋げるためにあるということになります。

従来、(例えば広告キャンペーンのような)マーケティング施策を実施したとすると、終わってから調査をして「施策に効果があったかどうか検証する」、という調査がたくさんあったと思います。

しかし終わってから調査しても、もう終わってしまっているので進行中の施策を改善するためには使えません。

これからは、広告キャンペーンが終わってから効果検証というのではなく、常にKPIが(競合ブランドも含め)把握されているべきです。そもそも施策の目標値としてKPIが設定されていないようではマーケティングとは言えません。競合ブランドも含めてKPIを把握して、施策実行の事前からリアルタイムで把握することです。
そのためにも調査データもリアルタイムで把握できるものにシフトしていく必要があります。

キャンペーンを予算化すると、予算消化が目的化して、KPI達成が全く意識されていないケースもまだまだ多くありますが、マーケティング施策の実行目的はマーケティングKPIの達成であって、予算消化ではありません。

キャンペーンの途中でも、KPIの達成の見込みが危うければ、追加実施がされるべきですし、逆にKPIを達成していればあえて予算をすべて消化しなくてもよいのではないでしょうか。データドリブンなマーケティングとはこういう感覚で行われなければならないものです。

マーケターがこうしたスタンスでデータを扱い施策を企画実施する時代はもう来ています。

つまり、「マーケティングダッシュボード」を駆使する時代です。
施策は事前にすべて決めてしまうのではなく、リアルタイムで把握するマーケティングダッシュボードによって、打ち手のタイミングと強弱を最適化する「運用型」にシフトしていくでしょう。

では、こうしたマーケティング活動にとって、データプロバイダーはどういうデータ供給を求められるのでしょうか…。

次回はその意味で、リサーチに関する新たな視点について書いていきます。

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横山隆治
1982年青山学院大学文学部英米文学科卒。同年(株)旭通信社入社。1996年インターネット広告のメディアレップ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(株)を起案設立。同社代表取締役副社長に就任。2001年同社を上場。インターネットの黎明期からネット広告の普及、理論化、体系化に取り組む。2008年(株)ADKインタラクティブを設立。同社代表取締役社長に就任。2010年9月デジタルコンサルティングパートナーズを主宰。2011年7月(株)デジタルインテリジェンス代表取締役に就任。

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