東京 終了

QPR活用セミナー
消費者の購買行動からみたプライベートブランドの位置づけ


開催概要


主催 株式会社マクロミル
日時・場所 2013年7月24日(水) 東京開催
コンテンツ 1.PBに対する状況の整理
1)ヨーロッパの状況
2)日本の状況
2.データ分析:QPRにおける購買行動の確認
1)主要カテゴリーのPBの状況
2)高品質PBについての消費者意識
(株式会社マクロミル シニアアナリスト 上田雅夫

開催レポート

2013月7月24日、株式会社マクロミルは品川本社にて、QPR活用セミナー『消費者の購買行動からみたプライベートブランドの位置づけ』を開催しました。

本セミナーでは、株式会社マクロミル保有の「消費者購買履歴データ QPR™」を活用し、昨今、注目されつつあるPBの購入実態などについて分析した結果と、その結果から導き出されるPBやNBの今後の方向性についてご紹介しました。

1. PBに対する状況の整理

PBのシェアは国によって大きく異なります。PBのシェアの高低には、小売業の上位集中度や、経済・マーケティング環境なども影響しており、小売業の上位集中度が高いヨーロッパでは、日本と比較し、概ねPBのシェアが高い状況にあります。ヨーロッパには、PBを仲介する組織や、PBの製造団体なども存在しています。PBは品質と価格によって大きく3つ(good-better-best)に分類でき、値ごろ感を訴求したPB(good)、従来のNBと同程度の品質で価格が安いPB(better)、従来のNBよりも高品質・高価格のPB(best)が存在します。

一方、日本は小売業の上位集中度がヨーロッパに比べ、極めて低い状況にあります。しかし、昨今、PBに力を入れる小売業は増加してきています。日本では、従来型のPB(better)が主流でしたが、値ごろ感を訴求したPB(good)や高品質・高価格のPB(best)のラインアップも増えてきています。今後のPB取り組みを増やそうと考えている小売業は67.6%(※1)にのぼり、高付加価値のPBの販売への取り組みも59.4%(※1)にのぼります。また、今後PBをアピールする方針としては、「低価格」「高品質」「安心・安全」などが考えられている(※2)ようです。
※1 食品企業財務動向調査報告書2011(社団法人食品需給研究センター)
※2 平成24年スーパーマーケット年次統計報告書

2. データ分析:QPRにおける購買行動の確認

1)主要カテゴリーのPBの状況

「食パン」「ヨーグルト」「レトルトカレー」「チョコレート」「紙クリーナー」「台所用洗剤」の6カテゴリーについて、PBの状況を分析しました。
その結果、チェーンを絞らないでみると、PBは購入率でNBの水準には及ばないことが分かりました。しかし、特定チェーンに限定すると購入率がNBに匹敵するPBも存在することが明らかとなした。また、全般的にPBのほうがNBよりもロイヤルティが高いことが分かりましたが、「台所用洗剤」カテゴリーにおいてはNBのほうがロイヤルティが高いことが明らかとなり、機能性の強いカテゴリーは、PBに向かない可能性が示唆されました。

2)高品質PBについての消費者意識
「食パン」について、あるチェーンの“プレミアムPB(以下Aブランド)”と“通常のPB(以下Bブランド)”についての比較を、購買者属性や購買者への意識調査結果(QPR-MIll)を用いて行いました。
その結果、購買者属性では、Aブランドの購入者のほうがBブランドの購入者よりも年収の高い人の割合が大きいことが明らかとなりました。また、AブランドのほうがBブランドよりもロイヤリティが高い結果となりました。
また、Aブランド購入者に、意識調査を実施した結果、以下のようなことが分かりました。

ブランドイメージは、Aブランドが1位「高級感がある」、2位「甘さがある」、3位「おいしい」であった一方、Bブランドは1位「おいしい」、2位「価格が安い」、3位「親しみがある」の結果であった。

購入理由は、Aブランドが1位「TVや雑誌で取り上げられていたから」、2位「おいしそうだった/おいしいから」、3位「売り場で目立っていたから」であった一方、Bブランドは1位「価格が安かったから」、2位「おいしそうだった/おいしいから」、3位「厚さ・枚数が適当だったから」であった。
※通常の食パン購入時の重視事項も聞いたところ、上位3位は、「おいしさ」「価格が手ごろである」「厚さ・枚数が手ごろである」

食味に対する感想は、Aブランドが1位「甘みがある」、2位「焼くとおいしい」、3位「モチモチしている」であった一方、Bブランドは1位「焼くとおいしい」、2位「味に飽きない」、3位「ふんわりしている」という結果が得られた。
※Aブランドを2個以上購入しているリピーターに絞ってみると、1位「甘みがある」、2位「そのまま(トーストしない)でもおいしい」、3位「焼くとおいしい」の結果
※Aブランド購入者の6割が、次回の購入意向があると回答

これらの結果から、プレミアムPBであるAブランドは、消費者が望ましいブランドイメージを形成しており、次回購入意向も高いことがわかりました。「試用購買を働きかけるためにパッケージやPOPで味を想起させる言葉を訴求」「売り場で目立たせることで想起させ、購買させる」等の取り組みが成功したものと考えられ、今後も支持されていくことが予想されます。

本セミナーの資料をご希望の方は、下記のメールアドレス宛てに、「QPR活用セミナー:プライベートブランド分析」と記載の上、ご連絡ください。

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