マクロミル、能登半島地震の災害支援チャリティーアンケートを実施
全国20万人の回答結果から、防災におけるコミュニケーション等の課題が明るみに
(コード番号:3978 東証プライム)
令和6年能登半島地震により、被災された方々並びにご家族・ご関係者の皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
このたび、株式会社マクロミル(本社:東京都港区、代表執行役社長 CEO:佐々木徹 以下、当社)は、災害や防災への意識を可視化することで、今後の対応策検討の一助となることを目指し、「災害や防災に関するチャリティーアンケート」を実施しました。期間は2024年2月16日(金)~2024年2月17日(土)の2日間で、全国20万人のマクロミルモニタの皆様がチャリティーでの回答にご協力くださりました。
■ チャリティーアンケート実施の背景と概要
本調査は、令和6年能登半島地震による被災地支援のため、マーケティングリサーチを生業とする当社ならではの取り組みとして実施しました。当社が災害や防災への意識を可視化することで、生活者の皆様が“防災意識の現在地”を把握し、今後起こり得る災害に備える一助となることを目指し、企画しました。
本調査に際し、当社のアンケート回答パネルであるマクロミルモニタの皆様にチャリティーとして協力を依頼したところ、2日間で20万人の皆様より協力を得ることができ、マクロミルモニタの皆様の社会貢献意欲の高さを示す結果となりました。マクロミルモニタの皆様の協力に御礼申し上げるとともに、回答いただいたポイント(本来は回答者の皆様に加算されるもの)を還元し、当社より日本赤十字社へ全額寄付することをご報告いたします。
■ 調査結果 トピックス
- 「家族どうしの安否確認方法」の準備ができているのは35%にとどまる
- 単独世帯の約2割が「家族どうしの安否確認」「災害時に頼ることができるご近所づきあい」に“必要性を感じない”
- 「簡易/携帯用トイレ」の備蓄率は約2割、災害発生時に衛生環境を保つための備えに課題
- 能登半島地震を機に取り組んだことは「避難経路の確認」「備蓄の見直し」「ペットの安全な避難方法」など
■ 調査結果 詳細
1. 「家族どうしの安否確認方法」の準備ができているのは35%にとどまる
能登半島地震では、大きな地震の揺れや、断水や停電などの被害がメディアを通じて報道されたことから、まずは、災害対策のための準備状況を尋ねました。
5項目のうち、準備ができている割合※1が最も高かったのは「避難場所/避難経路の確認」(42.8%)で、「家具の置き方の工夫」(35.2%)、「非常用持ち出し袋の準備」(29.4%)は、いずれも過半数に届きませんでした。
また、コミュニケーションに関連した2項目「家族どうしの安否確認方法」や「災害時に頼ることができるご近所づきあい」で準備ができている割合は、それぞれ35.0%、23.9%にとどまり、コミュニケーション上の備え不足が明らかになりました。
※1:「十分な準備ができている」「一定の準備ができている」の合計
【図表1】 地震や洪水などの災害対策のための準備状況
2. 単独世帯の2割弱が「家族どうしの安否確認」「災害時に頼ることができるご近所づきあい」、“必要性を感じない”
コミュニケーション上の備えに関する前述の2項目について、世帯形態別に準備できている割合を確認しました。
近年増加する※2単独世帯において、「家族どうしの安否確認方法」では23.4%、「災害時に頼ることができるご近所づきあい」では13.8%にとどまりました。さらには、これらの準備について“必要性を感じない”という人も16~18%程度存在し、災害対応におけるコミュニケーション上の課題が明るみになりました。
※2:厚生労働省『世帯数と世帯人員の状況』 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/02.pdf
【図表2】 「家族どうしの安否確認方法」<世帯形態別>
【図表3】 「災害時に頼ることができるご近所づきあい」<世帯形態別>
3. 「簡易/携帯用トイレ」の備蓄率は約2割、災害発生時に衛生環境を保つための備えに課題
災害に備えた備蓄状況を確認したところ、最多は「懐中電灯」で55.4%の、続いて「マスク」49.3%、「タオル」39.6%という結果でした。
能登半島地震では断水による飲み水不足や公衆衛生の悪化、土砂崩れ等による孤立状態から食料不足が問題となりました。水や食料、衛生面について見ると、「水(同居家族人数×3日分)」の備蓄は37.2%、「非常用食品(同居家族人数×3日分)」の備蓄は26.3%と、備蓄は万全という状況ではないようです。 また、「簡易/携帯用トイレ」は22.0%にとどまりました。
【図表4】 地震や洪水などの災害に備えた備蓄状況
4. 能登半島地震を機に取り組んだことは「避難経路の確認」「備蓄の見直し」「ペットの安全な避難方法」など
自由回答形式の設問では、備蓄品や防災バッグといった物資の必要性に加え、家族や友人との連絡方法や待ち合わせ場所といったコミュニケーション面への意識、ペットとの安全な避難方法などさまざまな回答が挙げられました。
<自由記述回答(抜粋)>
- 独り立ちする家族が増えるため、地震の際のシミュレーションを行い、家族と話し合いました。(10代、北海道)
- 家族と連絡が取れない際の待ち合わせ場所を話し合いました。(20代、東京都)
- 防寒用具を新たに購入し、家財道具が倒れないように、簡易点検をしました。(30代、鹿児島県)
- 防災バッグについて調べるようになった。少しずつ揃えていきたいです。(30代、沖縄県)
- 簡易トイレの備蓄を増やしました。(40代、静岡県)
- 避難経路を確認しようと思いました。(40代、佐賀県)
- 元気なうちに両親、友達となるべく会っておこうと思いました。(50代、京都府)
- 資産を分散することです。(50代、福岡県)
- ペットの安全な避難方法です。(60代以上、愛知県)
本調査結果から物資の備蓄に加え、近所付き合いや家族の安否といった人とのコミュニケーション面による備えにおける、生活者の現時点での準備状況と、災害対策への意識が明らかになりました。当社は今後も、人々の意識の変化をデータに基づき明らかにし社会に貢献する取り組みを継続していきます。本調査のデータをご入用は、以下よりお問い合わせください。
以 上
■ 調査概要
- 調査方法
- :インターネットリサーチ
- 調査地域
- :全国
- 調査対象
- :全マクロミルモニタ会員
- 有効回答数
- :200,000人
- 割付方法
- :割付なし(全数回収)
- 調査期間
- :2024年2月16日(金)~2024年2月17日(土)
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