アンケート結果をわかりやすくまとめる方法|分析する際のポイントなども解説

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2023/11/2(木)

アンケートは、マーケティング施策の1つです。本記事では、アンケート結果をどのように活用すればよいか悩む企業担当者に向け、活用方法や集計方法、分析方法について解説します。結果を可視化するために便利なグラフの種類や見やすいグラフを作る際のポイント、集計・分析をする際の注意点なども解説します。ぜひ参考にしてください。

目次

アンケート結果の活用方法

アンケート結果は、企業の戦略策定に欠かせないデータです。アンケートで集められるデータは、自社の認知度やサービス・商品に対する顧客の満足度、市場の動向など多岐にわたります。

ただし、アンケート結果をただ眺めるだけでは、活用できているとはいえません。アンケートはただ実施すればよいのではなく、結果を的確に分析することが重要になります。その分析を経て、売上の増加や生産性、商談率、CV率の向上、従業員の離職防止など、自社の戦略に活かせます。

アンケート結果の活用方法

アンケート結果をわかりやすくまとめる方法

アンケート結果をわかりやすくまとめる方法

アンケート結果は、わかりやすく集計・分析まですることで、役立つデータとなります。有効性の高いデータを抽出するためには、実施・集計・分析までの流れを把握することが重要です。

集計・分析には、Excelやツールを使用することが一般的です。単純集計で全体的な傾向を把握した後に、クロス集計や細かな分析を行います。なお、調査目的や回答方法によって、集計方法や分析方法が異なるため、適切な方法を選択する必要があります。

アンケート結果を分析する際の手順

アンケート結果を分析する手順

アンケート結果の分析は、通常は以下の手順で行います。

  1. 結果を集計する
  2. 集計したデータを分析する

アンケートは、始めに結果を集計し、見やすいデータにすることが重要です。さらに、マーケティングに活かすために、集計したデータをもとに、目的に合わせた手法を用いて分析します。例えば、選択式のアンケートの場合は、単純集計で全体像を把握してからクロス集計をし、属性ごとに分類するといった流れになります。

以下で、主な集計方法や代表的な分析方法について解説します。

アンケート結果の主な集計方法

アンケート結果の集計方法には、単純集計、クロス集計、自由記述集計などがあります。以下は、それぞれの特徴をまとめたものです。

集計方法 特徴
単純集計 最も基本的な集計方法。質問の各選択肢の回答数や割合、平均値などを算出する。全体的な回答傾向を把握できる。
クロス集計 単純集計のデータを2つ以上掛け合わせる集計方法。データ全体の傾向を細分化させることで、一歩踏み込んだデータになり、戦略の方向決めに活用できる。
自由記述集計 「数値」もしくは「文章」の回答を集計する方法。数値は平均値、中央値、標準偏差値、最小値、最大値などを求める。文章は、キーワードによるカテゴライズや単語の相関性などから分類する。
集計方法 単純集計 クロス集計 自由記述集計
特徴 最も基本的な集計方法。質問の各選択肢の回答数や割合、平均値などを算出する。全体的な回答傾向を把握できる。 単純集計のデータを2つ以上掛け合わせる集計方法。データ全体の傾向を細分化させることで、一歩踏み込んだデータになり、戦略の方向決めに活用できる。 「数値」もしくは「文章」の回答を集計する方法。数値は平均値、中央値、標準偏差値、最小値、最大値などを求める。文章は、キーワードによるカテゴライズや単語の相関性などから分類する。

アンケート結果の代表的な分析方法

アンケート結果分析方法としては、クラスター分析、アソシエーション分析、主成分分析、決定木分析、時系列分析が代表的です。以下に、それぞれの特徴をまとめました。

分析方法 特徴
クラスター分析 回答者を似たもの同士でグルーピングする手法。ブランディングに活用される。

参考:クラスター分析について詳しくはこちら

アソシエーション分析 データ間の関連性を見出す手法。仮説や予測を立てることで、マーケティング施策に役立つ。
主成分分析 膨大なデータを少ない変数に置き換えて要約する手法。顧客満足度の分析やブランディングに活用される。

参考:主成分分析について詳しくはこちら

決定木分析 樹形図を用いて分析する方法。ターゲット層の把握やリスクマネジメントに使われる。

参考:決定木分析について詳しくはこちら

時系列分析 一定期間にわたるデータの推移を分析する手法。認知度の推移の測定や将来の需要の予測に役立つ。
分析方法 クラスター分析 アソシエーション分析 主成分分析 決定木分析 時系列分析
特徴 回答者を似たもの同士でグルーピングする手法。ブランディングに活用される。

参考:クラスター分析について詳しくはこちら

データ間の関連性を見出す手法。仮説や予測を立てることで、マーケティング施策に役立つ。 膨大なデータを少ない変数に置き換えて要約する手法。顧客満足度の分析やブランディングに活用される。

参考:決定木分析について詳しくはこちら

樹形図を用いて分析する方法。ターゲット層の把握やリスクマネジメントに使われる。

参考:主成分分析について詳しくはこちら

一定期間にわたるデータの推移を分析する手法。認知度の推移の測定や将来の需要の予測に役立つ。

参考:アンケート結果を分析する方法とは?集計方法や分析の種類、実施する手順などを解説

アンケート結果を可視化するのに便利なグラフの種類

アンケート結果は集計しグラフにすることで活用しやすくなります。可視化されたデータは、分析しやすく、戦略を立てる際にも有効です。以下で、5つの代表的なグラフについて解説します。

グラフの種類

棒グラフ

棒グラフは、選択肢ごとの回答者数や割合が一目でわかるグラフです。特にクロス集計のデータを比較するのに適していて、項目別と年代別、性別で比較するケースや、過去◯年分の推移を種類別に比較するケースなどに活用できます。横棒グラフと縦棒グラフの2種類があります。

円グラフ

円グラフは、データ全体を100%として、単純集計の回答結果の構成比を表すのに適したグラフです。円のなかに各データの割合を扇形の面積で示すため、視覚的に割合を認識しやすい点が特徴です。ただし、複数回答になるアンケートのように、回答の合計が100%にならないデータには向きません。

帯グラフ

帯グラフは、円グラフと同様に、単純集計の回答結果の構成比を、一目で認識するのに適したグラフです。帯全体が100%となるように、各データの割合を示します。複数の項目を上下に並べて比較できるため、データ数が多い場合でも見やすい点が特徴です。ただし、回答の合計が100%にならない複数回答のアンケート結果の分析には適しません。

折れ線グラフ

折れ線グラフは、時間で変化するデータを表すのに適したグラフです。縦軸に値や数量、割合など、横軸に時間の経過をとります。時系列でデータの点を打ち、点と点を結ぶことで、折れ線の傾きから変化を把握します。時間経過の間隔が一定でないと、グラフの正確性がなくなってしまう点に注意が必要です。

散布図

散布図は、分布図とも呼ばれ、2つのデータ間の相関関係や因果関係を表す際に使われるグラフです。縦軸と横軸に異なる調査項目の数値をとり、当てはまる位置に点を打っていくため、グラフ上に無数の点が分布されます。想定外の関連性の発見につながることもあれば、関係性が見いだせない場合もあります。

見やすいグラフを作る際のポイント

アンケート結果をグラフにすると、一目でわかりやすいデータになります。以下では、見やすいグラフを作るためのポイントを解説します。

グラフの種類

デザインや表示順などの調整も必要

グラフを作る際は、単に適したグラフに数値を当てはめるのではなく、体裁を整えることが重要です。例えば、元データの並び順を数値の昇降順に並び替えるだけでも、比較しやすいグラフになります。

色の使い方や、凡例・データラベルの入れ方も見やすさに影響します。色は多用するよりも同系色のグラデーションにしたほうがスッキリと見え、凡例やデータラベルはグラフ外ではなく、なかに表記したほうが見やすくなります。

適した種類のグラフを選択する

アンケート結果をグラフにする場合、基本は回答形式や集計方法によってグラフの種類を選択します。単純集計のデータは、単一回答であれば帯グラフや円グラフ、複数回答の場合は棒グラフや折れ線グラフにします。クロス集計のデータは、単一回答なら帯グラフ、複数回答では棒グラフや折れ線グラフの組み合わせが一般的です。

データに合わないグラフを使うと、データを正確に読み取れない可能性があるため、注意が必要です。さまざまな種類があるグラフのなかから、適したものを使い分けるようにしましょう。

グラフは集計単位を変えて複数作る

同じデータのグラフでも、集計単位が変わると印象が変わる場合があります。集計単位を変えて、グラフを複数作ることで、より正確にデータを読み取れます。

例えば、母数が違う集団のデータを比較する際に、度数のみでグラフ化してしまうと同程度の結果に見えてしまうケースがあります。度数だけでなく、母数を揃えた割合を表すグラフも作るとよいでしょう。集計単位によって、読み間違いが発生する可能性がある点に留意しましょう。

アンケート結果を集計・分析する際の注意点

アンケート結果の集計や分析をする際、どのような点に注意したらよいか解説します。

集計・分析の注意点

集計する前に有効回答と無効回答をわける

アンケート結果は、集計する前に必ず、有効回答と無効回答をわける作業を行います。無効回答を集計に入れてしまうと、正しいデータの抽出ができないためです。そのため、有効回答の基準を最初に定めておく必要があります。

例えば、他の回答者の回答と比べて明らかに異常な数値である、無回答、回答者が対象に該当していないなどは無効回答になります。集計するデータが、有効回答の基準を満たしているかの確認は必ず行い、それによって母数も変わると認識しましょう。

分析する前に有意性のある集計データか確認する

分析前には、アンケートの集計結果の信頼性を確認することが重要です。信頼性に足りるデータであるかは、適切な回答数が集まっていることと、抽出データが全体の傾向を偏りなく反映していることの2点がポイントです。信頼性の低いデータを分析しても、正しい結果は得られない可能性が高くなるため、注意が必要です。

分析の精度を高くするためには、集計データの有意性が重要である点を理解しておきましょう。

全体像を把握してから細部を分析する

分析は、最初に全体像を把握し、その後に細部に目を向けるという流れで行いましょう。全体像を先に把握しておくと、細かな部分の分析をした際に比較することができます。はじめから細部のデータに着目してしまうと、全体の傾向とのズレが生じたり、違いを読み解けなかったりといった、偏った分析になる可能性があります。

全体像から把握するのは、自由回答のアンケート結果でも同様です。全体像を把握しておけば、個別の結果だけでは見えない分析データを得られることもあります。

アンケート分析ツールやソフトを利用するのもおすすめ

アンケート結果の集計や分析は、Excelを使う方法が代表的ですが、フリーツールやアンケート作成ツールなどの専用ツールを使うことで業務の効率化を図れます。専用ツールは、アンケート作成だけでなく自社に合ったマーケティング活動への活用まで、スムーズにつなげることが可能なものも多くあります。

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まとめ

まとめ

アンケート結果は、集計方法や分析方法にさまざまな種類があります。収集したデータに合わせて適切な方法を選ぶことが、アンケートをマーケティング施策に活かすポイントになります。

株式会社マクロミルは「マーケティング施策支援事業」を提供する総合マーケティング企業です。マーケティングリサーチデジタルマーケティングリサーチを中心に、多様な社会・消費者ニーズを分析し、消費者インサイトを提供しています。マーケティング施策にアンケートの導入を検討されている担当者様は、ぜひご相談ください。

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