
BtoBマーケティングおよび営業戦略において、企業の「決裁者」がどのようなプロセスを経て導入に至るかを把握することは、極めて重要な要素です。
しかし、実際の検討プロセスは組織内部で進行するため、外部からその詳細を正確に捉えることは容易ではありません。
マクロミルでは、BtoB市場調査ビジネスパネルにより直近1年以内に外部サービス・製品導入の決裁を行った849名を対象に、その行動実態に関するアンケート調査を実施しました。
本レポートでは、調査結果から得られた主要な指標をもとに、現在のBtoB市場における検討プロセスの構造についてご紹介します。
1. 比較検討における「3.5社」の壁

外部サービスや製品を導入する際、決裁者が比較検討を行う企業数は、全体平均で「3.5社」という結果になりました。
内訳を詳しく見ると、3社を比較するケースが39%と最も多く、次いで2社が25%となっています。全体の64%が2〜3社という限定された候補の中から選定を行っています。
商材別には大きな差はなく、システム開発、製造関連が多く、 IT ツール、総務系が少ない傾向にあります。

2. 商談・問い合わせに至る「最初のきっかけ」
決裁者が、最終的に商談や問い合わせを行った企業を「最初に知ったきっかけ」については、従来の手法が高い比率を占めています 。営業(電話・メール)が43%、既存の接点がある企業への声掛けが39%となり、次いで展示会・イベントが37%となりました。
デジタルチャネルであるWeb検索も35%に達しており、年齢別でみると従来的な手法である既存接点とWeb 検索で差があることが伺えます。

この「最初に知ったきっかけ」は商材によって顕著な差異が見られます。ITツール・SaaS領域ではWeb検索が49%と突出し、Webメディアも40%と高い影響力を持っています。
一方で、製造・物流・建設領域では既存の接点(45%)や営業(45%)、展示会(43%)が主要な接点となっており、総務・福利厚生領域では展示会が40%でトップとなるなど、商材によって大きく傾向が変化することが伺えます。

3. 商談・問い合わせを決断する理由

候補企業の中から、実際に「問い合わせ」や「商談」を依頼するに至った具体的な理由については、課題への適合性が最大の要因となっています。
「要件の合致」が57%で最も高く、次いで「事例が豊富」が51%、「同業他社事例」が35%と続きます。価格の明瞭さ(34%)や企業の信頼性(33%)を上回り、具体的な事例の充実が商談化に向けた動機付けとなっている点が特徴的です 。
特に「事例」の重要性はBtoBマーケティング施策において極めて高く、自社の課題解決を具体的にイメージさせる情報の提供が、決裁者の意思決定プロセスを前進させる鍵であると言えます。
本ページで公開した内容に加え、以下の詳細データを閲覧いただけます。ぜひダウンロードして詳しくご覧ください。(全30ページ)
- 問い合わせ前に検討から外した理由
- 発注の決め手、発注見送りをした決め手
- 最終的な発注を決めたエピソード など
調査概要
- 調査手法
- マクロミルが保有するビジネスパネルに対するインターネット調査
- 調査エリア
- 全国
- 調査対象者
- 【スクリーニング調査】従業員 100 名以上、課長職以上、 20 歳以上の男女
【本調査】直近 1 年以内に「外部サービス・製品の導入」に関する決裁を行った方
かつ 2 社以上の比較検討を行った方 - 回答者数
- 【スクリーニング調査】8,107人
【本調査】849人 - 調査期間
- 2026年1月20日~ 2026年1月22日
- 調査実施機関
- 株式会社マクロミル
著者の紹介
株式会社マクロミル 事業統括本部 事業開発ユニット スペシャリスト 人間中心設計専門家
伊賀 正志
アクセンチュアを経て2010年に株式会社マクロミルに入社。BtoBリサーチ事業の成長・拡大に大きく貢献し、同領域における「エキスパートインタビューサービス」や「UI/UXリサーチサービス」の立ち上げを主導。また、事業企画部門においては全社基幹システムの刷新やBIツール導入、生産性改善プロジェクトなど、組織基盤の強化にも従事。現在は新規事業開発に携わり、自ら多数のクライアントインタビューを行いながらセミナー登壇も務める。
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