コレスポンデンス分析とは、複数のカテゴリー間の類似度・関連性を整理し、マッピングする手法です。カテゴリー間の関連性を視覚的・直感的に把握でき、主にブランドとイメージのポジショニングマップを作成するときに用います。
■ 分析の概要
コレスポンデンス分析の概要
コレスポンデンス分析は、イメージなどのカテゴリー間の類似度・関連性を把握する手法です。マトリクスGT表やクロス集計表から抽出された要因成分を縦軸と横軸にしてマッピングされるので、視覚的・直感的にカテゴリー間の関連性を把握することができます。主にブランドとイメージのポジショニングマップを作成するときに使います。
アウトプット
関連の強いカテゴリーは近くに、弱いカテゴリーは遠くにプロットされるので、集計表では読み取りにくい関連性を見ることができます。
活用シーン
主にブランドのポジショニング調査に使用されます。評価したいターゲットと評価項目があれば分析可能です。
■ 調査の実施
コレスポンデンス分析を実施するためには、2通りのアプローチがあります。
①調査の段階でマトリクス形式で質問し、GT表を分析する方法
②2つの質問を掛け合わせて作成した、クロス集計表を分析する方法
いずれも、マトリクス形式の集計表となるデータを用いて分析します。
調査票例
①マトリクス形式で調査したデータを使用する場合
ブランドごとのイメージマップを作成する場合はこちらの手法が一般的です。表側に対象集団の項目(ブランドや企業)、表頭に個別要因の項目(イメージ)を配置します。
表側の項目は5~20項目、表頭の項目は10~25項目が一般的です。
表側の項目は分析の際に対象外にすることも可能です。
②クロス集計表となるデータで分析する場合
対象集団の質問(属性やブランド)と、個別要因(イメージ・評価等)を質問します。通常の質問や、マクロミルの基本属性でも分析できますので、分析用に別途質問をしなくても分析可能です。
※単一回答・複数回答は問いません。
■ QuickCrossでコレスポンデンス分析を行う
調査で取得したデータを使用し、QuickCrossでコレスポンデンス分析を行います。
[メニュー画面]→[多変量解析]→分析処理で[コレスポンデンス分析]を選択し、[設定]を押します。
マトリクス形式で調査したデータを使用する場合
コレスポンデンス分析画面の左上「GTマトリクス」を選択します。アイテム一覧より分析項目を選択し、[>]で右枠に移動させます。
表頭の選択肢の最後に、「あてはまるものはない」のような不要な項目がある場合は、プルダウンで一つ前の選択肢を選択し、分析範囲を指定します。
[実行]へ進む>>
クロス集計表となるデータで分析する場合
コレスポンデンス分析画面の左上「クロス集計」を選択します。アイテム一覧より表側項目を選択し、[>]で右枠に移動させます。
表頭項目も同様に、アイテム一覧より選択し、[>]で右枠に移動させます。
表側・表頭どちらも選択肢の最後に、不要な項目がある場合は、プルダウンで一つ前の選択肢を選択し、分析範囲を指定します。
右下の[実行]を押します。
※分析軸(因子)数の設定と、軸の指定ができます。
分析軸数が少ない方が、マップの説明度は高くなります。
通常、マップの軸として3~5軸目を利用する場合にのみその最大軸数を分析軸数として設定します。
分析軸・説明度について詳しく見る>>
■ アウトプット
マップ
関連の強い項目は近くに、弱い項目は遠くにプロットされますので、率直に「距離の近い項目は似ている」と解釈します。軸の交点近くにマッピングされる場合は、他のカテゴリーと比較して突出した特徴がない、と解釈します。
また、イメージマップの場合以下の2つを把握することができます。
①そのブランドのイメージ
②同じイメージで捉えられている他ブランド
軸の特徴をつけるとより解釈がしやすくなります。
※マップは縦横の目盛幅が異なると読みとりづらくる場合は縦と横の目盛幅が同じになるよう調整してから使用してください。
表
マップとともにアウトプットされるカテゴリースコアは、分析したマトリクスの行と列の関連性をコレスポンデンス分析によって数値化した標準得点です。
読み取り例
・『I社』は「奇抜な」というイメージを持たれている
・『B社』は、軸の交点近くにマッピングしているため提示したイメージ項目の中では突出した特徴がない
・『C社』「E社』「F社』は、「落ち着いた」「なじみのある」「無難な」イメージを持たれているメーカーという意味で似ている
※下図マップ上の軸名称(青色枠内)は、各ブランドやイメージ項目のポジショニングから縦横の軸の意味を読み取り、便宜上付与したものです。
■ FAQ