当社グループでは2019年8月に公表した中期経営計画(3ヵ年)に沿った企業運営を行ってきましたが、当該計画の策定・公表時には、コロナ禍の発生は予見していませんでした。このため、当社ではその計画期間の終了を待たずに、その内容をこれまでの業績推移と現在の経営環境を踏まえて更新し、新たに2024年6月期までの計画(3ヵ年)を策定しました。また、この中期経営計画の更新に先立って、今後の経営環境の将来像を見据え、当社グループのビジョンを以下の通り刷新しました。
当社グループの新ビジョンは、上図にある通り「Build your Data Culture ~ 私たちは、データネイティブな発想でお客様のマーケティング課題を解決し、ビジネスに成功をもたらすData Culture構築の原動力となることを目指します。」としました。当社はこの新ビジョンの下で、特に日本事業においては、顧客企業のリサーチ課題に留まらず、より上流からマーケティング課題全体の解決を支援するため、「総合マーケティング支援企業」へと事業モデルの変革を進めます。今後も、当社が保有する消費者パネルから得られる様々なデータを活用した革新的なサービスを提供し、マーケティングビジネス領域全体にイノベーションを拡げることを目指す方針です。
上記新ビジョンで示された世界観の実現に向けて、また、これまでの中期経営計画でも掲げてきた「グローバル TOP10及び日本及びアジア NO.1」を目指す方針の下で、新たな中期経営計画では下図に示す通り、2024年6月期の連結売上高570億円、連結営業利益率15%、連結ROE10%以上を目標に、過去最高の利益額の更新を目指します。また、財務レバレッジの目標水準は従来目標を引き継ぎ、既存の信用格付を維持しながら、純有利子負債/EBITDA倍率を2.5倍から2.0倍の範囲まで削減することを目指します。また、株主還元を強化する方針も同様に引き継ぎ、当社の再上場以来掲げてきた、20%-30%の連結配当性向の長期目標を堅持しつつ、必要に応じた機動的な自己株取得の実施を継続します。
※1 ROE:Return On Equity 親会社所有者帰属持分当期利益率
※2 NSO:Number of Shares Outstanding 発行済株式総数
※3 取得期間:2021年5月14日~2021年7月8日
日本事業(リサーチ事業、デジタル及びその他の新規事業)、韓国事業、その他の海外事業の4つの事業区分におけるそれぞれの事業成長を通じて、連結ベースでは2024年6月期に売上収益570億円の達成、この3ヵ年で年平均約9.7%の成長を目指します。この増収率は固定費の増加ペースを上回る伸長であるため、営業レバレッジ効果が発揮され、利益率の向上に繋がる見込みです。当社はその効果と、上記の固定費マネジメント施策(内製キャパの拡大を通じた外注費の削減、業務の自動化やAI、RPAの積極的な導入による人件費上昇ペースの抑制など)を通じ、2024年6月期における営業利益率15%の達成と、過去最高の利益額の更新を目指します。
また、売上成長を実現するため、足許では積極的に人材投資を実施しています。これにより、リサーチ受注案件の内製対応キャパシティを拡充するとともに、必要に応じて外注を拡大して追加的な受注体制を構築することで、足許にかけて想定を上回るペースで回復が進む顧客需要の確実な獲得を目指します。また、データ利活用支援(データ・コンサルティング)事業、マーケティング施策支援(広告配信など)事業などの新規注力事業に関しても、それらのスキルを持つ人材の採用・育成を進めます。このように、中期経営計画の前半には人材への投資が先行しますが、後半には拡充された内製キャパシティを活用することで、外注費の削減を見込みます。また同時に、中期経営計画期間をかけて、業務の自動化やAI、RPAの導入にも積極的に取り組むことで、人件費の上昇ペースを抑え、収益と費用のバランスを図る方針です。
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